The Beach Boys : Friends (1968)


フレンズフレンズ
(2001/06/27)
ザ・ビーチ・ボーイズ

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1. Meant For You
2. Friends
3. Wake The World
4. Be Here In The Morning
5. When A Man Needs A Woman
6. Passing By

7. Anna Lee,The Healer
8. Little Bird
9. Be Still
10. Busy Doin' Nothin'
11. Diamond Head
12. Trascendental Meditation

[リラックス・ムード溢れたアルバム]

 1967年後半から1968年前半にかけ、ビーチ・ボーイズはBuffalo Springfield(Neil Young在籍)や("Incense And Peppermints"のヒットで知られる)Strawberry Alarm Clockと何度かツアーを行っていましたが、様々な要因が重なり商業的に赤字を出す結果に(Buffalo Springfieldはこの直後に解散)。4月に発売されたシングル「Friends」は全米第47位、6月に発表されたこのアルバムはさらに下回り全米第126位と、アメリカでの人気は急激に下降してしまいます(対してイギリスでは第13位のヒットを記録)。

 当時のアメリカはベトナム戦争の激化や不吉な事件が相次ぎ、音楽シーンでは大音量で刺激的なRockが全盛の時代。そんな中で制作されたこのアルバムは、それとは対極のピースフルな世界。キャッチーなヒット曲を探す感覚で聴くとあまりピンと来ないと思いますが、「Anna Lee,The Healer」という曲まで入っているように、ほぼ全体を通して"癒し系"とでも呼べそうな、穏やかでリラックス・ムードに溢れたサウンドがこのアルバムの最大の魅力(関連書籍で「癒し系と呼ぶのはどうか」的なレビューを読んだ事もありますが、彼らの音楽の一要素でもありますよね…)。この独特な雰囲気はブライアンのアレンジやビーチ・ボーイズの器量によるものも大きいですが、1968年2月、マイク・ラヴがビートルズと共にインドへ瞑想旅行へ向かった事も少なからず反映されていると思います(ビートルズの場合は「Dear Prudence」辺りに表れていましたが、反面「Sexy Sadie」という曲も書かれていたり・・・)。

[収録曲]

 収録曲の大半はブライアンが他のメンバーと共作したもの。マイクが歌い始めたと思ったらあっという間に終わる1「Meant For You」で幕を開け、ワルツのリズムと浮遊感のあるコーラスが魅力的な2「Friends」へ。以降、前作では鳴りを潜めていたハーモニーも戻り、3,4では随所で細かい工夫が。アナログ盤A面ラストだった6「Passing By」は歌詞はなく、ブライアンのハミングのみにも関わらず不思議な魅力を感じさせる曲。1996年にはPizzicato Fiveが『フリーダムのピチカート・ファイヴ』でカヴァー。

 B面ではデニス・ウィルソンが初めて作曲を手掛け、2曲を提供。シングルのB面にもなった8「Little Bird」では間奏からエンディングにかけ、さりげなく"SMiLE"時代を彷佛とさせるアレンジが登場する(チェロ=My Only Sunshine→ミュート・トランペット&スネア・ドラム="Child Is Father Of The Man"→バンジョー="Cabin Essence"という感じで)。9「Be Still」はオルガンのみで歌われている繊細なナンバー。

 デニスに続いて、今度はブライアンがメインの2曲が。10「Busy Doin' Nothin'」は歌詞というより日記やblogのような言葉が綴られた、ボサ・ノヴァ調の曲。11「Diamond Head」はハワイアン気分が味わえるラウンジ風のインストゥルメンタル。

 そんな心地いい癒し空間も、ジャズ・バンドにサイケデリックをやらせたような12「Trascendental Meditation」で賑やかに幕を閉じる。なんとも意外なエンディング。中には違和感と空気をぶち壊されてムッとする方もいるでしょう。音だけで判断すると無理もなく。しかし、日本人にとっては外国語故に気付きにくい部分ですけど・・・"我に帰る"という意味ではこれで良かったのでは…(笑)。アルバムにこういう「オチ」がポツンと入っているのも、一筋縄ではいかないビーチ・ボーイズならでは。
[おまけ1:YouTubeより]

🔵アルバム『Friends』の様々な盤を紹介した動画で、『Wild Honey』と同じ投稿者によるものです。「Diamond Head」がカットされて「Good Vibrations」に差し替えられた盤があるとは。

🔵「Friends」のPV。

🔵ブライアンのソロ・ライヴより「Wake The World」「Busy Doin' Nothin'」(2015年7月12日)。
[おまけ2:別ヴァージョン/別テイク]

