Small Faces Part 4 : Ogdens' Nut Gone Flake (1968)

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で、またまたつづきということで。
[UKチャートNo.1となったコンセプト・アルバム]

◎The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年6月発表)の成功を境にレコーディングやアルバム制作への意識が変わり、後続のアーティストが凝ったレコーディングやアルバムにテーマを持ち込むように。Small Facesの本作もそうした時代に制作されたアルバムで、内容はもとより、タバコ缶を模した円形ジャケットも話題となり全英第1位のヒットを記録。この種のアルバムにありがちなお堅く思わせ振りな雰囲気はさ程感じず、所々で熱演やサイケ経由のお伽話的ムードもあれば、数年後にバンドがメンバー・チェンジを経てFacesになって全開する"酔いどれバンド"的な一面もあったりと聴きどころも満載。

 前半(LPでは1〜6曲目まで)は曲間を無くしノンストップで聴かせる編集が施され、流れもスムーズで聴き手を引き込む。初期の「I've Got Mine」をインスト化したタイトル曲1「Ogdens' Nut Gone Flake」を幕開けに、スティーヴ・マリオットの熱唱とバンドの熱演が聞ける2「Afterglow Of Your Love (Album Version)」、対照的にクールな3「Long Agos And Worlds Apart」(ヴォーカルはイアン・マクレガン)、同時期のキンクスにも通ずる、特殊な主人公を歌った4「Rene」(なにげに聴くより内容を知ると印象も違ってくるかも)。ロニー・レインが歌うハードなロック・ナンバー5「Song Of A Baker」に続き、A面ラストは随所に挿入されたSEと、呑気で訛りの効いた歌い方からシリアスに変化する様相が印象的な「Lazy Sunday」(全英第2位)へ。

 後半(LPでは7〜12曲目まで)はB面全てを使って綴った物語で、曲の間にナレーションが挿まれています。ハードな8「Rollin' Over」やサイケデリックな9「The Hungry Intruder」10「The Journey」、トラッド・フォーク調の11「Mad John」、物語のラストは12「Happydaystoytown」で陽気に締めくくられる。ナレーションも含めて楽しみたい場合は(歌詞の対訳が付いた)2009年&2012年の紙ジャケ日本盤で聴くのもいいかも。

⚪️"Song Of A Baker"

⚪️"Rollin' Over"

(アルバム発表後のSmall Faces)

 1968年5月に発表されたアルバム『Ogdens' Nut Gone Flake』はUKチャートで1位になり、バンドの人気はピークに(その半年前には「Itchycoo Park」のヒットでアメリカ進出への動きもありましたが、諸々の事情で断念)。そんな中、スティーヴ・マリオットはミュージシャンではなくアイドル視される状況に苛立ちを抱くようになり、同時期に同様の悩みを抱えていたピーター・フランプトン(当時はThe Herdに在籍)と意気投合。やがて2人は新バンド結成に乗り出し、翌1969年3月のライヴを最後にスティーヴ・マリオットがグループを脱退。ジェリー・シャーリー(d)やグレッグ・リドリー(b/Spooky Tooth)を誘いHumble Pieを結成。

 残されたメンバーは途方に暮れる中、1969年夏にJeff Beck GroupにいたRon Wood(g)が加入。さらに同バンドからRod Stewart(vo)が合流し、バンド名を"Faces"に改め再出発。Small Facesは2つに分裂しましたが、70年代前半にそれぞれのバンドでさらなる成功を収める事になります。あ、せっかくなのでそれぞれのバンドの曲を。

●Humble Pie "I Don't Need No Doctor"(from the album "Performance: Rockin’ the Filmore" 1971)

●Faces"Bad'n'Ruin"(from the album "Long Player" 1971)
[CD各種いろいろ]

 このアルバムのCDは国内外で何度も(うんざりする程)再発売され続ける中、2000年には円形ジャケを再現した日本盤は海外の音楽誌でも話題に。その後イギリスでも円形紙ジャケ仕様のCDが製作されましたが、仕上がりの良さでいえば日本盤がベストだと思います…ということで、ここからは大量に出ているCDの中からいくつかをピック・アップします。
[1989年日本盤]
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『オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク』(テイチク 25CP-20/1989年)

