The Beatles "The Capitol Albums Vol.1"


Disc 1 "Meet The Beatles!"
Disc 2 "Beatles' Second Album"
Disc 3 "Something New"
Disc 4 "Beatles '65"

[アメリカ・キャピトル盤アルバムを復刻した4枚組ボックス・セット1964年編]

◎2004年、ビートルズのアメリカ上陸40周年に合わせてなのか、突如60年代のアメリカ盤がCD4枚組ボックス・セットで復刻されました。収録されているのはアメリカのキャピトル・レコードが1964年に発売した『Meet The Beatles』『Beatles' Second Album』『Something New』『Beatles'65』の4枚。

 イギリス盤のアルバムが全14曲なのに対し、アメリカ盤は11~12曲入り。イギリス盤から何曲か削ってシングルや次のアルバムのストックにしたり、イギリスではシングルやEPのみだった曲も収録。ビートルズのアルバムをイギリス盤や1987年のCD化以降に接している人からすれば寄せ集め感は否めなく、嫌みな見方をすれば商魂たくましいというか…(笑)。英米でLP制作方針や出版権等の違いもあったようですが、ストーンズをはじめ60年代British Beatもの全般のアメリカ盤アルバムはこのような売り方をされていました。

 1987年のビートルズのCD化の際に『Magical Mystery Tour』を例外としてオリジナル・アルバムはイギリス盤に統一され、その他各国編集盤は廃盤となりました。もう二度と復刻される事はないと思われていたアメリカ盤が2004年になってボックス・セットとして復刻。音源もリマスターされ、初めてステレオ・ミックスがCD化された曲も多くありました。

 ただし難点もあり、日本盤は悪名高きコピーコントロールCD(CCCD)で発売された事(個人的には推奨しないのでここでは輸入盤のリンクを貼っています)や、紙ジャケット風スリーブの印刷やジャケの作りが雑なのが惜しい所で…。その辺の指摘もあったためか、Vol.2の日本盤ではいくつかの改善が見られました。

 こういうものがCD化されると「各アルバムをバラ売りすればいいじゃないか」なんて思う方もいそうですけど、恐らくかつてのように市場の混乱を防ぐためもあったでしょう(追記:2014年にバラ売りでも発売されました)。単純に、パッと見では紛らわしい。例えば『With The Beatles』と『Meet The Beatles』は同じ写真を表ジャケットに使っていたり(よく見るとタイトルも色彩も違いますが)、『Rubber Soul』を買ったのに「Drive My Car」が入ってないじゃないかとか、『Revolver』は英盤よりも3曲少ないとか…そういった声も出たり間違えて買ってしまう方もこれから先も出てきそうです。念のため、英盤と米盤の内容の違いは予備知識として知っておいた方が無難かと。

 聴き方によって色んな接し方が出来そうですけど、、60年代のアメリカでどのようにビートルズが聴かれていたか、それがある程度追体験出来るという別の楽しみもあります。
[CDリリース当時のインフォメーションより一部抜粋]

●1987年以来廃盤になっていた幻の米オリジナル・キャピトル盤、CDとして復活!初CD化。
●各アルバム 紙ジャケット仕様
●各アルバム ステレオ&モノ両ヴァージョン収録
●ステレオ全45曲中32曲が初ステレオCD化、7曲が初デュオフォニック*CD化
●米オリジナル・ステレオ&モノ・マスター使用
●24ビット・デジタル・リマスター化
●52ページブックレット
●(日本盤のみ)136ページ日本語ブックレット付(英語ブックレット翻訳/解説/歌詞・対訳)

註 : * デュオフォニック・・・モノラル音源に立体感や広がりを与えて"ステレオっぽく"聞こえるように加工した"疑似ステレオ"の別称。本物のステレオではないので海外では"Fake Stereo"と呼ばれたり、LP時代にはライナーに「最新の技術によりモノーラル録音をステレオ化したものです。」と書かれていました。
音の感じは主に左=低音/右=高音に音質を調整したものや、音を左右に微妙にずらして立体化させたもの、リバーブやルーム・エコーをかけたもの、音が回ったように聞こえるもの等種類は様々。ステレオっぽく聞こえる反面、原音からかけ離れてしまう難点も。
 あとこれは個人的な意見になりますが…初期の曲でよくある左=演奏/右=ヴォーカルに振り分けて擬似的にステレオにしたもの(通称"泣き別れ")も"疑似ステレオ"に含めてしまうと非常に紛らわしい&混乱を招く恐れがあるので、当blogでは"泣き別れ"の音源もステレオ・ミックス扱いしている事をあらかじめご了承ください。


