The Beach Boys : Surfin' Safari (1962)


1. Surfin' Safari (Album Version)
2. County Fair
3. Ten Little Indians
4. Chug-A-Lug
5. Little Girl (You're My Miss America)
6. 409
7. Surfin' (Album Version)
8. Heads You Win, Tails I Lose
9. Summertime Blues
10. Cuckoo Clock
11. Moon Dawg
12. The Shift

[様々な要素を吸収して誕生した、アメリカを代表するポップ・グループ]

 The Beach Boysはカリフォルニア出身のバンドで、ブライアン・ウィルソン(b,k,vo)、デニス・ウィルソン(d,vo)、カール・ウィルソン(g,vo)の3人兄弟に、ウィルソン家の従兄弟のマイク・ラブ(vo)、ブライアンの同級生アル・ジャーディン(g,vo)によって1961年12月8日、インディ・レーベルから「Surfin'」でデビュー。サーフィンやホット・ロッドを歌詞の題材に「Surfin' Safari」「Surfin' U.S.A.」等のヒットを連発。人気グループとなります。

 彼らのサウンドは主にブライアンが好きなジャズ・ヴォーカル・グループのハーモニー、マイクが好きなR&Bやドゥー・ワップ、カールが好きなロックン・ロール、アルが好きなフォーク等をブライアンが独自のアレンジでブレンドしたもので、これがビーチ・ボーイズの音楽的な基本スタイルとなります。

[60年代前半のアメリカの音楽シーン]

 彼らが登場した頃のアメリカの音楽シーンはというと、50年代後半に一世風靡したロックンロールが様々な理由によりなりを潜め、代わって専業作曲家が書いたポップスやガール・グループが流行。インストゥルメンタル・グループでは現在も活動中のThe Venturesや、サーフィン・インストの代表格Dick Dale等が活躍していました。

[レコード・デビューと予期せぬグループ名変更]

 そういった中からビーチ・ボーイズはカリフォルニアから登場します。が、実は彼らははじめからビーチ・ボーイズと名乗っていたわけではありませんでした。元々はマイク・ラヴの提案でペンデルトーンズというグループ名でした。ところがレコード会社の営業マンが商業的な発想で、バンドに無断で"The Beach Boys"と命名しレコードにクレジットしてしまいます。

 事前に何も知らされていなかったグループやマリー・ウィルソン(ウィルソン兄弟の父親でバンドの初代マネージャー)は当然驚いてレコード会社に講議をするものの、「レコードは既にプレスされて出荷している」とゴリ押しされ、結果、この"The Beach Boys"という名前のまま現在に至る・・・と、こんなワケありな出来事がありました。

 当時サーフィン・インストものはいくつもありましたが、歌が付いたものは少数で珍しかったようで、結果的に全米第75位にランク・イン。そして翌1962年、アル・ジャーディンが学業に専念するために一時脱退、デヴィッド・マークスの加入というメンバー・チェンジを経て、大手キャピトル・レコードと契約。シングル「Surfin' Safari」でメジャー・デビュー。全米第14位のヒットを記録します(この曲は後にラモーンズがカヴァー)。

[収録曲]

 そして「Surfin' Safari」のヒットを受けて製作されたのがこのデビュー・アルバム(1962年10月発表/全米第32位)。プロデュースはキャピトルの社員で元歌手のNick Venetが担当。カヴァー曲以外の作曲はブライアン、作詞はマイクの他に、ブライアンの近所に住んでいたゲイリー・アッシャー(ミュージシャン/プロデューサー)が担当。

 全編を通して軽快なビート・ナンバーが多いのが特徴。元々歌うのが最初で楽器を扱うのは殆ど後からという成り立ちのバンドだったためか演奏面で未熟な面があったり、コーラスもマイク・ラヴの存在が目立つ程度で、後々と比べるとまだ控えめな印象。

