The Who "A Quick One Box"

ア・クイック・ワン~コレクターズ・ボックス(紙ジャケット仕様)ア・クイック・ワン~コレクターズ・ボックス(紙ジャケット仕様)
(2008/11/12)
ザ・フー

商品詳細を見る

◎・・・これもダラダラと書き続けて後日upという形になってしまいましたが、The Whoの『ア・クイック・ワン~コレクターズ・ボックス』という、かなり値の張る箱が出てしまいまして、えぇ…なんか困ったなぁ~って感じで書いてますが、まぁそういう事です(苦笑)。ちなみに来日直前の10月29日発売予定でしたが、やや遅れて11月12日に変更されています。

["A Quick One" CDいろいろ]

 『A Quick One』というアルバムは過去に様々な形で何度もCD化されていて、それぞれミックスやボーナス・トラックの内容が異なり非常にややこしい状況になっています。ここではその中から代表的なものをピック・アップしてみます。

[初版CD/1988〜1994]
081123b.jpg

◎初版CDは1988年にヨーロッパ圏で発売され、オリジナル通り全曲Mono Mixで収録。ボーナス・トラックは無し。日本盤は1989年に発売され(P25P-25091)、歌詞・解説書付き。その後1994年に"ザ・フー結成30周年記念アルバム・コレクション"と題されたシリーズで再発売(POCP-2331)。この時初めて歌詞に対訳が付けられました。
[米MCA盤CD"A Quick One (Happy Jack)"/MCAD-31331]
081123d.jpg
1. Run Run Run (Stereo Version)
2. Boris The Spider (Stereo Version)
3. I Need You (Stereo Version)
4. Whiskey Man (Duophonic Mix)
5. Heatwave (Duophonic Mix)
6. Cobwebs And Strange (Stereo Version)
7. Don't Look Away (Stereo Version)
8. See My Way
9. So Sad About Us (Stereo Version)
10. A Quick One, While He's Away
11. Happy Jack (Duophonic Mix)

◎1988年発売の米MCA盤『A Quick One (Happy Jack)』(MCAD-31331/11曲入り)は6曲のStereo Mix収録でしばらくは重宝していましたが、「Whiskey Man」「Heatwave」「Don't Look Away」「See My Way」「Happy Jack」は右=低音、左=高音に振り分けられた疑似ステレオだった上、全体的にマスタリングも貧弱だったりする。
[1995年リマスター盤]
081123e.jpg
1. Run Run Run (Stereo Version)
2. Boris The Spider (Mono)
3. I Need You (Mono)
4. Whiskey Man (Duophonic Mix)
5. Heatwave (Mono)
6. Cobwebs And Strange (Mono)
7. Don't Look Away (Mono)
8. See My Way (Mono)
9. So Sad About Us (Mono)
10. A Quick One, While He's Away (Mono)
(Bonus Tracks)
11. Batman (Stereo Remix)
12. Bucket T (Mono Mix)
13. Barbara Ann (Mono Mix)
14. Disguises (Mono Mix)
15. Doctor,Doctor (Mono Mix)
16. I've Been Away (Mono Mix)
17. In The City (Stereo Remix)
18. Happy Jack (Acoustic Version)
19. Man With The Money
20. My Generation/Land Of Hope And Glory

◎1994年に日本企画で大々的なリイシューが行なわれた翌1995年、今度はイギリスで本格的なリマスター作業がスタート。未発表音源を含むボーナス・トラックのほか、各アルバムの殆どがマルチ・トラックから新たにRemixされ、これが約15年以上世界的に流通する事になります(仕上がりに関しては曲によって様々)。

 1995年版『A Quick One』ではオリジナル・アルバム+ボーナス・トラック10曲入りに変更。ちなみに日本盤CDは(期間限定価格とかで)値段や品番を何度も買えて再発売されているので、発売時期によって帯のデザインやプラ・ケースの太さが異なります(ハッキリ言って全部は把握出来ません(苦笑))。

 内容に関しては正直「?」な印象で、オリジナル・アルバム部分(1〜10)は殆どがMono、「Run Run Run」がStereo、「Whiskey Man」は何故か疑似ステレオとアンバランスな印象が。ボーナス・トラック(11〜20)では初登場未発表音源が3曲、EPからの「Batman」が初ステレオ化、「In The City」はリミックス&2つ目のステレオ・ヴァージョンで収録。長い間流通していたCDですが、2003年以降に改訂版やデラックス・エディション等が出た現在となっては、出来れば後発盤の方がいいかなぁ…と。

