The Hollies : Sing Dylan (1969.5)


1. When The Ship Comes In
2. I'll Be Your Baby Tonight
3. I Want You
4. This Wheel's On Fire
5. I Shall Be Released
6. Blowin' In The Wind (Album Version)
7. Quit Your Low Down Ways
8. Just Like A Woman
9. The Times They Are A Changin'
10. All I Really Want To Do
11. My Back Pages
12. Mighty Quinn
Allan Clarke (vo,harp)/Tony Hicks (lead g,banjo,vo)/Bernie Calvert (b,k)/Bobby Elliott (d)/Terry Sylvester (g,vo)
Additional : Alan Parker (g/5)/Mike Vickers (Arrengement/6)/Lou Warburton (Arrengement/8,11,12)
[メンバー・チェンジを経て発表されたBob Dylanカヴァー集]
 サイケ路線を突き進めた前作『Butterfly』(1967年10月)発表後、翌1968年はしばらくポップ路線のシングルが続く。その間録音されたオリジナル曲は「Wings」がチャリティ・アルバム『No One's Gonna Change Our World』(1969年12月)に収録された以外はお蔵入りとなり(後々『Rarities』他で発掘。どれもボツにするには惜しい出来だった)、中には録音前に却下されたものも。

 次の方向性が中々定まらない中、1968年8月のセッションで録音した「Blowin' In The Wind」をきっかけにディラン・カヴァー集の案が浮上。これにより自作曲で進めたかったGraham Nashと他のメンバー間との意識の相違は決定的となり、Graham Nashは1968年12月8日のライヴを最後に脱退。予てから交流のあったDavid Crosby(The Byrds)やStephen Stills(Buffalo Springfield)と新グループ結成に動き出します。

 バンドの中心メンバーを失ったホリーズは、後任にTerry Sylvester(元Swinging Blue Jeans)を迎え、翌1969年2月にシングル「Sorry Suzanne」(英3位)をヒットさせ健在振りを示し、5月には全曲Bob Dylanナンバーによる本作を発表します(全英第3位)。

 セレクトされたのは「Blowin' In The Wind」「The Times They Are A Changin'」といった有名どころから、『Blonde On Blonde』(1966年)の3,8、その時点での新作『John Wesley Harding』(1967年12月)からの2、当時音楽出版で流通していた4,5,12など。中にはホリーズのルーツの一つ・Peter,Paul & Mary経由の7「Quit Your Low Down Ways」といった曲も。

 で、これは個人的な好みで、原曲は全て好きだというのを前提に…曲単位では既にディラン本人やThe Byrds、Manfred Mann、The Band等による素晴らしいヴァージョンを聴いている(先入観としてある?)ためか、人によってアレンジ面で好みが分かれるかもしれないです。特に6「Blowin' In The Wind」の歌謡ショー的なサウンドはどうも抵抗が…。ただ後半のストリングスを聴くと、何となく「All You Need Is Love」っぽくしたかったのかなとも思ったり…(あの曲ではMike Vickersが指揮を担当し、Graham Nashも参加していたという接点も)。

 他の曲は前出の『John Wesley Harding』にも通ずるシンプルなフォーク・ロック/カントリー・サウンドで、その上にホリーズ独特のヴォーカル&ハーモニーが加わる。なんとなく、ディランのカヴァー集という形でこの時点までのホリーズの総括を作ったようにも映ったり。完全に個人的な印象なので、他の方なら違った解釈をすると思います。

⚫️"Quit Your Low Down Ways"
[各種CD]
[198?年:"Sing Dylan"/(ドイツ盤)Polydor 837 874-2]
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●80年代に旧西ドイツで発売されたCD。ジャケット・デザインが全く異なり、1975年頃の写真が使用されています。

[1993年:"Hollies Sing Dylan"/(イギリス盤)EMI 0777 7 81330 2 5]
●1993年にイギリスEMIから発売されたCD。ボーナス・トラックとしてGraham Nash在籍時の「Blowin' In The Wind (Nash Version)」「The Times They Are A Changin' (Live)」を収録。

