The Beach Boys : Sunflower (1970.8)


1. Slip On Through
2. This Whole World
3. Add Some Music To Your Day
4. Got To Know The Woman
5. Deirdre
6. It's About Time

7. Tears In The Morning (Album Version)
8. All I Wanna Do
9. Forever
10. Our Sweet Love
11. At My Window
12. Cool,Cool Water (Album Version)
[1 : Repriseへ移籍/70年代前半の代表作]

 70年代に入り、キャピトル・レコードとの契約が満了したビーチ・ボーイズは、ブラザー・レコード(グループ自身のレーベル)の配給をワーナー傘下のRepriseに移し、1970年8月に本作『Sunflower』を発表します。イギリスでは第29位にランクイン、アメリカではほぼノー・リアクションでしたが、各メンバーの個性が均等に発揮された充実度の高い内容も相まって、後年評価の高まった一作に(ビーチ・ボーイズあるあるパターン)。
 
 1曲目のデニス作「Slip On Through」は当時のファンク/ソウル・ミュージック風のナンバーで、デニスのパワフルなヴォーカルと華やかなコーラスが聴きどころ(ちなみにデニスの声が普段より高めに聞こえるのは、歌入れの際にテープ・スピードを下げて録音したため。速度を元に戻すとああいう感じに聞こえる)。続くブライアンの作品2「This Whole World」でさらに勢いが増す。短いながらも分厚いバック・コーラスとカールのリード・ヴォーカルすべて絶品の一曲。メンバー4人がヴォーカルを分け合う3「Add Some Music To Your Day」で一度リラックスし、デニスの4「Got To Know The Woman」でロック調に変わり、ブライアンとブルースの共作5「Deirdre」では穏やかなソフト・ロック調へ。ちなみにこの曲はシングル『素敵じゃないか』(2013年8月)のカップリングにも収録。そしてパワフルな6「It's About Time」(ヴォーカルはカールとマイク)までがアナログ盤A面。

 B面(7〜12)はブルースによるソフトで感傷的な7「Tears In The Morning」で始まり、深いエコー処理(テープ・エコー?)が施されたソウル調の8「All I Wanna Do」へ(リード・ヴォーカルはマイク)。このアルバムではブライアンに次いでデニスの作曲面での貢献度が高く、中でもバラードの9「Forever」はアルバムの聴き所の一つ。10「Our Sweet Love」は「God Only Knows」にも通ずる雰囲気のソフトなナンバー。フォーク・タッチの11「At My Window」はブライアンとアルの共作で、ブルースがヴォーカル。

 アルバムのラストに収録された12「Cool,Cool Water」は3つのパートが組み合わされた作品。前半約1分は1967年10月、アルバム『Wild Honey』のセッションで録音されたもので、コーラスが何層にも重ねられている。2つ目の"Water,Water,Water,Water〜っ♪"と歌われる不気味なパートは、当時未発表だったアルバム『SMiLE』からの断片。このパートは後に「In Blue Hawaii」「Love To Say Dada」の一部として発表。後半は1つ目のパートを発展させて新たに作られたパートで、ピアノやシンセサイザーをバックに、ブライアンとマイクが交互に歌っています。
[2 : YouTubeより]

⚪️"This Whole World" (Live 1991)

⚪️"Deirdre"

⚪️"All I Wanna Do" (Live 2015)

⚪️"Forever" (Live 1971)

⚪️"It's About Time" (Live 1971)
[3 : 別ヴァージョン/ミックス]

 本作の様々な別ヴァージョン/ミックスをまとめてみました。この手の話題は無理に追求する必要もないので、昔聴いた記憶とどこか違うなぁ…と思った時か、気が向いた時に読んでいただけると幸いです。

Slip On Through

1 : Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : Promotional Mono Mix

 ↑は便宜上表記という事で。通常のアメリカ盤シングルとは異なる、ラベルが白の非売品プロモ盤のみに収録のモノラル・ミックス。1のAlbum Version(=Stereo Mix)をモノラルに変換したもの。(Thanks:K.坂本さん/更新:2017年10月29日)

3 : A Cappella Mix

 ヴォーカル・トラックのみのアカペラ・ヴァージョン。テープ・スピードを上げていない元のピッチで収録されています。
(収録CD)
『Made In California (カリフォルニアの夢)』(Box Set/2013年)