(主な仕様)
🔵透明プラ・ケースでトレーの曲目表は無し。
🔵帯付き。
🔵ボーナス・トラック : なし。
🔵解説書、歌詞付き(対訳はなし)。

◎1989年にテイチクから発売された日本盤CDで、これが日本盤CDの初盤と思われます。時代的にリマスター技術が未熟だった事や、恐らく何度かのコピーを経たテープからCD化されたためか、2006年以降のCDと比べると聴いていて重たく感じる(あくまで個人的な印象)。

("Afterglow Of Your Love"フェイド・アウト問題)
 あとこれはあまり見過ごしてほしくないというか…同時期に発売されていた海外版CDでは「Afterglow Of Your Love」のエンディングが突然モノラルになり、そのままフェイド・アウトする謎の編集がありましたが、日本盤CDではアナログ盤から音を抽出して補修されています(その部分のみ針音が聞こえたり音質が微妙に変化する)。これ、些細な事と思うかもしれないけど次の曲と繋がっているとないとで印象も微妙に違ってくるわけで。以降、現在まで発売されている日本盤CDは全て修正された状態で収録され、イギリス盤CDも2006年以降は補修版で収録されています。
[2000年日本盤紙ジャケCD]
オグデンズ・ナット・ゴーン・ブレイクオグデンズ・ナット・ゴーン・ブレイク
(2000/09/21)
スモール・フェイセス

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◎2000年にビクターから発売された日本盤CDで、LPの円形ジャケットをミニチュア再現化した"紙ジャケット仕様"はイギリスの音楽誌でも話題に上がりました。音源は1989年発売のテイチク盤と同じマスターを使っていたようで、その時点では日本盤よりもイギリス盤CDの方が音質は良好な印象でした(といっても例の問題があるのでそちらの紹介は控えます)。
[2002年イタリア盤紙ジャケCD]
Ogden's Nut Gone FlakeOgden's Nut Gone Flake
(2003/12/02)
The Small Faces

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『Ogdens' Nut Gone Flake』(Sunspots SPOT517)

◎これは「できれば避けた方がいいもの」としてご紹介…。2002年にイタリアのSunspotsというレーベルから発売された1,500枚限定紙ジャケCD。といっても円形ではなく、余白部分は白というシンプルな仕上がり。

 問題は内容で、例の「Afterglow Of Your Love」フェイド・アウト状態の他に、オリジナル・アルバムのA・B面の真ん中に「Donkey Rides, A Penny, A Glass」、ラストに「Every Little Bit Hurts」が収録されており、アルバムの流れを崩してしまっているのが難点。イタリアのGet Backというレーベルから出た円形ジャケアナログ盤も同様で、このCDもそのアナログ盤に使ったマスターを流用した可能性大。『Small Faces』(Immediateの方)のSunspots盤もアルバムの真ん中に関係ない曲が入っているので、極力、この2枚の紙ジャケは中古で安かったとしても避けた方が…。
[2006年イギリス盤缶ジャケ3枚組CD]
Ogden's Nut Gone FlakeOgden's Nut Gone Flake
(2006/05/30)
The Small Faces

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Disc 1 : Mono
Disc 2 : Stereo
Disc 3 : Radio 1 Classic Albums Documentary "Ogdens' Nut Gone Flake"-Small Faces

◎2006年5月にイギリスのSanctuaryからCD3枚組+"缶ジャケ"が発売されました。ちなみに1989年にCastle Communicationsからも"缶ジャケ"(ちょっと金光りした缶)が出ていましたが、今回出たものは別物でCD3枚組になっています。特徴をいくつかまとめてみると…。

🔵パッケージはタバコ缶風のケース(何の金属かは不明)
🔵円形ジャケットのミニチュア版(CD盤と同サイズ)と円形カラー・ブックレット付き
🔵CD3枚組
🔵Mono & Stereo両ミックスを収録

 Disc 1のMono盤はこの時初CD化(ミックスの違い等は後半のコーナーで触れます)、Disc 2はStereo Mixで、海外盤CDではようやく「Afterglow Of Your Love」のエンディング補修版が収録(フェイド・アウトせずに次の曲に繋がる)。Disc 3は"RADIO 1 CLASSIC ALBUMS DOCUMENTARY"と題された、ラジオでオン・エアされたドキュメンタリー番組(60分)を収録したもので、ナレーションや元メンバーのコメント等を収録。
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 写真上のデケーのがアナログ盤(丸ジャケだけど実はイタリア製再発盤)、その下が今回発売された"缶ジャケ"とその中身。缶に印刷されたジャケットは色がやや薄め。缶の中には紙ジャケが入っており、オリジナル盤同様に丸ジャケ仕様
[2009年リマスター盤]
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『Ogdens' Nut Gone Flake+12』(ビクターエンタテインメント VICP-70108)