[1993年:"ホリーズ・シング・ディラン"/(日本盤)東芝EMI TOCP-7730]
●1993年3月24日に東芝EMIから発売された日本盤CD。音源は上記イギリス盤CDと同内容。
●解説書・歌詞付き(対訳は無し)。

[1999年:"Hollies Sing Dylan"/(イギリス盤)EMI 520 1312]

●1999年にイギリスEMIから発売されたCD。
●1999年リマスター音源。ちなみに海外の編集盤CDでは、この時のリマスター音源が流用される事が多い。
●パッケージはデジ・パック仕様。紙製で、いわゆる"紙ジャケ"とは形態も含め別物。内側にプラスチックのトレーが貼られています。

[2004年:"ホリーズ・シング・ディラン"/(日本盤)東芝EMI TOCP-67125]

Track 1〜12 : Original Album
(Bonus Tracks)
13. Blowin' In The Wind (Nash Version/Stereo Mix)
14. The Times They Are A Changin' (Live At Lewisham Odeon 1968)
15. Jennifer Eccles (Stereo Mix)
16. Open Up Your Eyes (1993 Stereo Mix)
17. Listen To Me (Stereo Mix)
18. Do The Best You Can (1993 Stereo Mix)
19. Sorry Suzanne (1993 Stereo Mix)
20. Not That Way At All (1993 Stereo Mix)
21. Look Through Any Window (Original Stereo Mix)
22. Wings (from "Rarities")
23. Relax (from "Rarities")
24. Tomorrow When It Comes (from "Rarities")
25. Like Every Time Before (1993 Stereo Mix)
26. Man With No Expression (Horses Through A Rainstorm) (1993 Stereo Mix)

●2004年3月17日に東芝EMIから発売された日本盤。
●2004年リマスター音源。
●LPのデザインをミニチュア化した"紙ジャケット"仕様。
●Chronology Part 8(1968年9月〜1969年7月までの出来事)/各曲解説/歌詞・対訳付き。
●ボーナス・トラック14曲収録。

[2005年"Hollies Sing Dylan"/(フランス盤)Magic 番号不明]

●2005年にフランスのMagicから発売されたCD。
●ジャケット・デザインが異なり、パッケージはデジ・パック仕様。
●ボーナス・トラックが収録されているようですが、詳細不明。

[2011年:20 Golden Greats+Hollies Sing Dylan/(EU盤)EMI 番号不明]

●2011年にEMIから発売された2枚組CDで、ベスト盤『20 Golden Greats』とアルバム『Hollies Sing Dylan』をセットにしたもの。
●プラ・ケース仕様。

[2014年:"ホリーズ・シング・ディラン+10"/(日本盤)Werner Music Japan WPCR-15445]

Track 1〜12 : Original Album
(Bonus Tracks)
13. Blowin' In The Wind (Nash Version/Mono Mix)
14. Stop Stop Stop (Live at Lewisham Odeon 1968)
15. Look Through Any Window (Live at Lewisham Odeon 1968)
16. The Times They Are A Changin' (Live at Lewisham Odeon 1968)
17. On A Carousel (Live at Lewisham Odeon 1968)
18. King Midas In Reverse (Live at Lewisham Odeon 1968)
19. Butterfly (Live at Lewisham Odeon 1968)
20. Jennifer Eccles (Live at Lewisham Odeon 1968)
21. Carrie Anne (Live at Lewisham Odeon 1968)
22. Blowin' In The Wind (Live Version)

●2014年1月発売の日本盤で、Parlophoneレーベル権利移行に伴いワーナーミュージックジャパンからのリリース。
●LPのデザインをミニチュア化した"紙ジャケット"仕様。
●盤はSHM-CDを採用。
●2014年リマスター音源。
●ボーナス・トラック10曲入り。13,22「Blowin' In The Wind」のMono Single MixとLive Versionは初CD化。14〜21は『The Clarke Hicks & Nash Years (The Complete Hollies April 1963 - October 1968)』(2011年)初出の1968年のライヴ音源より。
●歌詞・対訳・解説書付き。