 アルバム収録曲の別ヴァージョンについて、個人的に把握している範囲内でまとめてみました。先に触れると、CDの1990年リマスター音源は、左右の幅を中央寄りに調整してあり、これも別ミックス扱いするとややこしくなるので対象外にしました。

Meant For You

1 : Stereo Mix

 一般的に流通しているステレオ・ミックス。

2 : Alternate Version

 2013年になって発掘された別ヴァージョン。いきなりマイクの歌から始まり、オリジナル版ではフェイド・アウトするコーラス部分の後に続きが。24秒目からオルガンが右から中央に移動し、これまで含まれていなかったブライアンのリード・ヴォーカルと歌詞が登場する。曲の長さも1分49秒と、オリジナル版よりも長い。
(収録CD)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

Friends

1 : Mono Single Version

 シングル盤に収録されていたモノラル・ミックス。音がモノラルになっている以外にステレオとの大きな違いはなし。1993年に日本で企画された3枚組ボックス・セットで初CD化。
(収録CD)
◉『ビーチ・ボーイズ・US シングル・コレクション』(1993年/2015年)

2 : Alternate Mono Version

 こちらもモノラルですが、全体的にピッチ(テープ・スピード)がやや遅いほか、前半11秒と、歌詞の3番(You told me when my...♪付近)のリード・ヴォーカルの歌い方が異なります。このヴァージョンはDVD『エンドレス・ハーモニー』の"5 BONUS DVD VIDEO CLIPS"で聴く事が出来ます。

3 : Stereo Mix

 一般的に流通しているステレオ・ミックス。

4 : a cappella version

 2011年、東日本大震災へのチャリティを目的として制作された7インチ・シングル「Don't Fight The Sea」のカップリングとして収録されたア・カペラ・ヴァージョン。

Wake The World

1 : Mono Single Version

 シングル盤に収録されていたモノラル・ミックス。音がモノラルになっている以外にステレオとの大きな違いはなし。1993年に日本で企画された3枚組ボックス・セットで初CD化。
(収録CD)
◉『ビーチ・ボーイズ・US シングル・コレクション』(1993年/2015年)

2 : Stereo Mix

 一般的に流通しているステレオ・ミックス。

Little Bird

1 : Mono Single Version

 シングル盤に収録されていたモノラル・ミックス。音がモノラルになっている以外にステレオとの大きな違いはなし。1993年に日本で企画された3枚組ボックス・セットで初CD化。
(収録CD)
◉『Single Collection』(1993年/2015年)

2 : Stereo Mix

 一般的に流通しているステレオ・ミックス。

Busy Doin' Nothin'

 これは別ヴァージョンではなく指摘という事で。この曲が収録されている一部のCDで、"Mono"または"疑似ステレオ"との表記されているものがありますが、すべてステレオ・ミックスで収録されています。全体的にサウンドが中央に集中しており、楽器があまり左右に広がっていないためにそう判断されてしまったのでは(推測)。ちなみに左にはエレクトリック・ピアノらしき音と残響音が流れ、右から低音を鳴らしている楽器(?)が聞こえます。

Trascendental Meditation

1 : Stereo Mix

 一般的に流通しているステレオ・ミックス。

2 : Instrumental Track

 2013年になって発掘された、ヴォーカルなしのバッキング・トラック。
(収録CD)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)
[CDについて]

 本作は過去に複数CD化されていますが、ここでは2001年までに発売されたものの中からいくつかをご紹介します。

[1 : 1989年日本盤]

『フレンズ』((日本盤)東芝EMI CP21-6014)

◎1989年に東芝EMIの廉価版CDシリーズ"PASTMASTERS"の一環として発売。この時が世界初CD化でした。ボーナス・トラックは無し。解説(1977年7月発売のアナログ盤からの転載)・歌詞付き(対訳はなし)。裏ジャケットは海ではなくメンバーの写真になっています。

[2 : 2 in 1 CD]
(1990年日本盤)

(2001年輸入盤)

『Friends & 20/20』(1990年アメリカ盤=Capitol CDP 7 93697 2/2001年アメリカ盤=Capitol 31638)

Track 1〜12・・・『Friends』
Track 13〜24・・・『20/20』
(Bonus Tracks)
25. Break Away
26. Celebrate The News
27. We're Together Again (Previously Unreleased/Mono)
28. Walk On By (Previously Unreleased/Mono)
29. Old Folks At Home/O'l Man River (Previously Unreleased)