[2003年Remix盤]

(UK盤CD)

A Quick OneA Quick One
(2004/08/09)
Who

商品詳細を見る


(2011年日本盤SHM-CD)

『ア・クイック・ワン+10』(SHM-CD:UICY-20182)

iTunes Store配信版
Amazon MP3配信版
moraハイレゾ版

◎ややこしい事に、2003年発売のUK盤CD(589 800-2)では何の告知も無く音源が大幅に変更され、オリジナル・アルバム部分は疑似ステレオの「See My Way」以外はStereoに変更。そのうち5曲が"New Remix"で収録。ひっそりとリリースされた上、従来盤との見分けが付きにくい。2003年UKCD盤はジャケットが1995年版からの複写のためややぼやけ気味で、プラ・ケース側の曲目の文字にジャギーが発生しているのが主な見分け方…といっても、中古屋さんで現物を見比べ出来ればの話で、ネットだと果たしてそこまで判別出来るのだろうか…。ちなみに2011年発売のSHM-CD&プラ・ケース仕様の日本盤や配信版各種もこの2003年Remix版が採用されています。

(主な変更点)
「Run Run Run」

 New Remix。エンディングが従来版Stereo Mixよりもやや長くなっている。

「I Need You」

 New Remix。エンディングのハープシコードにリバーブがかけられている。

「Heatwave」

 New Remix。1分30秒付近、ヴォーカルがピートだけになる部分が、Original Stereo Mixでは右、New Remixでは中央に移動する。エンディングではヴォーカルが途中で消え、演奏だけになる。

「Cobwebs And Strange」

 New Remix。イントロに深いリバーブがかけられているほか、エンディングではシンバル音が長めに入っている。

「So Sad About Us」

 New Remix。大きな違いはエンディング。左側から他のミックスには含まれていない「ウーっ」というコーラスが入り曲が終わる。


 ボーナス・トラック部分もいくつか変更あり。「Bucket T 」「Barbara Ann」が初ステレオ化。「Doctor Doctor」は何故か音がダブって聞こえる疑似ステレオに変更…(ジミヘンの"Stone Free"みたいになっていると思っていただけると)。個人的に把握している範囲内で書いているので、気付いていない&聞き逃している部分もある事をあらかじめご了承ください。
[2008年:コレクターズ・ボックス]
081123a.jpg
ア・クイック・ワン~コレクターズ・ボックス』(UICY-93539/40)

○日本独自企画・初回限定盤。
○各国盤LP、EP、シングル盤を紙ジャケットで復刻。
○SHM-CD仕様。
○ブックレットは歌詞・対訳・解説書付き。各国盤裏ジャケット掲載のライナーの対訳も掲載。

[Disc 1/(Mono)]
1. Run Run Run (Mono Version)
2. Boris The Spider
3. I Need You (Mono Version)
4. Whiskey Man
5. Heatwave (Mono Version)
6. Cobwebs And Strange
7. Don't Look Away
8. See My Way
9. So Sad About Us (Mono Version)
10. A Quick One, While He's Away (Mono Version)

(Additional Tracks)
11. Substitute
12. Circles (Alternate Take)
13. I'm A Boy
14. In The City
15. Batman
16. Bucket T
17. Barbara Ann
18. Disguises
19. Happy Jack
20. I've Been Away
21. Substitute (US Single Version)
22. I'm A Boy (Alternate Version)
23. Batman (Instrumental)
24. Happy Jack (Acoustic Version)
25. Happy Jack (Alternate Mix)

[Disc 2/(Stereo)]
1. Run Run Run (Original Stereo Mix)
2. Boris The Spider
3. I Need You (Original Stereo Mix)
4. Whiskey Man
5. Heatwave (Original Stereo Mix)
6. Cobwebs And Strange (Original Stereo Mix)
7. Don't Look Away
8. See My Way
9. So Sad About Us (Original Stereo Mix)
10. A Quick One, While He's Away

(Additional Tracks)
11. I'm A Boy (Original Stereo Mix)
12. In The City (Original Stereo Mix)
13. Batman
14. Bucket T
15. Barbara Ann
16. Disguises
17. I've Been Away
18. Man With The Money
19. My Generation / Land Of Hope And Glory
20. I'm A Boy (Alternate Version)