Track 1〜12 : Stereo Mix
Track 13〜24 : Mono Mix

🔵円形ジャケットをミニチュア化して再現した"紙ジャケット"仕様
🔵Mono & Stereo両ミックス収録
🔵歌詞・対訳・解説書付き
🔵"Afterglow Of Your Love"は補修版で収録
🔵盤はSHM-CDを採用

◎2009年に発売されたSHM-CD盤は1〜12がステレオ、13〜24にモノラル・ミックスを収録。リマスター表記はありませんが、先に触れた2006年リマスター音源を使用しているようです。ブックレット(これも円形)には"スモール・フェイセス・ストーリー Part 2"、2000年版に加筆訂正をした解説書、歌詞・対訳を掲載。対訳の方は、今回初めてナレーション部分の訳が付いたそうです。下で紹介する2012年リマスター盤にはボーナス・トラックでアウトテイク等が収録されていますが、アウトテイクは特に気にしていない&アルバムのみが聴きたい場合はこちらの2009年盤でもOKかと。
[2011年日本盤紙ジャケHQ-CD]

オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク+12(K2HD/紙ジャケット仕様)オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク+12(K2HD/紙ジャケット仕様)
(2011/07/20)
スモール・フェイセス

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◎ここからは追記分です。現物未チェックで申し訳ありませんが、リストアップの意味で取り上げてみます。内容は2009年版と同一ですが、こちらはK2HDマスタリング、HQ(High Quality)CD仕様によるもの。
[2012年デラックス・エディション/輸入盤]

Ogdens' Nut Gone Flake: Deluxe EditionOgdens' Nut Gone Flake: Deluxe Edition
(2012/05/15)
Small Faces

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◎2012年にSmall Facesの60年代のアルバムがデラックス・エディション化。輸入盤はデジ・スリーブ仕様の3枚組。今回のデラックス・エディションはオリジナル・アルバムのMono/Stereo両ミックスに加え、別ヴァージョン/別ミックス、新たに発掘された音源も含まれ、過去のリイシューとは質・量共に大幅up。ちなみに配信版はiTunes Storeでも試聴&購入可能。
[2012年Round Sleeve 3CD Box]

Ogden's Nut Gone FlakeOgden's Nut Gone Flake
(2012/07/03)
Small Faces

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◎こちらはCharlyからのリイシュー。3枚組で、収録曲は上記Universalデラックス・エディションと同一。Round Sleeve仕様という耳慣れないパッケージングによるもので、輸入盤でも過去に何度か出された、円形ジャケットの再現もされているようです。
[2012年デラックス・エディション/日本盤]

オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク(デラックス・エディション)(K2HD/紙ジャケット仕様)オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク(デラックス・エディション)(K2HD/紙ジャケット仕様)
(2012/07/25)
スモール・フェイセス

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[Disc 1]
Track 1〜12 : Mono
Track13〜24 : Stereo

[Disc 2]
1. Ogdens' Nut Gone Flake (Early Session Version/Mono)
2. Afterglow Of Your Love (Alternate USA Mix/Stereo)
3. Long Agos And Worlds Apart (Alternate USA Mix/Stereo)
4. Rene,The Dockers Delight (Early Session Mix)
5. Song Of A Baker (Alternate USA Mix/Stereo)
6. Lazy Sunday (Alternate USA Mix/Stereo)
7. Happiness Stan (Backing Track/Mono)
8. Bun In The Oven (Early Session Mix/Mono)
9. The Fly (Take 4/Instrumental Version/Stereo)
10. Mad John (Take 7/Early Session Version/Stereo)
11. Mad John (US Single Version/Mono)
12. Happydays toytown (Alternate USA Mix/Stereo)
13. Kamikhazi (Take 7/Backing Track/Mono)
14. Every Little Bit Hurts (Early Session Mix/Mono)
15. Ogden's Nut Gone Flake (Alternate Take/Phased Mix/Stereo)

◎一方の日本盤は再編集され2枚組にまとめられ、2012年7月25日発売。内訳は以下の通り。

🔵ケニー・ジョーンズ監修の最新リマスター音源
🔵日本盤のみ高音質K2HD+HQCD盤
🔵円形ジャケットを完全再現
🔵日本盤LPを基にしたボーナス紙ジャケット同梱
🔵ブックレットは2009年版では円形加工されていましたが、今回はフツーに正方形の20P。"Small Faces Story Part 2(1967.6〜1968.5)"(2000年,2009年版CDの加筆訂正)、アルバム解説(2009年版の加筆修正)、歌詞・対訳を掲載。