 デビュー曲の7「Surfin'」はシングル・ヴァージョンそのままではなくピッチをやや上げての収録。「Surfin' Safari」のカップリング曲だったカー・ソング6「409」で聞ける車のSE音は深夜にウィルソン家前の路上で録音したもの。

 3「Ten Little Indians」は童謡をロックン・ロールにしたもので、何故かシングル・カット(全米第49位)。5「Little Girl (You're My Miss America)」もカヴァー曲で、アルバム中唯一のデニスのヴォーカル。

 9「Summertime Blues」は後にThe Whoのヴァージョンがお馴染みとなるエディ・コクランのカヴァーで、2005年のFuji Rock Festivalでもアレンジを替えて演奏していました。
[おまけ : 別ヴァージョン/別ミックス]

 アルバム収録曲のヴァージョン/ミックス違いを、個人的に把握している範囲内でご紹介します。で、いざまとめてみたら、非常に厄介で混乱気味な状況で(苦笑)。これから聴く方はあまり気にせず追求も程々がいいような…。

 アルバム『Surfin' Safari』はモノラルでミックスされ、Capitol/EMI系列からリリースされたCDは全てモノラル・ミックスで収録されています。近年は第三者のマイナー・レーベルから疑似ステレオで発売されたものも見かけますが、さらなる混乱を招く恐れがあるため、ここではモノラル・ミックスを基準に話を進行していきます。

Surfin' Safari

1 : Album Version

 まずは耳タコで一般的に流通しているアルバム・ヴァージョン。大半のベスト盤はこのヴァージョンで収録されています。

2 : Mono Single Version

 1962年6月にCapitolからリリースされたシングル盤は、1のヴァージョンよりも深いエコーがかけられています。1993年に日本企画の3枚組ボックス・セットでCD化されています(アナログ盤から起こされたもの)。
(収録CD)
『シングル・コレクション』(1993年)

3 : Original Mono Long Version

 1993年発表のボックス・セットで発表された別ヴァージョンで、フェイド・アウトせずに完奏する。元々この曲と「409」「Lonely Sea」「Their Hearts Were Full Of Spring」の4曲は1962年4月、マリー・ウィルソンがキャピトル・レコードとの契約を取り付けるために録音したデモ・テープで、契約成立後に再録音は行なわれず、このデモ・テープから2曲がシングルに、『Surfin' U.S.A.』に「Lonely Sea」が使われる事になります。
(収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

4 : Previously Unissued Take

 キャピトル契約以前の1962年2月8日に録音されたテイク(いわゆる"モーガン・テープ"もの)で、1991年になって発掘されたもの。リリース版とは歌詞の一部が異なる。
(主な収録CD)
◉『Lost & Found 1961-1962』(1991年)
◉『スタジオ・セッションズ61~62』(2000年)

5 : Take 5

 4と同じく"モーガン・テープ"からのテイクで、キャピトル以外からリリースされていたアルバムにも頻繁に収録されていたもの。疑似ステレオ化されたものもありますが、オリジナル・モノ・マスターからの音源が下記のCDに収録されています。
(主な収録CD)
◉『Lost & Found 1961-1962』(1991年)
◉『スタジオ・セッションズ61~62』(2000年)
『Surfin'』(2000年)

6 : An Attempt at Overdubbing

 2トラック・ステレオ音源で、先に録音したテイク(右側/テイク数不明)に、後からリード・ギターとドラムをダビング(左側)したもの。クリックを聴きながら録音する概念がなかった時代故、後から入れたドラムがズレまくってありゃ〜ってなりますが(苦笑)、それでも何故かこのテイクがリリースされてしまった過去が。それは後程の7で。
(主な収録CD)
◉『Lost & Found 1961-1962』(1991年)
◉『スタジオ・セッションズ61~62』(2000年)
◉『Surfin'』(2000年)

7 : German Ariola Version

 同曲がキャピトルから発売されてヒットした半年後、西ドイツのレーベルAriola(現在OKAMOTO'Sが所属しているAriola Japanの大元)からリリースされた別テイクで、シングルの現物は数枚しか存在しないとか(と、関連書籍によく書いてある)。テイクそのものはfのドラムズレまくりヴァージョンで、こちらはモノラルで音質も何だか凄いものが(単純に言えば音質が悪い、良く言うとロックン・ロールな質感)。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)

8 : Overdubbed Version(?)

