The Beach Boys『The Beach Boys』


ザ・ビーチ・ボーイズ’85ザ・ビーチ・ボーイズ’85
(2000/09/27)
ザ・ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

1. Getcha Back
2. It's Gettin' Late
3. Crack At Your Love
4. Maybe I Don't Know
5. She Believes In Love Again
6. California Calling
7. Passing Friend
8. I'm So Lonely
9. Where I Belong
10. I Do Love You
11. It's Just A Matter Of Time
(CD Bonus Track)
12. Male Ego
[再出発~デジタル・レコーディング]

 グループ結成から20年が経過した80年代前半のビーチ・ボーイズは、懐メロバンド化が進行しライヴ活動に精を出す一方で、1981年にカールがソロ活動に出たためグループから一時離脱、ブライアンは不摂生により命が危ぶまれる所まで行き、再度セラピストと共に過酷なリハビリ生活へ…と、20周年を祝うどころか、多くの問題を抱えた状態に。さらに追い討ちをかけるかのように1983年12月28日、デニスが水死する悲劇が…。

 この出来事が大きなきっかけとなり、不安定な状態だったグループは前進を決意。そして1985年、当時Culture Clubを手がけていたスティーヴ・レヴィンをプロデューサーに迎え、5年振りとなる新作が発表されます。

 グループにとって久々の外部プロデューサーによって制作されたアルバムは、ほぼイギリス・ロンドン録音、デジタル・レコーディング、ほぼ打ち込みによるバッキング・トラック、CDでのリリース等、グループにとっては初物づくし。

 曲の大半はブライアン、カール、アルによるもので、珍しくカヴァー曲は一切なし、代わりに曲提供がいくつか。結果として仕上がったのは、80年代的なサウンドをバックにビーチ・ボーイズのハーモニーが乗ったもの。
 今となっては時代を感じさせるその"80年代的音作り"は、時に聞き流し度を高める危険性も孕んでいるものの(…ととりあえず書いてみたけど、自分自身は洋楽に慣れ親しんだのが80年代からだったのもあり、特に気にした事はなかった。後から誰かしらが言っているのを耳にして、あぁそうかもね…と思う程度で)、最終的に耳に残るのは彼ら特有のハーモニーと各メンバーの声。ただ、2「It's Gettin' Late」辺りを聴くと、ビーチ・ボーイズは70年代前半から既にシンセサイザーを駆使してこの手のサウンドをいくつか作っていたではないかとも思ったり。そういう時代と機材の変化を感じ取れるのもこのアルバムの特徴でしょう。

 プロデューサーのスティーヴ・レヴィンの繋がりと思われるゲスト・ミュージシャンの参加もあり、Culture Clubからはボーイ・ジョージとロイ・ヘイが7「Passing Friend」を提供。ビーチ・ボーイズに合っているかは別として、ロイ・ヘイとサックスのSteve Grainger(Culture Clubのバック・メンバー)によって基本トラックが作られているためか、Culture Clubの数曲で聴けるギターやメロディ・ラインが聞こえてくる。

 4「Maybe I Don't Know」(ヴォーカルはカール)、5「She Believes In Love Again」(ブルース・ジョンストン作。ヴォーカルはブルースとカール)の2曲で聴けるハード・ロック系のギターはGary Mooreによるもの。

 カールとアルが歌う10「I Do Love You」ではStevie Wonderが曲提供と演奏(ドラム、ベース、エレピ、ハーモニカ)で参加。初期の名残を感じさせる6「California Calling」(ブライアンとアルの共作)ではリンゴ・スター(d)が参加。

 ブライアンのリード・ヴォーカルが聴けるのは50年代R&B風の8「I'm So Lonely」と、マイクと共に歌う11「It's Just A Matter Of Time」(ちなみに日本盤では当初「ラスト・シーン」という別の題名が付けられていました)。

 なお、12「Male Ego」はシングル盤のB面とCDのみに収録されていた曲で、アナログ盤には未収録でした。『Love You』の頃にも通ずるサウンドで、マイクとブライアンがヴォーカル。

 アルバムからシングル・カットされたのはカールが歌う2「It's Gettin' Late」で、全米第82位と小ヒットに終わりましたが、ベスト・トラックとなるとやはり1「Getcha Back」(全米第26位)でしょう。'64~5年頃のビーチ・ボーイズの80年代版的な解釈のサウンドと、マイクのリード・ヴォーカルとブライアンのバック・コーラスが際立つ、ビーチ・ボーイズの健在振りを示した一曲(余談ながら、個人的に最初に接したビーチ・ボーイズ・ナンバーがこの曲でした)。

 ちなみにマイク・ライヴと共にこの曲を書いたテリー・メルチャーは、The Byrdsの『Mr. Tambourine Man』(1965年)のプロデュースや、60年代にブルース・ジョンストンとコンビを組んでいた人物。ここから1992年にかけ、主にこの2人を中心に作曲やレコーディングが行われるようになります。

[CDについて]

◎『The Beach Boys』((日)Caribou 32DP-236/1985年)

 1985年にCBS Sonyから発売された初版CD。歌詞・対訳・解説書付。
◎『The Beach Boys』((日)Sony SRCS-6100/1991年)

ザ・ビーチ・ボーイズザ・ビーチ・ボーイズ
(1991/06/01)
ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

 1991年にSonyから発売された再発盤CD。歌詞・対訳・解説書付。
◎『Keepin' The Summer Alive / The Beach Boys』 ((米)Capitol 279548/2000年)

Keepin' The Summer Alive / The Beach BoysKeepin' The Summer Alive / The Beach Boys
(2000/07/29)
Beach Boys

商品詳細を見る

 2000年8月にアメリカのCapitolが『Keepin' The Summer Alive』との2 in 1で発売。デジタル・リマスター、解説書付。
◎『The Beach Boys '85』((日)東芝EMI TOCP-65575/2000年)

ザ・ビーチ・ボーイズ’85ザ・ビーチ・ボーイズ’85
(2000/09/27)
ザ・ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

 2000年に発売された日本盤CD。歌詞・対訳・解説書付。このCDからアルバム・タイトルに"'85"が付けられています。なお、2008年には1,500円で期間限定発売もされています。
◎『The Beach Boys '85』 ((日)EMI Music Japan TOCP-70571/2008年)

ビーチ・ボーイズ’85(紙ジャケット仕様)ビーチ・ボーイズ’85(紙ジャケット仕様)
(2008/08/27)
ザ・ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

 2008年8月に発売された日本盤で、紙ジャケット仕様。歌詞・対訳・解説書付。
[配信版]

🔵 iTunes Misic Store配信版

🔵 Amazon MP3版

🔵 moraハイレゾ版 (2015年10月9日発売)
My Favorite Albumsのコーナー(目次)へ戻る。

(作成:2004年8月20日/更新:2008年8月26日、2012年4月19日,7月19日,2015年10月16日)
関連記事
[ 2012/04/19 20:01 ] The Beach Boys関連 | TB(-) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する