The Beach Boys『Made In California 』(Disc 6)

[Disc 6]

 最後のDisc 6は"FROM THE VAULTS"と題されたレア音源集で、その殆どが初登場の未発表音源。何故か時系列に収録せず、一つのアルバムとして聴かせようという意図を感じさせる曲順に。

1. Radio Spot (1966)

 1993年発表のボックス・セット、Disc 5が初出のラジオ用スポット。
(他の収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)

2. Slip On Through (A Cappella Mix)

 ヴォーカル・トラックのみのア・カペラ・ヴァージョンで、実際のテープ・スピードのまま収録されています(リリース版では意図的にテープ・スピードを上げている)。

3. Don't Worry Baby (Stereo Session Outtake w/ Alternate Lead Vocal)

 前半に短くTake 7が収録され、後半ではエンジニアがTake 8とアナウンス。バック・コーラスは左右に広げられ、演奏は中央。ブライアンのリード・ヴォーカルはリリース版とは別テイクで、歌い方も微妙に異なる。

4. Pom Pom Play Girl (Vocal Session Highlight)

 前半にヴォーカルのセッション風景、後半がマスター・テイク。ただしミックスは異なり、リード・ヴォーカルとティンパニが中央、演奏は左に移動。そしてフェイド・アウトせずに完奏する。

5. Guess I'm Dumb (Instrumental Track w/Background Vocals)

 ブライアン・ウィルソンとラス・タイトルマンの共作で、当時セッション・ギタリストや一時期にビーチ・ボーイズのツアー・メンバーとして活動していたグレン・キャンベルのシングルとして1965年6月に発表された曲。後に山下達郎やWondermints、Louis Philippe、Dani Sheridan等がカヴァー。

 ここに収録されたものはグレン・キャンベルのシングルに使用されたものとほぼ同じバッキング・トラックで、1964年10月にビーチ・ボーイズのアルバム『Today!』の製作期間中にレコーディングされたもの。バック・コーラスはブライアンとザ・ハニーズ。現存するセッション素材から単にStereo Mixを作成したに留まらず、55秒付近でスネア・ドラムの一打が追加されていたり、間奏以降も部分的に違いが。


6. Sherry She Needs Me (1965 Track w/1976 Vocal)

 ブライアンのソロ・アルバム『Imagination』(1998年)に「She Says That She Needs Me」として発表されていた曲の原型にあたるもので、ブライアン・ウィルソンとラス・タイトルマンとの共作。

 以前から非公式に流出していた事もありファンの間ではよく知られた曲で、まずバッキング・トラックは1965年のアルバム『Summer Days (And Summer Nights!!)』のセッションでの録音。その時は歌入れまで行かなかったようで、ブライアンのヴォーカルは1976年後半、アルバム『Love You』のセッションで録音されています。

 で、かつて流出していた音源と異なるのはバッキング・トラックがステレオになった事と、曲後半で「Sandy」というこの曲のタイトル違いの別テイク(これも1965年録音)から「Say Good Bye〜っ♪」のコーラス・パートがサンプリング→挿入されています。このコーラス・パート、いちおう未発表ですけど厳密には既に世に出ていて…1992年頃に制作されたというビーチ・ボーイズのトリビュート・アルバム『In My Room』(M&M MMCD-1020/1995年)に収録のWill Brison and the Shocking Shrinks名義「Landy You Need Me」という曲で、これと同じコーラスが入っています…というか、そのバッキング・トラック自体がビーチ・ボーイズ用の未発表音源で、その上から替え歌を乗せて歌っている代物で…コアなファンならやりかねない(苦笑)。興味のある方は是非お探しを。

7. Mona Kana (Instrumental Track)

 デニス・ウィルソンとスティーヴ・カリニッチの共作で、1968年、アルバム『20/20』でのセッションでレコーディングされた未発表曲。ヴォーカルのないインストゥルメンタルですが、演奏にはブラス・セクションやストリングス等を配したもの。

8. This Whole World (A Cappella)

 ヴォーカル・トラックのみのア・カペラ・ヴァージョン。途中でブライアンのリード・ヴォーカルも聴ける(「When girls get mad at boys♪」の部分)。

9. Where Is She?

 ブライアン作曲・ヴォーカルによる未発表曲で、1969年、アルバム『Sunflower』でのセッションでレコーディングされたもの。

10. Had To Phone Ya (Instrumental Track)

 ヴォーカルなしのインスト・ヴァージョン、ビーチ・ボーイズ風にいうと"Stack-O-Track"。一般的には不調気味な印象を受ける『15 Big Ones』期のブライアンですが、この曲ではブライアンならではの繊細なアレンジが堪能出来ます。

11. SMiLE Backing Vocals Montage (from "The Smile Sessions")

 2011年発表の『The SMiLE Sessions』(通常盤を含む各種Disc 1)のボーナス・トラックに収録されたものと同一。

12. Good Vibrations (Stereo Track Sections)

 こちらも2011年発表の『The SMiLE Sessions』のデラックス・エディション及びボックス・セットに収録されていた様々なセッション音源から約3分47秒程に短くまとめたもの。

13. Be With Me (Demo)

 1968年、アルバム『20/20』でのセッションでレコーディングされたDemoで、ピアノとデニスのヴォーカルのみによる演奏。「River Song」とは対照的に装飾のない"むき出しの音"の方がダイレクトに訴えかけて来るものがあるのでは…と、個人的な意見。

14. I Believe In Miracles (Vocal Section)

 アルバム『Smiley Smile』(1967年)のセッションで録音されたという、曲というより"断片"。曲名に馴染みはなくても(勿論Jackson Sistersの曲とは同名異曲)、90年代に『Smile』のブートをかき集めていたファンにとっては「Been Way Too Long」というタイトルでお馴染みなのでは。これはその前半部分に入っていたヴォーカル・パート(その後の手拍子の入ったパートはなし)。