 これは…ハッキリ言って、酷いです。ネタと思って笑うしかないか…(苦笑)。5の"モーガン・テープ"音源に、誰かが勝手に打ち込みのサウンドをオーヴァー・ダビングしている代物で…。『Surfin' Hits』という配信版アルバムに収録されているのですが、他の曲でも打ち込みダビングが施され、「409」「Little Deuce Coupe」にいたってはビーチ・ボーイズではない誰かのインスト版で収録…なのでくれぐれもご注意を(註:2013〜4年頃に販売されていましたが、2016年3月現在は見かけなくなったため、カタログから外されたようです)。

County Fair

1 : Instrumental
2 : Overdub 2,Take 13

 この手のものにまで触れなくてもいいのでは…と思いつつ、同曲のセッション音源が2013年になってマイナー・レーベルからリリースされています。といっても音源自体は1997年頃に非公式に流出したもので、それが第三者によって勝手にリリースされてしまったものと思っていただけると…。

 この音源ではエンジニアのトーク・バックやブライアンによるカウントも未編集のまま含まれています。1はヴォーカルやオルガン等がないバッキング・トラック。2はリリース版と同一テイクですが、フェイド・アウトせずに完奏。ステレオで収録されており、配置は左=ヴォーカル、中央=ドラム、右=ギター。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)

Little Girl (You're My Miss America)

1 : Instrumental,Take 1 & 2
2 : Instrumental,Take 3-8
3 : Instrumental,Take 9-11
4 : Instrumental,Take 13
5 : Instrumental,Take 15

 これらも1997年頃に流出した音源で、同曲のバッキング・トラックのセッション風景を収録したもの。ステレオで収録されており、配置は左=ベース、中央=ギター、右=ギター。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)

409

1 : Mono Mix

 一般的に流通しているオリジナルのMono Mix。下記の例外を除いて殆どのCDに収録。

2 : Full Length Version

 1993年発表のボックス・セットで発表された別ヴァージョン(Mono)で、フェイド・アウトせずに完奏する。
(収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

3 : Stereo Extraction Mix

 2012年に初のステレオ・ミックスが登場。ただし"Stereo Extraction Mix"とのクレジットがあり、演奏が左、リード・ヴォーカルとギター・ソロは中央に配置。バック・ヴォーカルとエンジン音のSEは、特殊な処理でステレオ風に処理されています。
(収録CD)
◉『リトル・デュース・クーペ (モノ&ステレオ)』(2012年)

4 : duophonic Mix

 ボックス・セット『ビーチ・ボーイズ・ボックス~カリフォルニアより愛をこめて~』ではステレオと表記されていますが、実際には左右の音を微妙にずらした疑似ステレオで収録。
(主な収録アルバム)
◉『ビーチ・ボーイズ・ボックス~カリフォルニアより愛をこめて~』(1990年/CD)
『The Capitol Albums Collection』(2015年/iTunes Store配信版)

(YouTubeより)『Little Deuce Coupe』のステレオ盤LP収録の"409"の疑似ステレオ・ミックス。

5 : Live At Arie Crown Theater, Chicago/March 27, 1965

 このコーナーではライヴ・ヴァージョンは対象外にしているのですが、例外としてご紹介。2008年発表のシングル・ボックス・セットにボーナス・トラックとして収録されたもので(現在はiTunesの配信版でも入手可)、1965年3月27日@シカゴでのライヴ音源。モノラル・ライン録音に後からステレオ・リバーブがかけられています。

 1965年3月といえば、ブライアンがツアーを離脱した直後にあたる時期。やがてブルース・ジョンストンが合流する事になるのですが、資料をいくつか見渡すと彼の参加は1965年4月とあり、そうなるとこの音源でベースを弾いているのはグレン・キャンベルの可能性があるのですが、果たして真相は…。
(収録CD)
◉『U.S.シングル・コレクション(1962-1965)』(2008年)

