The Move : Live at the Fillmore 1969

[イギリス盤=Right Recordings RIGHT-116]

Live at the Fillmore 1969Live at the Fillmore 1969
(2012/02/14)
Move

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[輸入国内盤仕様=MSI MSIG 0773~4]

ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト 1969ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト 1969
(2012/03/26)
ムーヴ

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[Disc 1]
1. Open My Eyes
2. Don't Make My Baby Blue
3. Cherry Blossom Clinic Revisited
4. The Last Thing On My Mind
5. I Can Hear The Grass Grow
[Disc 2]
1. Fields Of People
2. Goin' Back
3. Hello Susie
4. Under The Ice
(Additional Night Performances)
5. Introduction 6. Don't Make My Baby Blue
7. Cherry Blossom Clinic Revisited
8. The Last Thing On My Mind
9. The Move's 1969 USA Tour Recalled By Bev Bevan

Carl Wayne (vo)
Roy Wood (vo,g)
Bev Bevan (d)
Rick Price (b,vo)

Recorded live at the Fillmore West,San Francisco,USA,October 17 & 18,1969
[発掘ライヴ音源登場]

 The Moveにとって最初で最後のアメリカ・ツアーから、1969年10月17日と18日に出演したサンフランシスコ、フィルモア・ウエストでのライヴを収録した2枚組CDが発売になりました。ちなみに2011年12月18日にiTunesのダウンロード配信が先行販売され、2012年2月にイギリス盤CDが発売。日本盤はMSIから"輸入国内盤仕様"として3月26日に発売されています。

 ここに収録された音源は、カール・ウェインが長年保管していたテープが元になっていますが、生前本人も発売を望んでいたにもかかわらず、そのまま商品化出来る状態ではなかったらしく(恐らくテープの傷やノイズでしょうか)、Pro-Tools等の編集ソフトの登場により修復が可能となり、リマスタリングを経てようやく発売が実現しました。

 メンバーはカール・ウェイン(vo)、ロイ・ウッド(g,vo)、ベヴ・ベヴァン(d)、リック・プライス(b,vo)という第3期の編成。この時期のThe Moveはイギリスで「Blackberry Way」がNo.1ヒットになっていたものの、アメリカでのヒット・シングルはなく、渡米時に売り込めるような新譜もない状況。カヴァー曲も決してポピュラーなわけではないので、この時のアメリカ・ツアーは実力勝負に挑んだ事になります。

 セット・リストはこの時のアメリカ・ツアー用に設定されたもので、オリジナルは僅か3曲。ポップ寄りなヒット曲をあえて省き、その他の大半は直後の1970年2月に発表されるセカンド・アルバム『Shazam』に収録される事となるアメリカの曲を、ハード・ロックやサイケデリック風にアレンジしたものを演奏。1969年頃のロック・シーンは3分間Popsから離れ、よりラウドな音量と長時間演奏で聴かせるバンドが多く登場した時期で、このライヴ盤で聴けるThe Moveの演奏も、その影響が色濃く反映されています。

 The Moveはメンバー編成や時期毎に様々な変化を遂げ、シングル、アルバム、ライヴでも違った表情を見せるバンドでした。にもかかわらず、ライヴ音源がごく僅かしか公になっていない事もあり、こうして発売されて聴ける事が嬉しい限り。
[輸入国内盤仕様について]
●帯、英文ライナーの対訳付。歌詞はなし。
●ライナーにはポール・ウェラー、トニー・アイオミ、そしてスー・ウェイン、ジャック・ウェイン(カール・ウェインの家族)によるコメント、カール・ウェインの2003年の発言、メンバーのベヴ・べヴァン、リック・プライスによるUSAツアーの回想(リックは何やらハプニングがあったようで…詳細はライナーにて)、アーチー・パターソン氏による1969年10月17日のライヴ・レビュー等を掲載。
[収録曲について]

 クレジットやライナーを読む限りだと、ステージは2部構成で行われた模様。マスター・テープに問題があったのでしょうか、17日、18日の両方の音源を組み合わせてフル・ステージを再現したようです。

 あと、CDのライナーの方に熱いライヴ・レビューが掲載されているので、ここでは曲目解説に留めておきます(いつものパターンともいう)。初出曲以外は、以前HPに掲載したものを加筆訂正したものになっている事を先にお伝えします。

[Disc 1]
1. Open My Eyes (Todd Rundgren)

 Todd Rundgrenが60年代後半に在籍していたグループ、Nazzが1968年8月に「Hello It's Me」とのカップリングで発表したナンバーで、ファースト・アルバム『Nazz』(1968年9月)にも収録。British Beatやサイケデリック、The 5th Dimension辺りのコーラスを融合した、後にPower Popと呼ばれる先駆的な曲ですが、The Moveはハード・ロック寄りにアレンジしてカヴァー。
 ちなみにこのライヴ盤に先駆け、2008年にSALVOから発売された4枚組ボックス・セット『Anthology 1966-1972』(SALVOBX406)にも同様にFillmore Westのライヴ音源が収録されていましたが、今回はそれとは別テイクを収録。

2. Don't Make My Baby Blue (Barry Mann / Cynthia Weil)

 バリー・マンとシンシア・ウェイルの作品で、「Rawhide」 で知られるアメリカの歌手、Frankie Laineが1963年にヒットさせているほか、イギリスのThe Shadowsも取り上げています。The Moveはこれをヘヴィ・ロック風にアレンジ。
 ちなみにこのライヴ・ヴァージョンは数秒間、ベースの音がカットされて一部モノラルになったりしますが、恐らく元のテープに何かしらの問題があったと思われます。

