The Zombies Part 3 : R.I.P.


R・I・P・プラスR・I・P・プラス
(2000/10/25)
ザ・ゾンビーズ

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1.She Loves The Way They Love Her
2.Imagine The Swan
3.Smoky Day
4.Girl Help Me
5.I Could Spend The Day
6.Conversation Off Floral Street
7.If It Don't Work Out
8.I'll Call You Mine
9.I'll Keep Trying
10.I Know She Will
11.Don't Cry For Me
12.Walking In The Sun
[未発表アルバムの初単独CD化]

◎1969年に製作されながらも未発表に終わったアルバム『R.I.P.』が、2000年になって日本のテイチクから初めて単体のアルバムとしてCD化されています。音源自体は過去に様々な編集盤に収録され、1997年にボックス・セット『Zombie Heaven』にまとめられましたが、当初予定されていた曲順でリリースされるのはこの日本盤が初めて。ジャケットは元々存在しないため、日本独自のデザインが使用されています。

 何故このような音源が残っているのか…はやはり、1968年にアメリカで「Time Of The Season」が予期せぬ大ヒットをしたのが事の始まり。この機を逃すまいと、当時の所属レーベル・CBSが新曲を要請。しかし当のThe Zombiesは既に解散、ロッド・アージェントは新バンド"Argent"を始動させたばかり。結局妥協案として1968年12月、Argentのメンバー4人とクリス・ホワイト、さらにこの時ミュージシャンを引退していたコリン・ブランストーンを呼び戻して追加レコーディングを行ない曲を完成。翌1969年にシングル「Imagine The Swan」と「If It Don't Work Out」(アメリカのみ)を発表。しかしレコード会社の期待に反してヒットには至らず、『R.I.P.』と無題されたアルバムも棚上げとなりThe Zombiesの活動は終了。ロッド・アージェントはラス・バラード(g,vo/後にソロやRainbowに曲提供等で大成)、ジム・ロッドフォード(b/後にThe Kinksに参加)、ボブ・ヘンリット(d/同じく後にThe Kinksに参加)と共にArgentを結成。よりパワフルで実験的なサウンドを追求します。

 で、その後『R.I.P.』収録予定曲はどうなったかというと、1973年に『Time Of The Zombies』をはじめとする編集盤に小出しに発表されたほか、コリン・ブランストーンのソロ・アルバム『One Year』(1971年)の収録曲として日の目を見ています。
[追記:一旦休憩して、ちと余談]

🔴ここまで読んだ後、次にこちらのリンク先を読んでいただきたいなぁと…。何かしら気づいていただけたらと思いまして…。
http://www.amazon.co.jp/review/RP8N18772SZVR/ref=cm_cr_rdp_perm?ie=UTF8&ASIN=B00005B0PU(追記:2015年12月8日/期間限定掲載。)
[収録曲]

1.She Loves The Way They Love Her

 Rod ArgentとChris Whiteの共作とされている曲で、実際にはRod Argentが中心に書いたものと思われます(1968年後半からどちらか一方が書いても作者が2人名義のものが増える)。1968年12月16日に後のArgentとなるメンバーで録音されながらも当時はお蔵入り。1973年発表の2枚組編集盤『Time Of The Zombies』が初出。その際はMono Mixでしたが、今回は『Zombie Heaven』(1997年)からの新規Stereo Mixで収録。イントロのSEが従来のMono Mixとは異なります。

 ちなみにゾンビーズ版より先にColin Blunstoneのヴァージョンがファースト・ソロ・アルバム『一年間』(1971年)で発表され、そちらも演奏はArgentによるもの。また、The Zombies解散〜Argent結成直前の時期にあたる1968年春頃に録音されたDemo Versionが『Into The Afterlife』(2007年)に収録されています。

2.Imagine The Swan

 Rod ArgentとChris Whiteの共作とされている曲で、実際にはChris Whiteが書いたものと思われます。レコード会社の要請により「Time Of The Season」の"次のシングル"として1969年5月に発表されましたが、アメリカでは100位以下という結果に。この曲がヒットしなかった事で『R.I.P.』は未発表に終わり、Rod ArgentもThe ZombiesからArgentの活動へと移る事に。

 この曲…The Zombiesのパターンでよくありがちな、ヒットはしなかったけど曲自体は凄く良いっていう最たるもので(苦笑)、埋もれておくには惜しい一曲。ちなみにこちらも演奏は後のArgentのメンバーによるもので、従来のThe Zombiesとは印象が異なるのはメンバーの変化以前に、時代的にレコーディングが4Trackから8 Trackへと移行したのも要因なのでは。