6 : Live At Arie Crown Theater, Chicago/March 27, 1965 (Stereo Mix)

 例外で取り上げたつもりの音源に追記が…(笑)。上記5のフル・ステージが2015年に配信版のみで発売。その際に新たなStereo Mixで収録されています(中央=ヴォーカル/右=演奏)。
(収録アルバム)
『Live In Chicago 1965』(2015年/リンクはmoraハイレゾ版)

Surfin'

 先に…この曲は大量のヴァリエーションが存在するので、深く追求すると疲れます(苦笑)。

1 : Rehearsal

 グループ名がまだ"The Pendeltones"だった1961年9月に録音された最初期のリハーサル音源で、曲の途中までの収録。
(収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)

2 : 3701 West 119th Street,Hawthone,California:The Surfin' Reheasal

 こちらもリハーサル音源で、1とは別テイク(大元のテープは同じと思われる)。
(収録CD)
◉『ホーソーン、カリフォルニア-伝説が生まれた場所(レア・トラックス)』(2001年)

3 : Rehearsal Highlights

 2のアッブデート版と呼べそうなもので、冒頭に「California Feelin'」のヴォーカル・パートが挿入されています。
(収録CD)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

4 : Demo

 1961年9月15日にハイト・モーガン氏のスタジオで録音された初期テイク。歌と指パッチン、アコースティック・ギターのみの演奏で、リリース版とはキーが異なり、テンポも速い。
(主な収録CD)
◉『Lost & Found 1961-1962』(1991年)
◉『スタジオ・セッションズ61~62』(2000年)
◉『Surfin'』(2000年)

5 : Studio Chatter (Take 1)
6 : First Attempt (Take 2)

 1961年10月3日、彼らにとって初の正式レコーディング・セッションからの音源で、1991年になって発掘されたもの。5はTake 1ですが失敗テイク、6はTake 2でドラムが一瞬とちってOKテイクならず。
(主な収録CD)
◉『Lost & Found 1961-1962』(1991年)
◉『スタジオ・セッションズ61~62』(2000年)

7 : Master Take

 デビュー・シングルに採用されたマスター・テイク。1991年リリースの『Lost & Found 1961-1962』では冒頭(5曲目としてカウント)にスタジオ・ブースのアナウンスも収録。空耳でしょうか、テイク数を言っているはずが"Pet Sounds"と言っているように聞こえる…(笑)。演奏はフェイド・アウトせずに完奏。
(主な収録CD)
◉『Lost & Found 1961-1962』(1991年)
◉『スタジオ・セッションズ61~62』(2000年)
◉『Surfin'』(2000年)

8 : Single Version

 7と同じテイクで、エンディングがフェイド・アウトしてドラムが一音消えている程度の違い。そこまで区分けしなくても良さそうですが…(笑)。なお、このシングル・ヴァージョンにエコーをかけた"疑似ステレオ・ミックス"も出回っていますが、何十年もの間複数のレーベルから乱造されている(これに配信版を加えると余計にワケが判らなくなる)ため、ここでは割愛します(いちおうこちらで試聴出来ます)。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)

9 : With Session Intro

 これもfとほぼ同じですが、冒頭に失敗テイク(5と同じ)と空耳アナウンスを加えたもの。演奏はフェイド・アウトはしていますが完奏する。
(収録CD)
◉『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(1993年)
◉『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)

10 : Album Version

 テイク自体はシングル・ヴァージョンと同じですが、アルバム『Surfin' Safari』に収められた際にテープ・スピードが上げられています(注 : 過去に発売されたCDの英文ライナーでは、アルバム用に再録音されたとの記述がありましたが、実際にはシングルと同じテイク)。ちなみにアルバムではモノラルで収録されていますが、配信版では音を左右に微妙にずらした疑似ステレオ・ミックスもリリースされています(こちらで試聴出来ます)。
(主な収録CD)
◉『Surfin' Safari』(過去に発売された全てのCD)
◉『ビーチ・ボーイズ・ボックス~カリフォルニアより愛をこめて~』(1990年)
◉『シングル・コレクション』(1993年)
◉『グレイテスト・ヒッツ1 1962-1965』(2001年)

11 : Overdubbed Version(?)

