The Hollies : 『Evolution』別ミックス盤

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『THE HOLLIES』(LP=ドイツ S*R International 76.935)

[Side 1]
1. King Midas In Reverse
2. Rain On The Window
3. Stop Right There
4. Leave Me
5. Signs That Will Never Change
6. Ye Olde Toffee Shoppe
7. Then The Heartaches Begin

[Side 2]
1. Carrie Anne
2. Lullaby To Tim
3. Have You Ever Loved Somebody
4. You Need Love
5. Heading For A Fall
6. Water On The Brain
7. The Games We Play
 今回は他の方から寄せられた資料を元に、The Holliesに関する話題をお送りします(今のところ2回の予定)。1回目は通算6枚目のアルバム『Evolution』(1967年6月発表)の別ミックスについて。

◉The Hollies『Evolution』(※リンク画像は現行LP盤)

 もうすぐ発表から50年目に突入する『Evolution』、Stereo Mixは歌と演奏が左右に分かれている事で知られていますが(註:中央に音が入っている曲もある)、今回紹介するLP『The Hollies』では、バランスの取れたミックスで収録されているとのこと。このLPはS*R Internationalというメーカーが製造したもので、(詳しくはわかりませんが)会費を払うと定期的に配布された会員制向けレコードの一つとして1967年12月頃に作られたようです。同メーカーのThe Beatles『And Now』やThe Rolling Stones『In Action』などがよく知られるところ。
[収録曲]

King Midas In Reverse

 Mono Single Versionを基に作られた疑似ステレオ版。音像は右=低音/左=高音に振り分けられ、若干2重に聞こえます。デジタル(CDや配信版)では主にMono Single Version、Original Stereo Mix、2010年版(新たにドラムを追加。『Midas Touch - The Very Best of the Hollies』で初出)が流通していますが、この疑似ステレオ版はレコードのみのようです。

Rain On The Window
Stop Right There
Leave Me
Ye Olde Toffee Shoppe
Then The Heartaches Begin
Lullaby To Tim
Have You Ever Loved Somebody
You Need Love
Heading For A Fall
Water On The Brain
The Games We Play

 そして今回の本題、『Evolution』収録曲の別ミックス。唯一「When Your Light's Turned On」未収録が惜しいですが、通常のStereo Mixとはバランスが異なります。現時点でデジタル化(CDまたは配信版)されているかは不明。

 Original Stereo Mix(基本的に右=ヴォーカル/左=演奏/中央=その他)を基に、右のヴォーカルを無加工で中央に配置、左の演奏部分は疑似ステレオ処理されています(右=中低域/左=高域。左側は微妙に音が遅れて鳴る。一部の曲でドラムがダブルトラックに聞こえるのはそのため)。元となったドイツ盤『Evolution』のマスタリングを担当したエンジニアも、恐らく臨場感のある音像にしたいと思ったのではないでしょうか。

 曲のスタイルによって印象は若干異なり、「Lullaby To Tim」は右=ベース/左=タンバリン、「Then The Heartaches Begin」は左=リード・ギター、「Have You Ever Loved Somebody」は右=ベース/左=ドラムなど、"リアル・ステレオ"っぽく聞こえる曲もあり、初めからこういう音の振り分けがされたStereo Mixで聴きたかったとも思ったり。

 ちなみに、PCソフトでヴォーカルが中央のミックスも作成可能です。右と中央の音を入れ替えるんですけど、そうすると、右側はたまにしか音が出てこなかったり、ベースが位相反転起こしたりと、中々難しい部分も・・・もし機会がありましたら是非お試しを。

Carrie-Anne

 1967年5月発表のシングル曲。この曲もOriginal Stereo Mixは右=ヴォーカル/左=演奏に分かれていましたが、同様にヴォーカルを中央に、左の演奏部分は疑似ステレオ処理されています。ヴォーカルや間奏のスティールパンは未加工、ベースが右、バンジョーは左から聞こえて、バランスが取れて分厚い音像が印象的です。こちらも過去にデジタル化されているかは不明。

余談 : 最近、ザ・なつやすみバンドの「Odyssey」という曲を聴いていて、ポップな曲調にスティールパンの音が入っていてお気に入りの一曲になっているんですけど、あ、そういえば「Carrie-Anne」にもスティールパンが出てきたなぁ…と思っていた矢先に今回の話が舞い込んできて。何故かこういうSynchronicityが時々起こる・・・(笑)。点と点が線で結びついた感覚。
(その他の収録アルバム)
『Hollies' Greatest Hits』(LP=ドイツHANSA 78575 IT/1968年10月)

Signs That Will Never Change

 シングル「Carrie-Anne」のカップリング曲で、個人的にはこの音源が最大の謎かも。この曲も同じく、ヴォーカルは中央、演奏部分は疑似ステレオ処理されています。それなら「右=ヴォーカル/左=演奏」のStereo Mixが存在するはずですが、調べた限りでは発表された形跡がなく。変則的なミックスとはいえ、Stereo Mixの初出はこの盤の可能性が。これを仮に"German Stereo Mix"として、2つめのStereo Mixは『30th Anniversary Collection』(3枚組CD/1993年)、そして『The Long Road Home 1963-2003』(6枚組/2003年)が3つ目のStereo Mixになりそうです。
(その他の収録アルバム)
『Hollies' Greatest Hits』(LP=ドイツHANSA 78575 IT/1968年10月)

 ・・・ということで、いつもの拙い文体でお送りしましたが(汗)、60〜80年代に出されたLPと、CD化以降のデジタル時代で音源が共通するとは限らないため(デジタル化の際にオリジナル・マスターの再検証が行われ、整理整頓される場合がある)、手持ちのものに意外なものが入っていた・・・というパターンが今後も出てくるのではないでしょうか。The Holliesの60年代音源もまだまだ謎や不明な点が多く、また何か見つけたり、情報が入り次第お伝えしたいと思います。そして、資料&情報提供者の方へ改めて感謝を。

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🔵資料:ジャケットの表・裏面とレーベルの画像。ジャケットは西ドイツ製、盤はオランダ製。
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[ 2017/01/22 19:11 ] The Hollies | TB(0) | CM(0)

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