(ジャケット)
 上に書いた事以外に触れると、円形ジャケットは、2009年盤のものよりも輪郭がハッキリしている印象が。特にメンバーの横顔が描かれたメダルに書かれた文字に違いが出ていると思います…と、あくまで2009年版との違いって事で。

(Disc 1)
 輸入盤が3枚組だったのに対し、日本盤はDisc 1にモノ&ステレオ両ミックスがまとめられての収録。ちなみに2009年版より2012年盤の方が音量や音圧は高め。「Afterglow Of Your Love」のStereo Mixのエンディングは補修版で収録。

(Disc 2)
 今回のデラックス・エディション用に付けられたDisc 2には別ヴァージョン/別ミックス等を収録。一部をを除いて初登場音源。今回の注目所とも言えそうですが、果たして…。

1. Ogdens' Nut Gone Flake (Early Session Version/Mono)

 初登場の別ミックス。カウントのほか、リリース版では部分的にカットされたストリングスのパートが聴ける。フェイド・アウトも長め。

2. Afterglow Of Your Love (Alternate USA Mix/Stereo)

 ここからいくつかの曲では"Alternate USA Mix"と表記されていますが、最近の書籍の特集記事や今回の解説書では「アメリカ盤LP等で聴くことのできる既存の"USA Mix"とは異なった仕上がりになっている。」とのこと。

 一聴するとヴォーカルを左右に振ってダブル・トラック処理したように聞こえますが、これ…従来の海外盤CDに入っていたStereo Mix(エンディングがモノラルになってフェイド・アウトする)から冒頭のアコースティックの演奏をカットし、左チャンネルを微妙に遅らせたものではないでしょうか?
試しに遅れている左チャンネルを元の位置に戻し、左だけ音量を少し下げると、普段我々が聞き慣れているのとほぼ同じようになる。個人的にはちょっと懐疑的な印象を受ける音源。

3. Long Agos And Worlds Apart (Alternate USA Mix/Stereo)

 これもなんだか…通常盤のStereo Mixの右側だけやや遅らせ、短いディレイ・エコーをかぶせただけのように聞こえる。少なくとも、マルチ・トラックの段階から作成された別ミックスではないですね…。一度完成したミックスを加工したものではないでしょうか。

4. Rene,The Dockers Delight (Early Session Mix)

 これも…(苦笑)。ワーキング・タイトルらしきものと"Early Session Mix"と表記されていますが、なんてことはない、通常盤のStereo Mixの右側だけやや遅らせたもの。

5. Song Of A Baker (Alternate USA Mix/Stereo)

 これもStereo Mixの左側を中央に寄せて加工したもの。そのため、一部左右にパンする音やリード・ヴォーカルの音像が不自然。PCの音楽編集ソフトでアレコレいじるとこういう音が作れますが…。

6. Lazy Sunday (Alternate USA Mix/Stereo)

 別ミックス。通常版では左から聞こえていたエレクトリック・ピアノとアコースティック・ギターが中央に配置されている。ピッチもやや速め。

7. Happiness Stan (Backing Track/Mono)

 初登場のバッキング・トラック。最終的にはカットされたり部分的に登場するオーケストラのパートが聴ける。気になったのはこの曲、(ナレーションは別として)複数のテイクの中から、ベストなものを3つ選んで繋ぎ合わせて完成させたのではないでしょうか。

 このバッキング・トラックとリリース版を比べてみると、まず最初のハープが別テイク。次のハープシコードのパートも別テイク。途中からオルガンに切り替わるはずが、ここではハープシコードで通されている。ドラム以降のパートはリリース版と同一テイク。ここではリリース版では聴けないストリングスが入り、最終的に管楽器は残し、後からメロトロンを加えた…って事でしょうね。実に興味深い音源。

8. Bun In The Oven (Early Session Mix/Mono)

 曲名は「Rollin' Over」のワーキング・タイトル(制作時の仮題)と思われる別ヴァージョン。ピッチがやや遅く、通常のMono Mixと似ていますが、ダブル・トラックのヴォーカルの片方は別テイク。スティーヴ・マリオットの「Hey!」等の声がいくつか入っていない。