余談 : サビのコーラス・パターンの異なる音源も存在する(未発表)。

This Whole World

1: Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : Promotional Mono Mix

🔵↑は便宜上表記という事で。アメリカ盤シングル「Slip On Through」の、ラベルが白の非売品プロモ盤のみに収録のモノラル・ミックスで、音源自体は1のAlbum Version(=Stereo Mix)をモノラル変換したもの。
🔵コーラス・パート : Stereo Mixでは左右に広がり存在感がありましたが、Mono化すると後ろに引っ込んでしまい、リード・ヴォーカルが目立つ。別ミックスというより、位相反転による"現象"と思っていただけると…。もしよく判らない場合は、通常のStereo MixをPCソフトでMono変換するか、昔ながらのやり方で、ヘッドホンジャックを少し抜くとモノラルになるので、それでも確認可能。(Thanks:K.坂本さん/更新:2017年10月29日)

2 : A Cappella Mix

🔵ヴォーカルのみのアカペラ・ヴァージョン。
🔵通常のヴァージョンとは異なり、「When girls get mad at boys...♪」の部分がカールではなく、ブライアンのリード・ヴォーカルになっている。
(収録CD)
『Made In California (カリフォルニアの夢)』(Box Set/2013年)

Add Some Music To Your Day

1: Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : A Cappella Mix

 2001年に発表されたア・カペラ・ミックス。
(収録CD)
『ホーソーン、カリフォルニア-伝説が生まれた場所(レア・トラックス)』(2001年)

Deirdre

1 : Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : Mono Mix

 イギリス盤シングル「Long Promised Road」のB面収録のモノラル・ミックス。ステレオをモノラルにダウンミックスしたと思われる。(Thanks:K.坂本さん/更新:2016年2月15日)

It's About Time

1 : Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : Promotional Mono Mix

 ↑は便宜上表記という事で。アメリカ盤シングル「Tears In The Morning」の、ラベルが白のプロモ盤のみに収録されたモノラル・ミックス。1のAlbum Version(=Stereo Mix)をモノラル変換したもの。(Thanks:K.坂本さん/更新:2017年10月29日)

Tears In The Morning

1 : Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : U.S. Single Edit Version

 アメリカ盤シングル収録のEdit Versionで、後半のピアノ・ソロがカットされている(通常より1分短い3分11秒)。CD化されているかは不明。

Forever

1 : Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : A Cappella Mix

 2001年発表のアカペラ・ミックス。
(収録CD)
『ホーソーン、カリフォルニア-伝説が生まれた場所(レア・トラックス)』(2001年)

3 : 1992 Version

 1992年、ジョン・ステイモス(テレビドラマ『フルハウス』で知られる俳優)のリード・ヴォーカルでリメイク・ヴァージョンが制作されています。いかにもこの当時のハード・ロック風ギターが良くも悪くも目立つ。
(収録CD)
『Summer In Paradise』(1992年)

4 : 1992 Version (AC Mix)

 3と同じくジョン・ステイモスのリード・ヴォーカル版で、シングルとしても発表されています。こちらはハード・ロック風ギター・ソロをカットし、アコースティック・ギターとキーボードを前に出したミックス。アルバム『Summer In Paradise』がイギリスで発売された際、こちらのミックスが採用されています。
(収録CD)
『Summer In Paradise』(1993年/UK盤)

5 : 2012 Live Version

 これは例外ということで。2012年の50周年記念ライヴ・ツアーでは、スタジオ版のマルチトラック・テープからデニスのリード・ヴォーカルを抜き出し、それに合わせてライヴ演奏が行われていました。
(収録CD)
『永遠の夏 2012 〜 50周年記念ツアー』(ライヴ盤/2013年)

Our Sweet Love

1: Album Version

 一般流通しているアルバム・ヴァージョン。

2 : Vocals With Strings

 ヴォーカル・パートとストリングスのみの別ミックス。
(収録CD)
『Made In California (カリフォルニアの夢)』(Box Set/2013年)

Cool,Cool Water

1 : Album Version

 アルバム『Sunflower』収録のアルバム・ヴァージョン。

2 : Single Edit Version

 1のアルバム・ヴァージョンの前半部分をカットし、「Water,Water,Water,Water〜っ♪」から始まるシングル・ヴァージョン。
(収録CD)
『テン・イヤーズ・オブ・ハーモニー』(1991年)
『The Warmth Of The Sun』(2007年)

3 : 1993 Version

 ↑は便宜上表記という事で。1967年後半録音の初期段階ヴァージョン。アルバム・ヴァージョンの前半部分ですが、ヴォーカルのダビング数はそれよりも薄め。1分11秒の演奏。
(収録CD)
『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(Box Set/1993年)

4 : Cool, Cool Water (Version 1)