 こういうものは本来紹介しなくてもいいような…と思いつつ、「Surfin' Safari」でも触れましたが、シングル・ヴァージョンの上から(勝手に)打ち込みのサウンドがオーヴァー・ダビングされた酷いヴァージョンで…。しかも収録されているアルバム(試聴用にリンク貼ってみます)が"ライヴ盤"になってるっていう…何なんだこれは…(苦笑)。配信ものでこうした打ち込みダビングものが出回っていますのでくれぐれもご注意を。

12 : 1992 Version

 デビューから約30年後に録音されたリメイク・ヴァージョンで、ワケあってブライアンは不参加。モノラルのテープ・レコーダーとシンプルな演奏だった1961年版から一転、打ち込みによるバッキング・トラックにデジタル・ハードディクス・レコーディングへと、時代の変化を実感させられるのがこの90年代版。
(収録CD)
◉『サマー・イン・パラダイス』(1992年)

Heads You Win, Tails I Lose

1 : Overdub 1,Take 13
2 : Overdub 1,Take 14
3 : Overdub 1,Take 17

 こちらも1997年頃に非公式に流出したもので、ヴォーカル・トラックの録音風景。エンジニアのトーク・バックやブライアンによるカウントも未編集のまま含まれています。ステレオで収録されており、配置は左=ヴォーカル、中央=ベース、右=ドラム、ギター。1(Take 13)は途中で誰かが咳き込み、マイクが何やら話し出して終了、2(Take 14)は途中で終了、3(Take 17)はリリース版と同じテイクで、フェイド・アウトせず完奏。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)

Summertime Blues

1 : Instrumental Takes 1 & 2
2 : Instrumental Take 3
3 : Instrumental Take 4
4 : Overdub 1, Takes 5 & 6
5 : Overdub 1, Takes 6 & 7
6 : Overdub 1, Take 8
7 : Overdub 1, Take 9
8 : Overdub 1, Take 10
9 : Overdub 1, Take 11
10 : Overdub 1, Take 12

 こちらも1997年頃に非公式に流出したもので、1〜3はバッキング・トラック、4〜6はヴォーカル入れ。エンジニアのトーク・バックやブライアンによるカウントも未編集のまま、ステレオで収録されています。ヴォーカル入れは初期テイクでは一人で歌っていたり、テイクが重なる毎にハモリが付いたりバック・コーラスが付く等の変化の過程が聴けます(…って、続けて聴いて楽しいかはその人次第)。Take 12がリリース版と同じテイクで、フェイド・アウトせずいきなり終る。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)

Cuckoo Clock

1 : Instrumental
2 : Overdub 2, Take 12

 こちらも1997年頃に非公式に流出したもので、エンジニアのトーク・バックやブライアンによるカウントも未編集のまま、ステレオで収録されています。1はバッキング・トラック、2はリリース版と同じテイクで、フェイド・アウトせずいきなり終る。
(収録CD)
◉『Surfin' 1962』(2013年)
[CDについて]

※ アルバム『Surfin' Safari』はこれまでCapitol(またはEMI系列)から複数CD化されていますが、2012年頃から一部の国でのパブリック・ドメイン化の影響で、見知らぬメーカーからジャケットやタイトルを替えたCDやDL配信版が多数発売され、これにより市場が混乱気味になった上、音質に難のあるものも出回っています。