 また、この曲にはシングル用のMono Mixを含めて複数のミックス違いが存在しますが、ここでは『Zombie Heaven』(1997年)と同じ音源での収録。


3.Smoky Day

 こちらも1曲目と同じ経緯を辿ったChris Whiteによるもの悲しい曲で、フルートのアレンジはMike Vickers(元Manfred Mann)によるもの。やはり同じくColin Blunstoneのソロ・アルバム『一年間』(1971年)のヴァージョンが先に発表され、The Zombies版は『Time Of The Zombies』(1973年)が初出。

 ちなみにこの音源も『Zombie Heaven』(1997年)に収録されていた新規Stereo Mixで、ヴォーカルは中央に配置され、リバーブが深くかけられています。従来版(Original Mix)はリバーブは浅めで、ヴォーカルは左寄りで、途中左右に広がります。ハープシコードも左右を行ったり来たりと落ち着かない&妙なミックス。

4.Girl Help Me

 Chris Whiteの作品で、元々は「Call Of The Night」というタイトルでした(Demo Versionが『Zombie Heaven』に収録)。後のArgentのメンバーによってレコーディングされたものの当時はお蔵入りとなり、1984年になってようやく発表されています(ただし初出時のStereo MixはCD化されていない模様)。90年代前半のCDではMono Mixが定番でしたが、今回は『Zombie Heaven』(1997年)からの新規Stereo Mixでの収録。

5.I Could Spend The Day

 この曲も1968年12月18日に後のArgentのメンバーによって録音されながらもお蔵入りとなり、1984年になってようやく発表されています。この曲に関してはミックスは1つしかない模様。

 ちなみにThe Zombies解散〜Argent結成直前の時期にあたる1968年春頃に録音された、ややテンポの遅いDemo Versionが『Into The Afterlife』(2007年)に収録されています。

イントゥ・ザ・アフターライフ (輸入盤 帯・ライナー付)イントゥ・ザ・アフターライフ (輸入盤 帯・ライナー付)
(2007/07/20)
ゾンビーズ

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6.Conversation Off Floral Street

 シングル「Imagine The Swan」のB面が初出のインストゥルメンタル・ナンバーで、Rod Argentのピアノとオルガン、Chris Whiteのベース、Hugh Grandy (ドラム)の3人によって1968年12月に録音。ちなみにシングルはMono Mixで、エンディングのオルガンがステレオよりも長い。この曲までが当初LPのA面でした。

7.If It Don't Work Out

 Rod Argentが1965年にDusty Springfield(60年代イギリスの女性シンガー)に提供した曲で、ゾンビーズ版も1965年7月8日にレコーディングされながらもお蔵入り。その後『R.I.P.』用にオーケストラとバッキング・ヴォーカルがオーヴァー・ダビングされ、1969年7月にアメリカでのラスト・シングルとしてリリースされています。その際はMono Mixでしたが、今回はボックス・セット『Zombie Heaven』(1997年)用の新規Stereo Remixでの収録。

 ちなみに"Orchestral Mix"と称された、オーケストラ・パートがやや強調された別ミックスが『Into The Afterlife』(2007年)に収録されています。

8.I'll Call You Mine

 Chris Whiteの作品。後期の隠れた名曲…とも言えそうですけど、元々はDecca在籍時の1966年5月に「Indication」と共にレコーディングされたもものお蔵入りとなり、約2年後の1968年4月にシングル「Time Of The Season」のB面として発表されています。

 ここに収録されたものはそのSingle Versionではなく、1968年12月頃に新たにピアノとバッキング・ヴォーカルを追加したヴァージョン。新たに加えられたピアノは左側から聞こえます(ダビング前のStereo Mixもあるので念のため書いてみる)。

9.I'll Keep Trying

 Rod Argentの作品で、元々はDecca在籍時の1965年6月24日にレコーディングされ、1968年12月に『R.I.P.』用にバッキング・ヴォーカルが追加録音されています。初出は1984年発表の編集盤LPでしたが、ボックス・セット『Zombie Heaven』(1997年)に収録されるまで何故かCD化されていませんでした。

10.I Know She Will

 Chris Whiteの作品。元々はDecca在籍時の1965年7月8日にレコーディングされ、1968年12月に『R.I.P.』用にストリングスとバッキング・ヴォーカルが追加録音されています。初出は解散後に出た『Time Of The Zombies』(1973年)。

 今回収録されたものはOriginal Mixではなくボックス・セット『Zombie Heaven』(1997年)用の新規Stereo Remix。Original Mixで左から聞こえたバッキング・ヴォーカルはやや中央寄りに移動し、音量のバランスも整えられた印象。間奏で聞こえたギターも音量が抑えられています。