◎1990年に『20/20』とのカップリング(2 in 1形式)で発売されたCDで、その後2001年に再度リマスターされて再発売。ちなみに両者でマスタリングが異なり、1990年盤は左右の音がやや中央に寄せられ、ノイズ除去が強くかけられています。
ブックレットには英文ライナーと写真を掲載。2001年盤は1990年盤からの複写のため、写真や色付き文字がややぼやけ気味なのが特徴。

(1990年盤と2001年盤の主な見分け方)

🔵1990年盤はCD番号が"CDP"で始まる。2001年盤は数字のみ。
🔵1990年UK盤CDはデザインがやや異なり、ジャケット上部に"TWO GREAT ALBUMS ON ONE CD"の表記がある。
🔵1990年日本盤はジャケットのデザインが異なる。
🔵1990年盤をお探しの方は『ビーチ・ボーイズ・ヒストリー・ボックス VOL.3』(TOCP-7767〜69)で揃えるという手もあります。
🔵2001年盤はCDのトレーに挟まっている、砂浜の写真が載っている曲目表に小さくアルバム・ジャケットが掲載されている。

(Bonus Tracks)
25. Break Away

 1969年6月にシングルA面として発表された曲で、オリジナル・アルバム未収録(全米第63位/全英第6位)。ブライアンと父のマリー(クレジットはReggie Dunbarという変名を記載)との唯一の共作で、ヴォーカル・パートはカール、マイク、アル、ブライアンが交互に歌う。この曲はイギリスではヒットしたものの、アメリカや日本では恐らく『Spirit Of America』(1975年/全米第8位)に収録されるまで存在が知られていなかったのでは…。ベスト盤にもあったりなかったりで、聴き逃すには惜しい曲。

(各種ヴァージョン)
1 : Stereo Mix

 一般的に流通している、オリジナルのステレオ・ミックス。
(主な収録CD)
『Spirit Of America』
◉『ビーチ・ボーイズ・ボックス~カリフォルニアより愛をこめて~』(1990年)
『ビーチ・ボーイズ・US シングル・コレクション』(1993年/2015年)
◉『ベスト・オブ・ザ・ビーチ・ボーイズ』(1996年)
◉『ザ・グレイテスト』(1998年)
◉『グレイテスト・ヒッツ 2 1966-1969』(TOCP-65728/2001年)
◉『The Very Best Of The Beach Boys』(2001年)

2 : Stereo Mix(2)

 これはいちいち分類しなくてもいいのでは…なものですが、出だしで一瞬出てくる「ヒッ!!」という誰かの声がカットされている…ただそれだけの違い(笑)。ボックス『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)が初出で、この音源を基にした編集盤CDにはこれが収録されています。
(主な収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)
◉『Greatest Hits』(1998年)

3 : Mono Mix

 モノラル・ミックスですが、恐らくステレオ・ミックスをモノラルに変換したものと思われます。しかも出だしの「ヒッ!!」の部分はカットされた上、ドラムが一音欠落しているという…。
(収録CD)
◉『Summer Dreams』(1990年)

4 : Demo

 ブライアンが一人で仮歌を歌っているDemo Version(モノラル)。演奏自体はシングルと同一テイクで、ピッチはやや遅め。
(収録CD)
◉『Endress Harmony』(1998年)

5 : Alternate Version(1)

 2001年に登場した別ヴァージョン。主な特徴は以下の通り。
🔵冒頭でカウントが入る。
🔵歌詞の一番をブライアンが歌っている(シングルではカール)。
🔵エンディングでシングルには含まれていない歌詞が登場する。
(収録CD)
◉『ホーソーン、カリフォルニア-伝説が生まれた場所(レア・トラックス)』(2001年)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

6 : Alternate Version(2)

 これも些細な違い。5のAlternate Versionとほぼ同一ですが、カウントがカットされている。
(収録CD)
◉『the warmth of the sun』(2007年)

26. Celebrate The News

 「Break Away」のカップリング曲で、デニス・ウィルソンと友人のGregg Jakobsonとの共作。サイケ風のメロディと力強いサウンドに乗せ「人生が好転した」と歌っている。リード・ヴォーカルもデニス。
(収録CD)
◉『Friends/20/20』(1990年/2001年)
◉『フレンズ』(2001年/2016年日本盤)
◉『ビーチ・ボーイズ・ボックス~カリフォルニアより愛をこめて~』(1990年)
◉『ビーチ・ボーイズ・US シングル・コレクション』(1993年/2015年)
◉『レアリティーズ&ビーチ・ボーイズ・メドレー』(TOCP-3329/1997年)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