誰が何を買おうと人の勝手だろ…と言われればそれまでですが(笑)、下手に変なものに手を出すより、正規メーカー品を選ぶのが無難です。もしどれを買えばいいか判らない場合、下記のメーカーやレーベル名の表記がある正規品をオススメします。
(輸入盤CD)
●「Capitol Records」「EMI」または「Universal」の文字があるもの。
(日本盤CD)
●「東芝EMI」「EMIミュージックジャパン」「USMジャパン」「ユニバーサル・ミュージック」の文字があるもの。
(輸入盤SACD)
●「Acoustic Sounds」というメーカーから発売されたSACD仕様のもの。

また、iTunesの配信版は一時期類似品が反乱していましたが、その後整理されたようで、Capitol以外の無名メーカー品は削除されています。

 …という事で、ここでは代表的なもの、あえて説明が必要なものをいくつかピック・アップしてみました。

[1:1989年日本盤]
(ジャケットありませんスミマセン)
『サーフィン・サファリ』((日本盤)東芝EMI CP21-6001)

◎1989年に東芝EMIの廉価版CDシリーズ"PASTMASTERS"の一環として発売。この時が世界初CD化でした。解説・歌詞付き(対訳はなし)。なおアメリカでのリマスター以前に発売されたものなので、ボーナス・トラックは未収録。

[2:2001年アメリカCapitolリマスター盤CD]

Surfin Safari / Surfin UsaSurfin Safari / Surfin Usa
(2001/02/17)
The Beach Boys

商品詳細を見る

『Surfin' Safari / Surfin' U.S.A.』 ((アメリカ)Capitol 72435-31517-2-0/1990年・2001年)

◎1990年に『Surfin' U.S.A.』との2 in 1で発売されたCDを、2001年に再度リマスターした再発盤。1990年版、2001年版でそれぞれ異なるマスタリングで、1990年版はノイズ除去が強くかけられた印象。ブックレットには英文ライナーと写真を掲載していますが、1990年版を複製したもので、写真や色付きの文字がややぼやけ気味なのが特徴。

 ボーナス・トラックとして「Cindy,Oh Cindy」「The Baker Man」「Land Ahoy」を収録していますが、前者2曲は1990年盤と2001年盤とで微妙に違いあり。

🔵1990年盤
「Cindy,Oh Cindy」…Mono Mix。
「The Baker Man」…Mono Mix。

🔴2001年盤
「Cindy,Oh Cindy」…ステレオ・リバーブをかけた疑似ステレオ・ミックス。
「The Baker Man」…ステレオ・リバーブをかけた疑似ステレオ・ミックス。

(1990年盤と2001年盤の主な見分け方)

🔵1990年盤はCD番号が"CDP"で始まる。2001年盤は数字のみ。
🔵1990年UK盤CDはデザインがやや異なり、ジャケット上部に"TWO GREAT ALBUMS ON ONE CD"の表記がある。
🔵2001年盤はCDのトレーに挟まっている、砂浜の写真が載っている曲目表に小さくアルバム・ジャケットが掲載されている(逆に1990年盤は無し)。
120419d.jpg
で、これがCDのトレー側の曲目表の画像。「ボーナス・トラック入りの2001年リマスター盤」を店頭で探す際に一番判別しやすい部分だと思います。これはアメリカ盤で、Amazonの画像はヨーロッパEMI盤のものでした(バーコードが右下にある)。1990年盤はジャケットの縮小写真が無く、曲名だけが書かれています。

[3:1998年日本盤紙ジャケット仕様CD]
(ジャケットありませんスミマセン)
『サーフィン・サファリ』((日本盤)EMI Music Japan TOCP-50849)

◎1998年7月に発売された紙ジャケット仕様のCD。1990年リマスター音源を使用。ボーナス・トラックはなし。歌詞(対訳は無し)・解説書付。ちなみに2008年には帯のデザインの異なる盤も発売されています(現物未確認)。

[4:2001年日本盤]

サーフィン・サファリサーフィン・サファリ
(2001/06/16)
ザ・ビーチ・ボーイズ

商品詳細を見る

『サーフィン・サファリ』 ((日本盤)EMI Music Japan TOCP-53161)