 ちなみに曲名の後にカッコで"なんとかミックス"と表記しましたが、都合上こちらで勝手に書いたもので、実際にそうクレジットされているわけではない事をあらかじめご了承ください。

 音源は過去のリマスター盤からの流用は殆どなく、改めてマスター・テープからリマスターされたもの。イコライジングも極力避け、あの中域が固まりになって迫って来る感じは以前のまま。音質は好みが分かれるかもしれないので別として、マスタリングに関してはヒス・ノイズもきれいに除去されていて聴きやすいと思います。
[Disc 1/(Mono)]

 Disc 1は全曲Mono。オリジナル・アルバムの1~10は従来盤CDと聴き比べてみて、微妙に質感が良くなった…かなっていうくらいの差異。どこまでがリマスタリングによるものなのか、SHM-CDによる効果なのかは…?
けど、ヒス・ノイズと、奥から聞こえていた変な信号のような音はなくなっていた(単に"Remaster"と言っても音質だけではなく、音楽とは関係のないノイズを除去する事も作業の一つに含まれています)。Disc 2のステレオ・ミックスとはいくつか違いがあるので、その時の気分次第で聞き分けて楽しむのがいいかと思います(これも末長く聴き続ける方法の一つ)。

んでは、Mono Versionをいくつか挙げてみると…。

「Run Run Run」

 Stereo Mixには含まれていないリード・ギターがダビングされており、フェイド・アウトも早い。


「I Need You」

 間奏のSEの入る位置が異なる。

「Heatwave」

 ドラムがオーヴァー・ダビングされている。一番判りやすい箇所はフェイド・アウトする時にステレオでは聞こえないオカズが入る。全体のインパクトもモノラルが上。

「So Sad About Us」

 ヴォーカルにリバーブがかかっていて、特にエンディングでのコーラスの深みはステレオでは味わえない。これもインパクトはやっぱりモノラルが上。
 
 あと12「Circles」は11「Substitute」のB面で発表された別テイク。ステレオ・ミックスはないけど、疑似ステレオが日本盤紙ジャケ『アイム・ア・ボーイ』(UICY-93167)に収録。23「Batman」のインスト・ヴァージョンは完全未発表で、テイクも異なる。

 19「Happy Jack」、25曲目にも別ミックスというのが収録されていますけど、具体的に何がどう違うのかな…と思ったので、試しにPCソフトを使って2つをシンクロ再生させてみたら…おおーっ。ちょっとピッチ補正しなければならなかったけど、偽ステレオ・ミックスが出来た…(笑)

 あっ、そうじゃなくて…ベーシックな演奏は両者とも同じで、ドラムのオーヴァー・ダビングがそれぞれ異なるっていう事が判りました。1分38秒辺りで声が聞こえるのが19のオリジナル・ミックス。
25の別ミックスは付属ブックレットだと1988年発表の『Who's Better Who's Best』が初登場と書いてあるけど、それの前に1984年発表の『The Singles』(POCP-2351)と、1985年発表の『The Who Collection・Volume One』(IMCD4/1)に収録されていてました(しかも後者はイントロが切れている…(笑))。

081123c.jpgドイツ盤LP『The Who』(632 025)
[Disc 2/(Stereo)]

 Disc 2はOriginal Stereo Mixを使用したリマスター音源。ややこしい事にプラ・ケースで売られている現行盤(2003年UK盤or2011年日本盤)とはミックスが異なりますので要注意。『A Quick One』のUK LPにステレオ盤は存在しませんが、一部のStereo Mixは米盤『Happy Jack』(MCAD-31331)をはじめ、ドイツ盤LP『The Who』(2383 137/番号は再発盤)、日本だと60年代に『アイム・ア・ボーイ』(UICY-93167)、1980年再発盤LP『A Quick One』(MPX 4018)等に分散されて収録されていました。

「Run Run Run」

 今回のボックスは(CDでは珍しくない)Original Stereo Mixで収録。ちなみに2003年Remix版はエンディングが長くなっている。

「I Need You」

 SEの挿入箇所がMonoとは異なるほか、2003年Remix版ではハープシコードにリバーブがかけられている。

「Heatwave」

 Monoで聴けるドラムのオーヴァー・ダビングがなく、フェイド・アウトではコーラスが延々と入っている。さらに2003年Remix版はシンバルがやや抑え気味で(オリジナル・ステレオ・ミックスで聞ける"バシャーっ…"って感じにはならず、全体的に滑らかな仕上がり)、フェイド・アウトでのコーラスはMono同様、途中からなくなる。