27. We're Together Again (Previously Unreleased/Mono)

 1968年9月録音の未発表曲で、Ron Wilsonというシンガーとブライアンの共作。ヴォーカルはブライアンとカール。

(各種ヴァージョン)
1 : Mono Mix

 1990年に発表されたモノラル・ミックス。この曲の入ったCDの大半はこれで収録されています。
(収録CD)
◉『Friends/20/20』(1990年/2001年)
◉『フレンズ』(2001年/2016年日本盤)
『カリフォルニア・フィーリン~ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ』(2002年)

2 : 2012 Stereo Mix

 ボックス・セット『Made In California (カリフォルニアの夢)』でステレオ・ミックスが登場。ヴォーカルやストリングスが左右に広がっている。
(収録CD)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

28. Walk On By (Previously Unreleased)

 1968年5月26日録音の未発表音源。バート・バカラック&ハル・デヴィッド作で、ディオンヌ・ワーウィックが1964年にヒットさせた曲のカヴァー。といっても非常に短く、歌詞の一番のみ歌って曲が終わる(註:歌詞の"And I start to cry each time we meet"の赤字部分が欠落していますが、マルチ・トラック・テープの段階でそうなっていたと思われる)。ヴォーカルはブライアンとデニス。フェイド・アウト真際のハーモニーは必聴。
(収録CD)
◉『Friends/20/20』(1990年/2001年)
◉『フレンズ』(2001年/2016年日本盤)

29. Old Folks At Home/O'l Man River (Previously Unreleased)

 こちらも1968年5月26日録音の未発表音源。ピアノの前奏「Old Folks At Home(=Suwanee Ribber)」はStephen Fosterが1851年に書いた曲。後半の「Ol' Man River」はミュージカル『Show Boat』(1927年)挿入歌で、Cilla BlackやJeff Beck等、大量のカヴァーが存在するスタンダード・ナンバー。

(各種ヴァージョン)
1 : Stereo Mix

 1990年に発掘されたオリジナル・ミックス。

2 : Old Man River (vocal section)

 2001年に発掘された音源で、1とは別テイク(1968年6月録音)。オルガンが少し出てくる以外はアカペラで歌われています。
(収録CD)
◉『ホーソーン、カリフォルニア-伝説が生まれた場所(レア・トラックス)』(2001年)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)


🔵Brian Wilsonのソロ・ライヴ(2013年7月26日)より「Old Folks At Home/O'l Man River」。この後「Cottonfields」「Little Bird」も演奏されています。

[3:1997年日本盤]

『フレンズ』((日本盤)東芝EMI TOCP-3325)

◎1997年9月に発売された日本盤CD。1990年リマスター音源、ボーナス・トラックは無し。歌詞・対訳・解説書付き。

[4:1998年紙ジャケット仕様日本盤]

『フレンズ』((日本盤)東芝EMI TOCP-50862)

◎1998年7月に発売された紙ジャケット仕様のCD。1990年リマスター音源、ボーナス・トラックはなし。歌詞(対訳はなし)・解説書付。なお2008年再発盤は帯のデザインが変更されています。

[5 : 2001年日本盤]

『フレンズ』((日本盤)EMI Music Japan TOCP-53173)

Track 1〜12・・・The Original Stereo Album
(Bonus Tracks)
13. We're Together Again (Previously Unreleased/Mono)
14. Walk On By (Previously Unreleased/Mono)
15. Old Folks At Home / Ol' Man River (Previously Unreleased)

◎2001年6月に発売された日本盤。ちなみに同じ内容で帯のデザインや価格を替え、何度か期間限定で再発売されています。

🔵2001年リマスター音源。
🔵ボーナス・トラック3曲収録(CD『Friends/ 20/20』より)。
🔵歌詞・対訳・解説書付。

[6:2016年SHM-CD日本盤]

『フレンズ+3』((日本盤)ユニバーサル・ミュージック UICY-25598)

Track 1〜12・・・The Original Stereo Album
(Bonus Tracks)
13. We're Together Again (Previously Unreleased/Mono)
14. Walk On By (Previously Unreleased/Mono)
15. Old Folks At Home / Ol' Man River (Previously Unreleased)

◎2016年4月6日に発売予定の再発盤。2001年盤と同内容で、盤はSHM-CDになります。
(主な特徴)
🔵SHM-CD
🔵2001年リマスター音源。
🔵ボーナス・トラック3曲収録(CD『Friends/ 20/20』より)。
🔵歌詞・対訳・解説書付。
[配信版]

🔵 iTunes Music Store配信版

🔵 Amazon MP3版

🔵 moraハイレゾ版 (2015年8月21日発売)
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(作成:2001年/更新:2008年8月14日,2012年4月19日,2013年8月30日,2015年10月16日,2016年2月14日,3月5日)
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