(おまけ:YouTubeより)

◎YouTubeで"Beatles Unboxing"で検索すると、このように中身を紹介する映像を見かける事があります。
[Meet The Beatles!]
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『Meet The Beatles!』(LP=Capitol ST-2047/1964年1月)

1. I Want To Hold Your Hand
2. I Saw Her Standing There
3. This Boy
4. It Won't Be Long
5. All I've Got To Do
6. All My Loving
7. Don't Bother Me
8. Little Child
9. Till There Was You
10. Hold Me Tight
11. I Wanna Be Your Man
12. Not A Second Time
◎アメリカ・キャピトル・レコードから発売された最初のアルバムで、英盤『With The Beatles』を基にシングル曲「I Want To Hold Your Hand」「This Boy」「I Saw Her Standing There」等を加え数曲を引いて作られた全12曲。LPレコードでは1〜6がA面、7〜12がB面。既に『With The Beatles!』の内容が染み付いていると「?」な構成に思えますが、これはこれでまた違った味わいが。全米チャート11週連続で第1位を記録。

[CDについて]

1~12がStereo、13~24がMono。ただし注釈あり。

●1「I Want To Hold Your Hand」3「This Boy」は疑似ステレオで収録。
(※ 2014年発表の『The U.S. Box』『Meet The Beatles!』リマスター盤では通常のStereo Mixに差し替えられています。)

●13~24のMono音源のうち、13〜15以外は単にStereoをMonoに変換しながらコピーしたもので、ジョージ・マーティン承認のOriginal Mono Mixではありませんのでご注意ください
(※ 2014年発表の『The U.S. Box』『Meet The Beatles!』リマスター盤ではOriginal Mono Mixに差し替えられています)。

ちなみに各曲の細かいミックス/ヴァージョン違いは、イギリス・オリジナル・アルバムの記事で大まかに書いていますので、そちらをご覧ください(こちらからの方が各アルバムに行きやすいです、はい)。

(YouTubeより)

◎サンプルとして「I Want To Hold Your Hand」の疑似ステレオ・ミックスを。モノラルに"ステレオ感"を出すために音を左右に微妙にずらして加工してあります。
[Beatles' Second Album]
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『Beatles' Second Album』(LP=Capitol ST-2080/1964年4月)

1. Roll Over Beethoven
2. Thank You Girl
3. You Really Got A Hold On Me
4. Devil In Her Heart
5. Money (That's What I Want)
6. You Can't Do That
7. Long Tall Sally
8. I Call Your Name
9. Please Mr. Postman
10. I'll Get You
11. She Loves You
◎短いインターバルでセカンド・アルバムが登場。前作で使われなかった英盤『With The Beatles』からの5曲を基に、シングルやその時点でイギリス未発売だった曲を収録し、5週連続第1位を記録。イギリス盤との違いは曲順だけでなく、ステレオ盤では全編通して深いエコーが加えられているのが大きな特徴(追記:2014年に発売された紙ジャケ輸入盤CD及び『THE U.S. BOX』は深いエコーのない音源に差し替えられています)。

[CDについて]

●1~11はStereo Mixですが、全編にわたり深いエコーがかけられている。これが『Beatles' Second Album』ステレオ盤の大きな特徴。
(※ 2014年発表の『The U.S. Box』『The Beatles' Second Album』リマスター盤では通常のStereo Mixに差し替えられています。)

「You Can't Do That」「I'll Get You」「She Loves You」は疑似ステレオで収録。
(※ 2014年発表の『The U.S. Box』『The Beatles' Second Album』リマスター盤ではOriginal Mono Mixに差し替えられています。)

●8「I Call Your Name」はイントロの12弦ギターは通常版Stereo Mixと同一ですが、カウベルは8秒目、歌詞で言うと"Call Your Name~っ"の所で入る。
(※2014年発表の『The U.S. Box』『The Beatles' Second Album』リマスター盤では何故か通常のStereo Mixに差し替えられている)。

●12~22のMono音源のうち、17「You Can't Do That」18「I Call Your Name」21「I'll Get You」22「She Loves You」以外はStereoをMonoに変換したもの。
(※ 2014年発表の『The U.S. Box』『The Beatles' Second Album』リマスター盤ではOriginal Mono Mixに差し替えられています。)

(YouTubeより)