9. The Fly (Take 4/Instrumental Version/Stereo)

 「The Hungry Intruder」のバッキング・トラックで、曲名はワーキング・タイトルと思われます。過去に流通していた音源とは異なりる、マルチトラックから新たに作成された別ミックス。ヴォーカル、フルート、ストリングスが入っていない代わりに、左からメロトロンの音が聞こえる。

10. Mad John (Take 7/Early Session Version/Stereo)

 初登場のバッキング・トラックで、リリース版とは別テイク。

11. Mad John (US Single Version/Mono)

 アメリカ盤シングルに収録されていた別ヴァージョン。アルバム・ヴァージョンでは曲後半にナレーションが入るため、「アイ〜ディディアイライディ〜…♪」と歌う箇所を編集で2度にしてフェイド・アウト。この音源は海外盤のデラックス・エディションには未収録で、日本盤化の際に追加収録。

12. Happydaystoytown (Alternate USA Mix/Stereo)

 別ミックス。1つ前の「Mad John」の後半ナレーション部分から始まっていますが、Original Stereo Mixを加工してあるようで、音像が不自然な印象。

13. Kamikhazi (Take 7/Backing Track/Mono)

 初登場の未発表曲で、ヴォーカルなしのバッキング・トラック。The Classics IVの1968年のヒット曲「Spooky」からの影響を感じさせる曲調。

14. Every Little Bit Hurts (Early Session Mix/Mono)

 "Early Session Mix"とクレジットされているので、80年代に発掘された"Studio Version"と何か違うのかな、と思って調べてみたら…全く同じものでした(苦笑)。にしてもなんでこんな紛らわしい表記になっているのか…。

15. Ogdens' Nut Gone Flake (Alternate Take/Phased Mix/Stereo)

 "Alternate Take/Phased Mix"と書いてありますが、通常のStereo Mixを逆回転しただけです(苦笑)。テイク自体も同じなのでこの"Alternate Take"って表記は嘘になりますけど、収録するにあたって何か意図があったのでしょうか。曲に逆回転の演奏が含まれているわけでもなく…ちと謎な音源。
[2012年Charly盤デラックス・エディション]
(2枚組輸入盤)

Ogdens’ Nut Gone Flake (Re-mastered 2CD digibook edition)Ogdens’ Nut Gone Flake (Re-mastered 2CD digibook edition)
(2012/11/05)
Small Faces

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(輸入国内盤仕様/2016年発売)


◎Charlyから新たなデラックス・エディションが発売されました。パッケージはデジパック仕様、内容は3枚組から2枚組に変更され、何故かStereo Mixは未収録。2016年には英文ブックレットの翻訳をつけたものも発売されています。
[別ヴァージョン/ミックス (簡易版)]

◎ アルバム収録曲の別ヴァージョン/別ミックス/別テイク等をただ羅列するコーナーです。音源の種類は大まかに分けると、

1️⃣ Mono Mix (=モノラル。音が一塊になっているもの)
2️⃣ Stereo Mix (音が左右中央から聞こえるもの。厳密な"ステレオ録音"の話をすると混乱を招くのでここでは割愛)
3️⃣ U.S. Stereo Mix (1968〜70年代前半に流通していたアメリカ盤のミックス)
4️⃣ Alternate Mix/Version (別ミックス/別ヴァージョン。1️⃣2️⃣とはどこかしら異なる音源)
5️⃣ Backing Track (ヴォーカルが含まれていない、演奏パートのみの音源)

Mono・Stereo Mixは共に2006年以降に発売された複数のCDで入手可能。4️⃣5️⃣は再発盤CD各種に収録。

(U.S. Stereo Mix?)

 気になるのは"3️⃣ U.S. Stereo Mix"で、不覚にも2012年にDeluxe Editionが出てから存在を知り、現物未確認で…(汗)。ちなみに関連書籍に具体的な記述はなく、聴いた事のある方に尋ねると「たしかに違う」としつつも「何て言えばいいか判らない…」とのこと(お手数かけました&ご協力ありがとうございます)。ちなみにYouTubeにupされている"1973 Reissue"なるものを聞く限りでは・・・

⚪️2️⃣のStereo Mixを加工したもの。
⚪️数曲でヴォーカルが左に寄っている。
⚪️中央にあった音は左寄り、または不鮮明に聞こえる。
⚪️左にあった音が中央から聞こえる。
⚪️音が右から左に移動する曲では、左まで行かずに中央で止まる。
⚪️アルバム後半のナレーションの音像が不自然。
⚪️数曲で右側に深いリバーブがかけられている。