[2016年:"Original Album Series Vol.2"/(EU盤)Parlophone 番号不明]


●2016年に発売された5枚組CDで、『Hollies Sing Dylan』が含まれています。
●装丁は"紙ジャケ風パッケージ"(日本製の"紙ジャケ"のような精巧な作りではない簡易的なもの)を詰め合わせパックにしたもの。近年、こうしたスタイルの廉価盤が各社から発売されています。
●1999年リマスター音源。

[2015年:Changin Times (The Complete Hollies - January 1969-March 1973)]

●これは例外的に。Terry Sylverster参加後の1969年〜1973年3月までの公式録音曲を網羅した6枚組CD。『Hollies Sing Dylan』からの曲も全曲収録。
●利点 : ヴァージョン/ミックスを気にしなければ音源を一気に揃えられる。
●難点 : Original Albumを曲順通りに聴けない(もしiTunesやスマホ等のデジタル・プレイヤーで聴く場合、データを取り込んだ後、手作業でアルバム名や曲順を替えたりして対処可能)。
[配信版]
🔵 iTunes Music Store / 🔵 mora
 "Expanded Edition"と題された配信版。ボーナス・トラックとして13「Blowin' In the Wind (Nash Version)」のほか、『The Clarke Hicks & Nash Years (The Complete Hollies April 1963 - October 1968)』(2011年)が初出の"LIVE AT LEWISHAM ODEON MAY 24TH 1968"から14「Stop Stop Stop」15「Look Through Any Window」16「The Times They Are A Changin'」17「On A Carousel」18「King Midas In Reverse」19「Butterfly」20「Jennifer Eccles」21「Carrie Anne」を収録。
[別ヴァージョン/ミックス]

Blowin' In The Wind

(1) : 1968 "Nash Version"/Mono Mix

 『Hollies Sing Dylan』制作以前、1968年8月14〜15日録音のオリジナル・ヴァージョン。Graham Nash在籍中だったため、通称"Nash Version"。1968年9月にドイツ盤シングル「Listen To Me」のB面でこのモノラル・ミックスが発表されています。
(主な収録CD)
『ホリーズ・シング・ディラン+10』(2014年)
『グレイテストVol.2-シングルズVol.2』(2014年)

(2):1968 "Nash Version"/Stereo Mix

🔵ドイツ盤LP『Hollies' Greatest Hits』(1968年10月)が初出の、通称"Nash Version"のステレオ・ミックス。後に『Hollies Sing Dylan』に収録されたものとは別ヴァージョン。
🔵リード・ヴォーカルが『Hollies Sing Dylan』とは別テイク。
🔵バッキング・トラックはNash Version、Album Version共に同一。
🔵バック・コーラスは中央に配置。
(主な収録CD)
『THE HOLLIES AT ABBEY ROAD 1966-1970』(1998年)
『Greatest Hits』(2003年)
『The Long Road Home 1963-2003』(2003年)
『ホリーズ・シング・ディラン・プラス』(紙ジャケ日本盤/2004年)
『Clark,Hicks & Nash Years (The Complete Hollies April 1963 - October 1968)』(2011年)

(3):1969 "Album Version"

🔵『Hollies Sing Dylan』で発表された"アルバム・ヴァージョン"。
🔵Allan Clarkeのリード・ヴォーカルが差し替えられ、節回しも若干異なる。
🔵バック・コーラスも差し替えられ、右側から聞こえる。サビで中央に移動("Nash Version"との違いが特に判別しやすい部分。"Nash Version"が中央、"Album Version"は右側と思っていただけると)。
(主な収録アルバム)
『Hollies Sing Dylan』(LP及びCD全般)
『SINGLES COLLECTION+』(オランダ盤2枚組CD/1997年)
『The Air That I Breathe』(3枚組CD/1998年)
『The Very Best Of The Hollies』(2012年)
『Changin Times (The Complete Hollies - January 1969-March)』(2015年)
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(掲載:2004年1月26日/更新: 2017年2月6日,3月23日)
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