「Cobwebs And Strange」

 2003年Remix版は所々にリバーブがかけられている。気のせいかもしれませんが、過去のミックスでは聞けなかった音も聞こえるような…。

「So Sad About Us」

 先に触れた通り、各ミックスの違いが大きく出ているのはエンディング部分。
●Mono Mix→深いリバーブがかかる。
●Original Stereo Mix→深いリバーブ無し。
●2003年Remix版→最後の最後に"ウーッ"というコーラスが入る。

「A Quick One, While He's Away」

 実はあまりよくは判らないけど、強いて言えば、前半の"彼女の男は出て行ったきり"(実はパート毎にサブ・タイトルが存在したりする)のヴォーカルはステレオの方が後ろに引っ込んでいる…って、音のバランスは違って聞こえます。ちなみに2003年Remix版の方が低音が効いていて、そっちの方が個人的には好み。

 "Additional Tracks"の11「I'm A Boy」はオリジナル・ステレオ・ミックスで収録。『Thirty Years Of Maximum R&B(ザ・フー・ボックス)』『My Generation-The Very Best Of The Who』に収録されていたRemixはイントロのコーラスなしヴァージョンでした。

12「In The City」

 リマスター盤に収録されているRemixではなく、ヴォーカルが左右にはっきりと分かれているオリジナル・ステレオ・ミックスで収録。

 その他、13~20もすべてステレオ・ミックスで収録。このうち「Bucket T」「Barbara Ann」のステレオ・ミックスは2003年リマスター版が初登場でした。ただし、今回はその時に含まれていたカウントがカットされています。

 あとさらに余計な情報として…「My Generation / Land Of Hope And Glory」のよりステレオ感のハッキリとした別ミックスが、かつて"黄色い犬"さんから出ていました(謎)

 あと今回、歌詞の対訳が新規・別の方によるものになっていて、そこから受ける印象も変わっているのもいくつか。特に「So Sad About Us」は意見の分かれる所かもしれないですね。
[2012年:コレクターズ・エディション]

ア・クイック・ワン~コレクターズ・エディション(紙ジャケット仕様)ア・クイック・ワン~コレクターズ・エディション(紙ジャケット仕様)
(2012/06/27)
ザ・フー

商品詳細を見る


◎2012年6月、さらに"コレクターズ・エディション"と題された再発盤が登場。2008年発売の"コレクターズ・ボックス"の縮小版のようで、音源はSHM-CD仕様の2枚組。紙ジャケットは英、米、ドイツ盤の3種類の再現に留めてあります。はじめからボックスにしないでこれで出せばよかったのでは…(苦笑)
[あとがき]

 つーことで、ここは他の記事同様、感想とかは極力控えて紹介や案内みたいなものとして作成しています。このアルバムをご存知の方もこれから聴く方も、そこから先は聴き手それぞれで…ということで。その他もし何かお気づきの点がありましたら是非ご一報ください。
[余計な回顧録]

 僕がこのアルバムを買ったのは中学時代の夏休みの1989年8月。先に『Who's Better Who's Best』をアナログ盤で聴いていましたが、オリジナル・アルバムとしては最初に聴いた作品でした。他のアルバムの方が名曲や大作は多いけど、特に構えて聴かなくてもフツーに楽しめたのと、音楽そのものとは関係のない部分で思い出があるので、最も愛着のあるアルバムです。

 80年代後半当時、ポリドール系のCDの定価は1枚3,300円と高めで、フーのCDではこれが一番安かった。予算的にも他に選択の余地はなかったというか。しかも現在のように全アルバムがCD化されておらず、聴きたくても聴けない・売っていないという、今と環境が全然違っていました。バンドの評価や知名度も違っていたし…便利なのが幸せとは限らないので、そういう時代を体現しておいてかえって良かったなと。全部ではないけど、先代の言っていた事が今の歳になってヒシヒシと身にしみる事が最近多くなったし…なんの話か判らなくなってきたので、今回はこの辺で。
つづく。
My Favorite Albumsへ戻る。
Home Pageへ戻る。

(作成:2008年11月23日/最終更新:2015年4月26日,6月4日)
関連記事
[ 2008/11/23 17:17 ] The Who関連 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://benice.blog.fc2.com/tb.php/977-10a680f5