・・・と、気付いた点を挙げてみましたが、upされているのがリイシュー盤で、YouTubeにはアマチュアの独自加工物も多く存在するので、信憑性は半々と思っていただけると…現物を確認して書くのがベストなんですけどね。

試しにPCソフトで2️⃣のStereo Mixを使い、L(左)を位相反転→パンポットを右寄りに移動(↓の画像参照)→R(右)の音量を調節させると、"U.S. Stereo Mix"と似たような音になりました。
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理由は定かではありませんが、アメリカ盤用にこんな感じの加工をしたのだろうと。もし現物をお持ちの方は機会がありましたらご確認を。

Ogdens' Nut Gone Flake

1 : Mono Mix

 フェイド・アウトがStereoより数秒長い。

2 : Stereo Mix

 フェイド・アウトがMonoより数秒短い。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : Early Session Version/Mono

🔵2012年発売のデラックス・エディションで発掘されたモノラルの別ミックス。
🔵冒頭にカウントあり。
🔵リリース版では部分的にカットされたストリングスのパートが聴ける。
🔵フェイド・アウトがリリース版より長い。

5 : Alternate Take/Phased Mix/Stereo/Mono

 2012年発売のデラックス・エディション収録の音源で、2のStereo Mixを逆回転したもの(註:別テイクではない)。

Afterglow Of Your Love

1 : Album Version/Mono Mix

 オリジナルのモノラル・ミックス。エンディングはそのまま次の曲へと繋がる。

2 : Album Version/Stereo Mix(1)

 オリジナルのステレオ・ミックス。エンディングはそのまま次の曲へと繋がる。アルバム発表後、マスター・テープ自体に手が加えられたようで、原音のままのデジタル化は無し。現在流通している音源はエンディング部分をアナログ盤から音を起こし補正したもの。日本盤CDはすべて"補正版"で収録されています。

3 : Album Version/Stereo Mix(2)

 これがちょっと問題で…。エンディング部分、"Your love〜っ♪"から突然モノラルに切り替わ。ドラムの音はフェイド・アウト処理され、次の曲に繋がっていない(個人的な意見ですが…聴いていてシラケる)。海外盤は2006年頃までこのミックスが広く流通していました。

4 : Album Version/Stereo Mix(3)

 エンディングはStereo(アナログ盤から補正)で、フェイド・アウトする。
(収録CD)
◉『ULTIMATE COLLECTION』(Sanctuary TDSAN 004/2003年)

5 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

6 : Alternate USA Mix/Stereo

 2012年Deluxe Editionで発表された音源。"Alternate USA Mix"との表記がありますが、"3 : Album Version/Stereo Mix(2)"の左側を微妙に遅らせて加工したもの。そのためDuophonic音源のようにヴォーカルが左右に振り分けられたような音像になっている…という、懐疑的な音源。

7 : Mono Single Version

🔵1969年3月7日にイギリスで発売されたシングル・ヴァージョン。アルバム盤とは編集が異なる。
🔵ピッチが半音以上上げられている。
🔵ヴォーカルのミックスが1とは異なり、アウトロ直前に1には含まれないヴォーカルが聞こえる。
🔵2分14秒〜の短いキーボード・ソロの音量が小さめ。
🔵アルバム版ではドラムの連打で終わりますが、Single Versionでは続きがあり、約29秒のアウトロが含まれている。
(主な収録CD)
『The Immediate Years』(イギリスCharly CDIMMBOX1/1995年)
『イン・メモリアム』(ビクター エンタテインメント VICP-70110/2009年)

8 : Single Version (疑似ステレオ1)

 7の疑似ステレオ・ミックスで、右=高域/左=低域に音質を調整したもの…ですが、殆どモノラルに近い仕上がり(左右で音質は微妙に異なる)。
(主な収録CD)
『オータム・ストーン+1』(ビクター エンタテインメント VICP-70109/2009年)

9 : Single Version (疑似ステレオ2)

 8とは別の疑似ステレオ・ミックス。ルーム・エコーが微量かけられ、音が回って聞こえるような処理が施されている。
(収録CD)
『The Definitive Anthology Of The Small Faces』(ドイツRepertoire REP 4429-WO/1995年)

10 : Mono Single Version/Alternate Version

🔵シングル・ヴァージョンの別ヴァージョン(ややこしい)。
🔵アウトロ部分、7では一旦フェイド・アウトして再び音量が大きくなりますが、この音源では一旦フェイド・アウト処理がない。
(収録CD)
『Absolutely The Best』(アメリカFuel 2000 61124/2001年)
『Hits, Misses, Trashers & Crashers』(アメリカFuel 2000 61403/2004年)