15. Why (Instrumental Track)

 1977年、アルバム『M.I.U.』でのセッションでレコーディングされたブライアン作曲の未発表曲で、キーボードを中心としたインストゥルメンタル。

16. Barnyard Blues

 1974年録音の未発表曲で、デニス、カール、リッキー・ファターがヴォーカル。曲の途中で鶏の泣きまねが入っていたり、曲名からして『Smile』の「Barnyard」を連想させますが、この曲を書いたのはデニスで、曲調は70年代前半のアメリカン・ロック的。1974年といえばベスト盤『Endless Summer』のヒットがあった年。オリジナル・アルバムのリリースは途絶えていたものの、それでも前進し続けていた記録として貴重な一曲。

17. Don't Go Near The Water (Instrumental Track)

 アルバム『Surf's Up』(1971年)収録曲の、ヴォーカルなしのバッキング・トラック。

18. You've Lost That Lovin' Feeling

 曲はおなじみThe Righteous Brothersの1964年の大ヒット曲で、ファンの間では以前から非公式に流通していた音源でした。The Righteous Brothersの曲を取りあげるのは『15 Big Ones』(1976年)収録の「Just Once In My Life」に続いて2度目ですが、こちらは1976年、アルバム『Love You』セッションでのレコーディング。あのアルバムで聴けるものと同様ピアノとシンセサイザーが際立つサウンドで、ヴォーカルはブライアンによる一人多重録音。

19. Transcendental Meditation (Instrumental Track)

 アルバム『Friends』(1968年)収録曲で賛否両論な曲の、ヴォーカルなしのバッキング・トラック。

20. Our Sweet Love (Vocals w/Strings)

 アルバム『Sunflower』(1970年)収録曲から、ヴォーカル・パートとストリングスのみをピック・アップした別ヴァージョン。

21. Back Home (1970 Version)

 ここで再び別テイクが登場。こちらは1970年、アルバム『Sunflower』のセッションでレコーディングされたもので、アル・ジャーディンがリード・ヴォーカル。歌詞もアルによって書き直されて歌われています。また、Disc 1の1963年版になく1976年のリリース版にあった「Back Home〜っ♪」のコーラスがエンディングで登場する。

22. California Feelin' (Original Demo)

 Disc 4の1978年版や2002年のブライアン版とも異なる、1974年録音のオリジナル・デモ。タバコで声がガラガラになる以前のブライアンがピアノを弾きながら歌う。

23. California Girls ("Lei'd In Hawaii" Studio Version)

 未発表ライヴ盤『Lei'd In Hawaii』用の音源はこれまでも小出しに発表されていましたが、これもその一つ。よく知られるようにライヴ本番で上手く録音出来なかったため、1967年9月にウォーリー・ヘイダーズ・スタジオにてスタジオ・ライヴ形式でリハーサルと追加録音が行なわれています。

 この「California Girls」は時期的に『Smiley Smile』と重なっている事も影響してか、悪くいえば覇気がなく、別の見方をすればソフトで陶酔感を感じさせるヴォーカルと演奏。

24. Help You, Rhonda ("Lei'd In Hawaii" Studio Version)

 23と同じセッションでの録音で、アルが"Help Me"を"Help You"と替えて歌っている。

25. Surf's Up (1967 Version / 2012 Mix)

 『THE SMiLE SESSIONS』(2011年)で発掘された1967年ヴァージョンの別ミックス。ヴォーカルにかかるエコー処理が異なり、こちらはやや抑えられている。

26. My Love Lives On

 1974年に録音された未発表曲で、デニス・ウィルソンとスティーヴ・カリニッチによる共作。ビアノの弾き語りによるシンプルなデモ録音。こうしてデニスがいくつもの曲を書き貯めていたにも拘らず、当時"ビーチ・ボーイズの新曲"として発表の機会が一向に無かった事が、やがてソロ・アルバムの制作に向っていったのでは…とも思ったり。

27. Radio Spot (1964)

 1993年発表のボックス・セット、Disc 5が初出のラジオ用スポット。1964年10月26日録音。
(他の収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)

28. Wendy (BBC – Live in the Studio 1964)
29. When I Grow Up (To Be A Man) (BBC – Live in the Studio 1964)
30. Hushabye (BBC – Live in the Studio 1964)

 これも中々興味深い音源。ブライアンがツアーを離脱する直前の1964年11月6日、イギリスBBCラジオ放送用にレコーディングされたスタジオ・ライヴ。当時の他のバンドのBBC音源同様、ヴォーカル・パートはダブル・トラックになっています。音質から察すると放送用のアナログ盤から起こされたのでは(推測)。

31. Carl Wilson: Coda (2013 Edit)

 2001年発表の未発表音源集の締めくくりに収録されていたカールのコメント(1996年6月11日録音)からシークレット・トラックがカットされ約1分程短くなり、エンディングのサウンド・コラージュも再編集されています。

…という事で、随分と時間が経ってからの掲載になったのと、全文じっくり読んでくれる方も恐らく2〜3人程度かと思いますが…(笑)、何かしら一つでも発見があってくれたら幸いです。
この手のボックス・セットはコアなファン向けと決めつけられる傾向がありますけど、ビーチ・ボーイズの音楽が好きになった方には一度でも聴いてもらいたい曲も多く入っていますので、もし機会がありましたら是非。

長々と読んでいただきどうもありがとうございました(^_^)

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(作成:2013年8月31日/更新:9月6日,10月1日,11月10日)
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[ 2013/08/31 09:17 ] The Beach Boys関連 | TB(0) | CM(0)

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