◎「I Call Your Name」のU.S. Stereo Mix。
[Something New]
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『Something New』(LP=Capitol ST-2108/1964年7月)

1. I'll Cry Instead
2. Things We Said Today
3. Any Time At All
4. When I Get Home
5. Slow Down
6. Matchbox
7. Tell Me Why
8. And I Love Her
9. I'm Happy Just To Dance With You
10. If I Fell
11. Komm, Gib Mir Deine Hand
◎アメリカでは契約の都合上、『A Hard Day's Night』のサントラ盤は映画配給元のUnited Artistsから発売され、対してCapitolからの3作目『Something New』は「A Hard Day's Night」以外の曲を中心に、英EP収録曲や「抱きしめたい」のドイツ語版等を加えて発売(全米第2位)。当時のファンはUnited Artists盤『A Hard Day's Night』も買っていたはずなので、目新しい曲が少ないと感じていたのでは…。

[CDについて]

1~11がStereo、12~22がMono。ただし注釈あり。

●11「Komm, Gib Mir Deine Hand」は冒頭に誰かの声が一瞬聞こえるが、2009年リマスター盤『Past Masters』ではカットされている。

●Mono音源のうち、12「I'll Cry Instead」は1分12~32秒にかけて、通常版には含まれないパートが登場するため曲が長くなっている。

●14「Any Time At All」は間奏のピアノが英盤Mono MixよりもOff気味に入り、途中から音量が大きくなるU.S. Mono Mixで収録。

●15「When I Get Home」は英盤Mono Mixよりもエコーがかかり、歌詞の「till I walk」の部分のみ、英盤Mono Mixとは違う歌い方をしているU.S. Mono Mixで収録。

●13,16~18,20〜22は英Mono Mixと同一。
[Beatles '65]
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『Beatles '65』(LP=Capitol ST-2228/1964年12月)

1. No Reply
2. I'm A Loser
3. Baby's In Black
4. Rock And Roll Music
5. I'll Follow The Sun
6. Mr. Moonlight
7. Honey Don't
8. I'll Be Back
9. She'#s A Woman
10. I Feel Fine
11. Everybody's Trying To Be My Baby
◎タイトルに"'65"とありますが発売は1964年12月。英盤『Beatles For Sale』を基に、前作から洩れた「I'll Be Back」がここに収まり、当時新曲としてリリースされていた「I Feel Fine」「She'#s A Woman」を収録。こちらも9週連続で第1位を記録。ちなみにこのアルバムの日本盤LPは未発売だったため、今回のCDが日本初登場になります。

[CDについて]

1~11がStereo、12~22がMono。ただし注釈あり。

●このアルバムの最大の特徴は「She's A Woman」「I Feel Fine」の2曲。UK盤とは異なるミックスで、深いエコーがかけられている。この別ミックスはイギリス側がアメリカ向けに作成したもの(書籍『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版』p.78より)。20,21にそのMono Mixを収録。

●9「She's A Woman」10「I Feel Fine」はU.S. Mono Mixを疑似ステレオ化して収録。音を左右にずらしているため、騒々しい印象を受けます。
(※ 2014年発表の『The U.S. Box』『The Beatles '65』リマスター盤では通常のStereo Mixに差し替えられています。)

●19「I'll Be Back」のMono Mixはアメリカ向けに作成されたもので、リバーブが英Mono Mixよりも深くなっている。

(YouTubeより)

◎「I Feel Fine」のアメリカ版疑似ステレオ・ミックス。右側の高音がキンキンしますね…(苦笑)
 それにしても、1年にアルバムが4枚も出て、それらが高セールスを記録したというのだから、1964年のアメリカでのビートルズ旋風の凄まじさを思い知らされる。ちなみに同時期に同レーベルの稼ぎ頭だったThe Beach Boysも年間4枚のアルバムを制作(させられていた)。ビートルズはイギリスから送られて来たものを寄せ集めて出せば良かったのに対し、The Beach Boysは一から全てを作らなくてはならなかった。さらにここに来てイギリスからビートルズという好敵手が現れたため、重労働やプレッシャーは相当だったのではないでしょうか(これを期にThe Beach Boysの曲も急速に進化を遂げる)。対するビートルズも1966年まで、休む暇も殆どなくレコーディングや映画撮影、ワールド・ツアーに明け暮れることに。
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(作成:2005年/更新:2009年9月18日,10月27日,2013年3月23日,12月14日,2014年1月8,20,29日,2月10日)
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