Long Agos And Worlds Apart

1 : Mono Mix

 一旦フェイド・アウトするタイミングが、Stereoより約5秒程遅れて始まる。

2 : Stereo Mix

 一旦フェイド・アウトするタイミングが、Monoより約5秒早めに始まる。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : Alternate USA Mix/Stereo

 2012年Deluxe Editionで発表された音源。"Alternate USA Mix"との表記がありますが、Stereo Mixの右側を微妙に遅らせ、短いディレイ・エコーをかけて加工…という、懐疑的な音源。

Rene

1 : Mono Mix

🔵Monoはピッチがやや高い。
🔵Monoの方がフェイド・アウトが早く、トータル・タイムは約4分。メンバーの声で曲が終わりますが、Stereoで聴けるものとは異なる。

2 : Stereo Mix

 Stereoはフェイド・アウトがMonoより長い。エンディングのメンバーの声はMonoよりも先の部分。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : Rene, The Dockers Delight (Early Session Mix/Stereo)

 2012年Deluxe Editionで発表された音源。Stereo Mixの右側をやや遅らせて加工したもの。

Song Of A Baker

1 : Mono Mix

 MonoはStereoよりピッチがやや高め。

2 : Stereo Mix

 一般的に流通しているステレオ・ミックス。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : Alternate USA Mix/Stereo

 2012年Deluxe Editionで発表された音源。ドラムが中央で大きく鳴り、ヴォーカルの音像が不自然で、やや左寄りになっている。曲後半の不自然なパンニングから判断すると、3 : U.S. Stereo Mixと同一と思われる(推測)。

Lazy Sunday

1 : Mono Mix

🔵オリジナルのMono Mixで、シングルも同一音源。Stereo Mixと異なる部分がいくつか。
🔵1分〜1分16秒にかけてのバッキング・ヴォーカルがStereoと異なり、Monoでは低く渋めの声で歌っている。
🔵後半、2分8秒付近のさざ波のSEがStereoよりも早めに挿入されている。
🔵エンディング間際、鳥の囀りSEがStereoよりも早めに挿入されている。

2 : Alternate Mono Mix

🔵1985年発売のコンピLPで発掘されたというモノラルの別ミックス。90年代以降誤ってこちらが"Single Version"と称され、2009年頃まで複数のCDに流用される事に。
🔵1分〜1分16秒にかけてのバッキング・ヴォーカルが入っていない。これが大きな特徴。
🔵後半、2分8秒付近のSEの音量が小さめで、さざ波のSEは1より遅れて挿入されている。
🔵"There's no one to hear me,there's nothing to say〜♪"以降のダブル・トラック・ヴォーカルの片方が別テイク。
🔵歌い終わりの"drift away〜っ♪"の部分が伸ばさずにヴォリュームが下げられている。
(主な収録CD)
『The Immediate Years』(イギリスCharly CDIMMBOX1/1995年)
『イン・メモリアム』(ビクター エンタテインメント VICP-70110/2009年)

3 : Stereo Mix

🔵1分〜1分16秒にかけてのバッキング・ヴォーカルがMonoと異なる。
🔵後半、2分8秒付近のさざ波のSEがMonoより遅めに挿入されている(SEの入るタイミングがそれぞれ違うのは、ミキシング中に別のテープ・レコーダーからリアルタイムで挿入していたのでは?)。

4 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

5 : Alternate USA Mix/Stereo

 2012年Deluxe Editionで発表された音源で、"4:U.S. Stereo Mix"と同一の可能性あり。Stereo Mixで左側から聞こえた音が中央で大きめに鳴り、ヴォーカルにかかるリバーブも深め。

Happiness Stan

1 : Mono Mix

🔵ダブル・トラック・ヴォーカルのうち片方がStereoとは異なる(Stereoで右側から聞こえるヴォーカルがカットされ、新たに歌い直されている)。
🔵ヴォーカルにかかるリバーブもMonoの方が深め。

2 : Stereo Mix

🔵ダブル・トラック・ヴォーカルのうち、右側のヴォーカルはMonoには含まれていない(高いパートの歌い方が異なる)。
🔵Stereoの方がピッチがやや早め。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。ナレーションの音像が不自然で、左と中央の音が入れ替わっている(註:要検証)。