 ちなみにバンド演奏部分をカットし、ヴォーカルとストリングスのみの"Orchestral Mix"が『Into The Afterlife』(2007年)に収録されています。

11.Don't Cry For Me

 Chris Whiteの作品。この曲も「I Know She Will」と同じ日にレコーディングされながらもお蔵入りとなり、1968年12月に『R.I.P.』用にストリングスとバッキング・ヴォーカルが追加録音されています。初出はアメリカでのラスト・シングル「If It Don't Work Out」(1969年7月)のB面でMono Mixでした。

 今回収録されたのはボックス・セット『Zombie Heaven』(1997年)用の新規Stereo Remix。ちょっとまだすべてを把握し切れていないのですが、どうもこの曲はモノ・ステレオ共に複数のミックスがあるようで(1990年発表の『Greatest Hits』にもモノラルでヴォーカルの大きめな別ミックスが収録されている)、それ以前のCDに収録されていたStereo Mixはイントロがフェイド・インで始まり、リード・ヴォーカルが右、バッキング・ヴォーカルが左に配置され、時々ピアノが大きくなるというアンバランスなミックスでした。

12.Walking In The Sun

 Rod Argentの作品で、元々はDecca在籍時の1964年11月25日に「Tell Her No」と共にレコーディングされたもののお蔵入りに。その後1968年12月に『R.I.P.』用にストリングスとバッキング・ヴォーカルが追加録音されたほか、当時既にバンドを脱退していたColin Blunstoneを呼び戻し、リード・ヴォーカルの差し替えが行なわれています(『Zombie Heaven』のDisc 3や『the DECCA stereo anthology』で聴けるものはヴォーカルに過剰なエコーがかけられている)。以前のCDではMono Mixが流通していましたが、今回はボックス・セット『Zombie Heaven』(1997年)用の新規Stereo Remixでの収録。

 ちなみにバンド演奏部分をカットし、ヴォーカルとストリングスのみの"Orchestral Mix"が『Into The Afterlife』(2007年)に収録されています。
[CDについて]

[2000年日本盤CD]

R・I・P・プラスR・I・P・プラス
(2000/10/25)
ザ・ゾンビーズ

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(Bonus Tracks)
13.I'm Goin' Home
14.Nothing's Changed
15.Remember You (soundtrack version)
16.I'll Keep Trying (Undubbed Version)
17.I Know She Will (Undubbed Version)
18.Prison Song ("Care Of Cell 44" backing track)
19.A Rose For Emily (Alternate Mix 1)
20.A Rose For Emily (Alternate Mix 2)
21.Time Of The Season (Alternate Mix)

◎2000年10月25日に日本のテイチク(インペリアル・レーベル)から発売された初盤CD。ボーナス・トラックの13〜21はイギリスBig Beatレーベルから発売された『Begin Here』『Odessey And Oracle』リマスター盤より。ブックレットには歌詞と全曲解説書を掲載。

[2008年日本盤CD]

R.I.P.R.I.P.
(2008/01/23)
ザ・ゾンビーズ

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◎『R.I.P.』((日)Imperial TECI-24455/2008年)

 2008年1月23日にはデジ・パック仕様で新たなアルバム・ジャケットで再発売。歌詞・解説書付きですが、解説は2000年版とは別のものに差し換えられています。

[2011:Odessey & Oracle (The CBS Years 1967-1969)]
140715e.jpg
『Odessey & Oracle (The CBS Years 1967-1969)』(CD=ドイツRepertoire REP-5182)

◎2011年にドイツのRepertoireレーベルから発売された『Odessey & Oracle (The CBS Years 1967-1969)』のDisc 2の後半に『R.I.P.』が収録されています。音源は4枚組ボックス・セット『Zombie Heaven』(1997年)より。

[2014年アメリカ盤CD]

R.I.P.R.I.P.
(2014/05/19)
Zombies

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『R.I.P.』((アメリカ)Varese Sarabande 67266/2014年)

1. She Loves The Way They Love Her
2. Imagine The Swan
3. Smoky Day
4. Girl Help Me
5. I Could Spend The Day
6. Conversation Off Floral Street
7. If It Don't Work Out
8. I'll Call You Mine
9. I'll Keep Trying
10. I Know She Will
11. Don't Cry For Me
12. Walking In The Sun
(Bonus Tracks)
13. Imagine The Swan (Mono Single Mix)
14. Smoky Day (Mono Mix)
15. If It Don't Work Out (Mono Single Mix)
16. Don't Cry For Me (Mono Single Mix)