Track 1〜12・・・The Original Mono Album
(Bonus Tracks)
13. Cindy, Oh Cindy (Previously Unreleased)
14. Land Ahoy

◎2001年に発売された日本盤CD。日本盤は『Surfin' U.S.A.』との2 in 1仕様ではなく、単独のアルバムとして発売。これ以外にも帯のデザインや価格を替えたものも発売されています。詳細な解説書を読みたい場合はこちらで。

(主な特徴)
🔵2001年リマスター音源。
🔵ボーナス・トラックとして「Cindy,Oh Cindy」「Land Ahoy」を収録。
🔵情報満載な英文ライナーの対訳、日本語解説書、歌詞・対訳付。

[5:2016年SHM-CD日本盤]

『サーフィン・サファリ+2』 ((日本盤)ユニバーサル・ミュージック UICY-25587)

Track 1〜12・・・The Original Mono Album
(Bonus Tracks)
13. Cindy, Oh Cindy (Previously Unreleased)
14. Land Ahoy

◎2016年4月6日に発売予定の再発盤。2001年盤と同内容で、盤はSHM-CDになります。
(主な特徴)
🔵SHM-CD
🔵2001年リマスター音源。
🔵ボーナス・トラックとして「Cindy,Oh Cindy」「Land Ahoy」を収録。
🔵英文ライナーの対訳、日本語解説書、歌詞・対訳付。


[6:2013年Not Now Music盤]

SURFIN' SAFARI-MONO/STEREOSURFIN' SAFARI-MONO/STEREO
(2013/01/25)
Beach Boys

商品詳細を見る

『Surfin' Safari』((UK)Not Now Music NOT2CD475)

◎これ以降に紹介するCDはすべてCapitolとは無関係・・・第三者のメーカーから出されたものになります。まず最初は2013年1月にイギリスの再発盤専門レーベル、Not Now Musicから発売された2枚組CD。ネットでは発売日が1月25日や31日発売となっていますが、一部のCDショップではそれ以前から店頭に並んでおり、日本語で書かれた赤い帯が付けられています(ただし日本語解説書はなし。ジャケット裏部分には英文ライナーが記載。書いている人の名前がペンネームっぽいのは気のせいでしょうか…(謎))。

 オリジナル盤とは別テイクの写真を使用したジャケット上部に"MONO & STEREO 2CD EDITION"とのクレジットあり。『Surfin' Safari』はモノラル盤と疑似ステレオ盤しか存在しないはずで(2015年1月現在)、過去に発売されたCDも全てMono Mixでした。

(Disc 1:Mono)

 オリジナル・アルバムのMono Mixを収録。が、アナログ盤から音を起こしているため、時々スクラッチ・ノイズが"ステレオ"で入り、フェイド・アウトではレコード盤の溝を通る音が聞こえる。

(Disc 2:Stereo)

 オリジナル・アルバム全曲+ボーナス・トラックとして"モーガン・テープス"から「Luau」を追加収録。パッケージのクレジットを額面通りに受け止めれば、アルバムの"ステレオ盤"がCD化されるのは今回初という事になるのですが、果たして真相は…。

 実際のところ、11「Moon Dawg」の1曲のみ疑似ステレオで(音を膨らませて加工したもの。左右に音をずらしたり、高音低音を左右に振り分けたものではないので、ヘッドホンで聴かないと判別しにくい)、それ以外はすべてモノラルで収録されており、"ステレオ盤"ではありませんでした。

 ジャケットの"STEREO"の文字に興味を惹かれるかと思いますが、出たものは全て揃えたいコレクターの方、またはジャケット写真の別テイクを眺めてニヤニヤしたい方以外は要注意&避けた方が無難なCDです(さらに2枚組のアナログ盤も出ていたとは…)。