4 : Backing Track/Mono

🔵2012年発売のデラックス・エディションで発掘されたモノラルのバッキング・トラック。
🔵リリース版では聴けないストリングスのパート等が含まれている。

Rollin' Over

1 : Mono Mix

🔵Mono・Stereoでヴォーカルのテイクが異なる。
🔵Monoはナレーションあり・無し以外はSingleと同一。

2 : Mono Single Version

 基本的には1と同一で、ナレーションが含まれていない。複数のCDに収録されていますが、下記のCDで状態のいい音源が収録。
(主な収録CD)
『Greatest Hits The Immediate Years 1967-1969』(CHARLY 654 X/2014年)

3 : Stereo Mix

🔵Monoよりピッチがやや早め。
🔵Monoより早くフェイド・アウトする。

3 : Bun In The Oven (Early Session Mix/Mono)

🔵2012年発売のデラックス・エディションで発掘されたモノラルの別ミックス。
🔵ダブル・トラック・ヴォーカルの片方が別テイク。

4 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

The Hungry Intruder

1 : Mono Mix

 オリジナルのモノラル・ミックス。

2 : Stereo Mix

 Monoよりピッチがやや早め。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : Instrumental Version

🔵1975年に発掘されたバッキング・トラックのみのインスト・ヴァージョンで、アコースティック・ギターがディレイ(?)で左右に振り分けられ、ストリングの代わりに左からメロトロンが聞こえる。2012年発掘の5より音質は劣る。
(主な収録CD)
『The Immediate Years』(イギリスCharly CDIMMBOX1/1995年)
『レアリティーズ』(ビクター エンタテインメント VICP-7061141/2000年)
『ゼア・アー・バット・フォー・スモール・フェイセス』(ビクター エンタテインメント VICP-70111/2009年)

5 : Take 4/Instrumental Version/Stereo

🔵2012年発売のデラックス・エディションで発掘されたバッキング・トラックで、マルチトラックから新規作成。
🔵ヴォーカル、フルート、ストリングスが無い代わりに、左からメロトロンが聞こえる。

The Journey

1 : Mono Mix

 オリジナルのモノラル・ミックス。

2 : Mono Single Version

 1969年にアメリカとオーストラリアで発表されたシングル「Mad John」のB面に収録のモノラル・ミックス。基本的に1と同一ですが、ナレーションがカットされている。
(収録CD)
『Greatest Hits The Immediate Years 1967-1969』(CHARLY 654 X/2014年)

2 : Stereo Mix

 Monoよりピッチがやや早め。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

Mad John

1 : Mono Mix

 曲後半、MonoとStereoでナレーションの入るタイミングが異なる。Monoの方が若干早め。

2 : Stereo Mix

 Monoよりピッチがやや早め。ナレーションの入るタイミングがMonoより若干遅い。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : U.S. Mono Single Version

 1969年にアメリカとオーストラリアで発表されたシングル・ヴァージョン。"あい〜でぃでぃあいあい〜…♪"のフレーズを編集で1回多くし、ナレーションが入る直前でフェイド・アウト。CDでは長きにわたり盤から起こされた音源が流通していましたが、2014年にマスター・テープからリマスター化。
(主な収録CD)
『Greatest Hits The Immediate Years 1967-1969』(CHARLY 654 X/2014年)

5 : Take 7/Early Session Version/Stereo

 2012年発売のデラックス・エディションで発掘された、別テイクのバッキング・トラック。

Happydaystoytown

1 : Mono Mix

🔵曲後半、Mono・Stereoでナレーションの入る位置が微妙に異なる。
🔵エンディング直前のヴォーカルが、Mono・Stereoで異なる。Stereoではスティーヴが1オクターブ上のパートを歌う声が聞こえますが、Monoでは無し。ロニー(?)が歌い方を変えている。

2 : Stereo Mix

🔵Stereoの方がピッチがやや早め。
🔵エンディング直前のヴォーカルが、歌い方を含めてMonoとは異なる。

3 : U.S. Stereo Mix

 かつてアメリカ盤に収録されていた別ミックス(→上記「U.S. Stereo Mix?」参照)。

4 : Alternate USA Mix/Stereo

🔵2012年Deluxe Editionで発表された音源で、"3:U.S. Stereo Mix"と同一の可能性あり。
🔵Stereo Mixで左側から聞こえた音が中央で大きめに鳴る。
🔵右側のドラムに深いリバーブがかけられている。
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(作成:2009年6月23日/更新:2012年6月19日,9月15日,10月28日,2014年5月16日,2016年8月16日)
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