◎2014年5月19日にアメリカのVarese Sarabandeレーベルから発売されたCD。アメリカでの単体リリースは今回が初。ジャケットはシンプルに黒地に白抜き文字(よく見ると薄らとメンバーの写真も入っている)。基本的に1997年以降のリマスター音源が使用されていますが、2「Imagine The Swan」は編集盤『Time Of The Zombies』(1973年)収録の、イントロにオルガンが重なる別ミックスで、エンディングは間髪入れず次の曲に移る。

(Bonus Tracks)
13. Imagine The Swan (Mono Single Mix)

 1969年にシングルで発表されたMono Single Version(このCDでは"Mono Single Mix"と表記)。イントロのハープシコードにオルガンが重ねられているのが特徴(といってもMono Mixだと判りにくい)。CDでは主に下記のアルバムに収録。
◉『THE SINGLES COLLECTION: As & Bs 1964-1969』(イギリスBig Beat/2000年)
◉『シングルズ A's & B's プラス』(テイチク/2000年)
◉『THE SINGLES As & Bs』(ドイツRepertoire/2002年)
◉『Odessey & Oracle (Anniversary Edition)』(ドイツRepertoire/2008年)

14. Smoky Day (Mono Mix)

 今回唯一の未発表音源で、曲の前にスタジオ内での会話が入っているMono Mix。

15. If It Don't Work Out (Mono Single Mix)

 1969年7月にアメリカでリリースされたMono Single Version(このCDでは"Mono Single Mix"と表記)。CDでは主に下記のアルバムに収録。
◉『Time Of The Season Complete Studio Recordings』 (センチュリー/1993年)

16. Don't Cry For Me (Mono Single Mix)

 アメリカ盤シングルで聴けたMono Single Mixで、どうやら今回初CD化のようです。イントロがフェイド・インで始まり、時々ピアノの音が強調されている。エンディング部分も他のミックスとは異なり、コーラスの後にピアノのサステインで曲が終わる。これと似たStereo Mixが日本盤CD『Time Of The Season Complete Studio Recordings』(1993年)に収録。

 Mono MixはドイツRepertoire2枚組CD『Odessey & Oracle (Anniversary Edition)』(2008年)にも収録されていましたが、単にStereo MixをMonoに変換した可能性も…(個人的な推測)。また、エコーの強くかかったヴォーカルが前面に出た別のMono Mixがベスト盤『Greatest Hits』(アメリカDCC/1990年)に収録されています。

●YouTubeより、「Don't Cry For Me」のMono Single Mix。
[おまけ:解散後のアルバム]

 せっかくなのでThe Zombies解散後に主要メンバーがどのような作品を発表したかを、サワリ程度ですがご紹介します。
[Argent]

 一般的にはChris Whiteが書いた「Hold Your Head Up」(1972年/全英第5位)が知られるところですが、The ZombiesからArgentへと変化する過程を感じさせられるのは1st『Argent』(1969年)と『Ring Of Hands』(1971年)でしょうか。彼らのアルバムは日本盤で紙ジャケ化されているほか、"紙ジャケ風"パッケージでまとめられた輸入盤5枚組CDで入手可能(後者は廉価盤のはずがAmazonだと高くなってますね…(冷汗)。

アージェント(紙ジャケット仕様)アージェント(紙ジャケット仕様)
(2008/06/25)
アージェント

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『Argent』(1969年)。Amazonのカスタマー・レビューがもっと後の作品の感想になってますね…(笑)


リング・オブ・ハンズ(紙ジャケット仕様)リング・オブ・ハンズ(紙ジャケット仕様)
(2008/06/25)
アージェント

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[Colin Blunstone]

一年間(紙ジャケット仕様)一年間(紙ジャケット仕様)
(2010/10/20)
コリン・ブランストーン

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 これは絶対に外せないでしょう…ということで1971年発表のソロ1作目。ストリングスをバックに歌った名曲「Say You Don't Mind」収録。


エニスモア(紙ジャケット仕様)エニスモア(紙ジャケット仕様)
(2010/10/20)
コリン・ブランストーン

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 セカンド・アルバム『Ennismore』(1972年)より、後に『As Far As I Can See』(2004年)でも再演されたラス・バラード作の「I Don't Believe In Miracles」。映像は2011年のライヴより。

(掲載:2004年2月6日/ 更新:2008年1月27日,2014年7月20日,2015年12月8日)
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[ 2014/07/18 21:03 ] The Zombies関連 | TB(0) | CM(0)

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