3. Cherry Blossom Clinic Revisited (Roy Wood)

 ファースト・アルバム収録曲をプログレ風にアレンジしたもので、曲後半のインストゥルメンタル部分ではバッハの「主よ人の望みの喜びよ」やチャイコフスキーの「くるみ割り人形」のフレーズが登場。オリジナル・ヴァージョンではトレヴァー・バートンがリード・ヴォーカルでしたが、ここではカール・ウェイン。
 このライヴ・ヴァージョンでは前半が語りではなく、カール・ウェインがメロディを歌っているのが『Shazam』収録版と異なる。

4. The Last Thing On My Mind (Tom Paxton)

 アメリカのフォーク・シンガー、Tom Paxtonがアルバム『Ramblin' Boy』(1964年)の中で発表、その後Peter, Paul & Mary、The Seekers、Sandy Denny、Glen Campbell等、多くのカヴァーを生んだ曲。
 原曲は素朴なフォーク・ソングだったのに対し、The Moveはそれを原形を殆ど留めない、幻想的なスタイルにアレンジ。

5. I Can Hear The Grass Grow (Roy Wood)

 この曲の音源のみ、2008年にSALVOから発売された4枚組ボックス・セット『Anthology 1966-1972』(SALVOBX406)で先に発表されていて、ライナーには1969年10月17日の演奏とあります。今回発売されたものと聴き比べてみると、音質が劇的に変化しているわけではないですけど、ボックス収録の音源は、細かい部分で元のテープの状態が万全ではなかったのが聞き取れ、今回は大分クリーン・アップされた上で発売されたようです。
 演奏の方はシングルよりもハードになり、途中てドラム・ソロがあったり、ヘンリー・マンシーニの「Peter Gunn」やSteppenwolfの「Born To Be Wild」等のフレーズを挿入したインター・プレイが含まれ、約10分の長さになっています。そしてここまでがライヴの第1部及びDisc 1。

[Disc 2]
1. Fields Of People (Wyatt Day / Jon Pierson)

 第2部及びDisc 2。60年代後半にニューヨークで結成されたサイケ系バンド、Ars Novaがアルバム『Ars Nova』(1968年)で発表した作品。原曲も"SGT的"だったりClassicの要素を含んだものでしたが、The Moveのヴァージョンではメロディ・ラインをより判りやすく整え、演奏もサイケ~プログレ寄りにアレンジ。スタジオ版は11分弱の長さでしたが、このライヴ・ヴァージョンはさらに長く17分(後半のインド音楽風演奏だけで10分近くある。ちなみに原曲のArs Novaのヴァージョンは2分55秒)。

2. Goin' Back (Gerry Goffin / Carole King)

 ジェリー・ゴフィン作詞、キャロル・キング作曲。この曲は1966年7月、Dusty Springfieldによって全英第10位のヒットを記録した曲ですが、The MoveはThe Byrdsがアルバム『The Notorious Byrd Brothers』(1968年)で発表したヴァージョンを元にカヴァー。The Moveのヴァージョンが発表されるのは『The BBC Sessions』(1995年)収録のテイクに続いて2度目。BBCでのテイク(Trevor Burdon在籍時、1968年11月6日)はいきなり歌から始まっていますが、このライヴ・テイクはア・カペラによるコーラスからスタート。

3. Hello Susie (Roy Wood)

 オリジナル3曲目のこの曲は、先にAmen Corner(後にEric ClaptonやRoger Watersのバックで活躍するAndy Fairweather Lowが在籍していたバンド)が1969年6月にシングルで発表し全英第4位のヒットを記録。Amen Corner版はアップ・テンポでブラス・セクションが賑やかな印象だった(ちなみにシングルとアルバムでテイクが異なる)のに対し、The Move版はテンポを落とし、グラム・ロック(そのものではなく)前夜なサウンド。スタジオ版ではロイ・ウッドがリード・ヴォーカルでしたが、このライヴ盤ではカール・ウェインがユニゾンで歌っています。

4. Under The Ice (Todd Rundgren)

 ライヴのラストは1曲目と同じくNazzのカヴァーで、セカンド・アルバム『Nazz Nazz』(1969年4月)及びシングル「Not Wrong Long」(1969年5月)のB面として発表されたパワフルなナンバー。
 The Moveのヴァージョンは本盤が初登場で、原曲よりややテンポをゆるめ、間にビートルズ・ナンバー数曲を取り混ぜた長尺のインター・プレイが加えられ、約14分にわたり演奏。ライヴの最初と最後が、当時まだまだ知名度の低かったTodd Rundgrenの曲というのもどこか不思議な感覚が。リリースの有無は別として、Todd Rundgrenの曲を最初にカヴァーしたのはThe Moveだったのでは…なんて書いてみたくもなったりする。そういう意味でも興味深いカヴァーで、どこか類友の法則のような巡り合わせ。
  ちなみにご存知の通り、Todd Rundgrenは1974年にUtopia名義でのアルバム『Another Live』の中で、The Moveにとってアメリカでの唯一のヒットとなった「Do Ya」(Jeff Lynne作)を取り上げています。

5. Introduction
6. Don't Make My Baby Blue (Barry Mann / Cynthia Weil)
7. Cherry Blossom Clinic Revisited (Roy Wood)
8. The Last Thing On My Mind (Tom Paxton)

 Disc 2の後半に収録されているこれらの曲は、同じくフィルモア・ウエストでのライヴ音源ですが、曲ごとの正確な日付は特定で来ません。

9. The Move's 1969 USA Tour Recalled By Bev Bevan

 ベヴ・べヴァンが1969年のアメリカ・ツアーを回想したトークを収録。所々、ブックレットに記載されている内容には出て来ない話題も話しているようです。

(作成:2012年1月/更新:2012年4月3日)
A Young Persons' Guide to The Move
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