 2012年7月にCapitol(EMI Music)からオリジナル・アルバムの一部がリマスターされた際、『Surfin' Safari』はカタログに含まれず、それがCapitolとは無関係の廉価盤レーベルから初登場というのも不自然な話で。そのつもりが無くても疑ってしまうわけで…と、このようなネガティヴな話題は極力控えたいところでしたが、被害拡大防止の意味であえて取りあげてみました。

[7:2013年Hoodoo Records盤]

Surfin' Safari + 1 Bonus trackSurfin' Safari + 1 Bonus track
(2013/06/18)
Beach Boys

商品詳細を見る

『Surfin' Safari』((EU)Hoodoo Records 263448)

◎これも近年大量発生した『Surfin' Safari』のヴァリエーションの一つ。こうしてみると、アルバム・ジャケットのアウト・フォトって結構存在するんですね…(笑)。それはともかく、これもMono & Stereo両ミックスが収録されているような表記がありますが、実際には「Moon Dawg」が疑似ステレオで他はすべてモノラルで収録されていますので注意が必要です(iTunes配信版では13〜24は"Duophonic Stereo Version"と表記されている)。こうなるともうネタでしかないというか…(笑)

 ちなみに2014年にはHoodoo Records盤に帯と解説書を付けた"輸入国内盤仕様"も発売されています。

SURFIN´ SAFARI + 1SURFIN´ SAFARI + 1
(2014/06/25)
BEACH BOYS

商品詳細を見る

『Surfin' Safari+1』((日本)Octave OTCD3901)

[8:2013年Doxy盤(LP+CD)]

Surfin' Safari [Analog]Surfin' Safari [Analog]
(2013/04/09)
Beach Boys

商品詳細を見る

『Surfin' Safari』((EU)Doxy 番号不明)

◎これも近年大量発生した『Surfin' Safari』のヴァリエーションの一つ。で、申し訳ありませんが現物を店頭で見かけただけの情報のみで書く事をあらかじめご了承ください。これはDOXYというレーベルからリリースされたアナログ盤で、CDはおまけで付いているという、近年見かける形態によるもの。A面は『Surfin' Safari』が全曲収録され、B面にはアウトテイクの「Land Ahoy」やモーガン・テープ音源からの曲を収録。

[9:"Surfin' 1962"]

SURFIN' 1962SURFIN' 1962
(2013/03/18)
THE BEACH BOYS

商品詳細を見る

『Surfin' 1962』((EU)Rock Melon Music RMMCD102)

◎このCDに関してはこちらをご覧ください。
http://benice.blog48.fc2.com/blog-entry-1414.html

[10:Surfin' The Original Beach Boys Recordings 1961-62]

Surfin' -Original..Surfin' -Original..
(2014/07/01)
Beach Boys

商品詳細を見る

『Surfin' The Original Beach Boys Recordings 1961-62』((UK)Easy Action EARS061)

◎まだまだ出る出るいつまで続くのか(笑)。2014年7月にEasy Actionというレーベルから発売されたCD。HMVのサイトによると、Disc 1がアルバム『Surfin' Safari』全曲、Disc 2が『Lost & Found』等でお馴染みのモーガン・テープ音源を収録。ちなみに紙ジャケット仕様。
[配信版]

 配信版も正規メーカー品のみをピック・アップしてみました(ものによってはCDの方が安いかも…と余計なひと言を書いてみる)。

iTunes Store配信版

● 全曲Mono Mix
● ボーナス・トラック : なし

Amazon MP3版

● 全曲Mono Mix
● ボーナス・トラック : なし

moraハイレゾ版 (2015年6月15日発売)

● 全曲Mono Mix
● ボーナス・トラック : なし
My Favorite Albumsのコーナー(目次)へ戻る。

(作成:2000年6月27日/更新:2004年8月1日,2011年11月,2012年4月19日,2013年1月17日,4月20日,6月21日,9月20,30日,2014年5月29日,2015年1月17日,6月11日,7月18日,2016年2月10日,3月5日)
関連記事
[ 2012/04/19 20:00 ] The Beach Boys関連 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://benice.blog.fc2.com/tb.php/263-f0ba9e4b