🔵1967年6月7日、アルバム『Smily Smile』セッションでのレコーディング。"Version 1"となっていますがここでは2テイクを収録。
🔵前半はリハーサル・テイクらしき音源(モノラル)。
🔵2つ目のテイクは伴奏がピアノからエレクトリック・ハープシコードに替わり、コーラスはダブル・トラックで左右に振り分けられています。が、まだ一部が未完成で「Water~っ♪」が歌われていません(一部こちらの記事からの引用)。
(収録CD)
『THE SMiLE SESSIONS (Collector's Box)』(2011年)

5 : Cool, Cool Water (Version 2)

🔵1967年10月26,29日、アルバム『Wild Honey』セッションでのレコーディングから3種類のテイク収録。
🔵前半1分27秒は演奏のみ。
🔵2つ目の2分45秒までがヴォーカルを重ねたテイク。
🔵3つ目のテイクは2つ目の後半部分にさらにコーラスをダビングしたもののようですが、ここで加えられたコーラス・パートの一部が、『THE SMiLE SESSIONS』の「Love To Say Dada」に合成されています。
(収録CD)
『THE SMiLE SESSIONS (Collector's Box)』(2011年)
『THE SMiLE SESSIONS (Deluxe Edition)』(2011年)

6 : Alternate Early Version

🔵前半54秒 : オルガンをバックに「Water,Water,Water,Water〜っ♪」と歌われるヴォーカル・パート。
🔵後半 : 『Sunflower』版でいうと前半部分にあたるコーラス・パート。最終オーヴァー・ダビング前のため、一部のバック・コーラスが含まれていない。ちなみに『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)のDisc 3にこれに近い音源が収録されていますが、それとも別ミックス。
(収録CD)
『1967〜サンシャイン・トゥモロウ』(2017年)
[4 : CD各種]

[1 : 1991年盤]
(アメリカ盤:Epic/Caribou ZK 46950)

(日本盤:Sony SRCS-6089)

◎1991年にアメリカのEpicと、日本のSonyが初CD化。ちなみにアメリカEpic盤には表ジャケットの下に"D I G I T A L L Y R E M A S T E R E D"の表記があるのが特徴(日本盤は表記なし)。90年代前半のリマスターとあり、今となっては2009年リマスター(2012年発売)との音質的な落差を感じさせられます。日本盤は歌詞・対訳・解説書付き。

[2 : 2000年アメリカ盤]

『Sunflower/Surf's Up』 ((アメリカ盤)Capitol 25694)

◎2000年にアメリカのCapitolが『Surf's Up』との2 in 1で発売したCD。ブックレットにはTimothy White氏による解説書を掲載。

[3 : 2000年日本盤]

『サンフラワー』((日本盤)東芝EMI TOCP-65565)

◎2000年に発売された日本盤。アメリカ盤と異なり、こちらは単体のアルバムとして発売。歌詞・対訳・解説書付。ちなみに後に1,500円に値下げした期間限定盤も出されています。

[4 : 2008年紙ジャケット仕様日本盤]

『サンフラワー』 ((日本盤)EMI Music Japan TOCP-70531/2008年)

◎2008年7月に発売された日本盤で、紙ジャケット仕様。歌詞・対訳・解説書付。

[5 : 2012年リマスター盤]
(日本盤)

サンフラワーサンフラワー
(2012/07/25)
ザ・ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

HMV
Tower Records
(輸入盤)

SunflowerSunflower
(2012/09/25)
Beach Boys

商品詳細を見る


◎2012年7月25日に最新リマスター盤が発売。内訳は以下の通り。

🔵ジャケットはデジ・スリーヴ仕様(紙製。いわゆる"紙ジャケ"とは異なります)。
🔵2009年リマスター音源。
🔵解説・歌詞・対訳付

[6 : 2016年日本盤]

『サンフラワー』((日本盤)ユニバーサル・ミュージック UICY-25600)

◎2016年4月6日発売の再発盤。2000年盤と同内容で、盤はSHM-CDになります。
(主な特徴)
🔵SHM-CD
🔵2000年リマスター音源
🔵歌詞・対訳・解説書付
[5 : 配信版]

🔵 iTunes Store配信版
🔵 Amazon MP3版
🔵 moraハイレゾ版 (2015年9月25日発売)
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(作成:2004年8月14日/更新:2008年8月26日,2012年6月28日,8月9日,2013年8月31日,2015年10月7日,2016年2月15日,3月5日,2017年7月20日,10月29日)
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[ 2012/04/19 20:01 ] The Beach Boys関連 | TB(-) | CM(2)

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[ 2017/10/28 01:12 ] [ 編集 ]

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[ 2017/01/08 12:28 ] [ 編集 ]

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