The Beach Boys : The Beach Boys' Party! (1965)


ビーチ・ボーイズ・パーティビーチ・ボーイズ・パーティ
(2001/06/27)
ザ・ビーチ・ボーイズ

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1. Hully Gully
2. I Should Have Known Better
3. Tell Me Why
4. Papa-Oom-Mow-Mow
5. Mountain Of Love
6. You've Got To Hide Your Love Away
7. Devoted To You

8. Alley Oop
9. There's No Other (Like My Baby)
10. I Get Around~Little Deuce Coupe
11. Times They Are A-Changin'
12. Barbara Ann (Album Version)

[スタジオ・ライヴ形式"unplugged"アルバム]

 1965年11月発表(全米第6位/全英第2位)。前2作のアルバムで音楽的に飛躍を遂げたものの、レコード会社にとっては質より売れる商品が出来ればいいようで(苦笑。とはいっても60年代当時のレコード会社全般がそういうノリでした)、9月に入り、レコード会社は年末&クリスマス・シーズンに出すためのアルバムを要求。グループにしてみれば2枚も力作を作った直後で新曲が間に合わない、それに既にクリスマス・アルバムやライヴ盤も出してしまった。

 そんな中でブライアンが思い付いた打開策として、アコースティック・ギターとベース、ボンゴ等のシンプルな編成で、ホーム・パーティー風のスタジオ・ライヴ形式のアルバムが作られる事になります。仲間を呼んで、ビールを飲んだりおつまみを食べたりしながら、好きな曲をみんなで歌ってワイワイガヤガヤという設定を作り、当時アルバムを買うとおまけで付いた特製ポテトチップス(リマスター盤CDのブックレットに写真が載っている)を食べながら、レコードを聴いてる人たちも一緒に歌えて楽しめてしまうっていう、一石二鳥なアルバム。

[メンバーの好みやルーツが伺える選曲]

 10「I Get Around~Little Deuce Coupe」を除いてカヴァー曲で占められており、彼らが学生時代に親しんだと思わしき曲や、各メンバーの好みが判るような曲が選ばれています。オープニングを飾る1「Hully Gully」はThe Olympicsというドゥー・ワップ系グループのカヴァーで、どちらかというとマイク・ラヴ寄りの選曲。1964年のライヴ盤に続いて2度目の登場となった4「Papa-Oom-Mow-Mow」は黒人ヴォーカル・グループ、The Rivingtonsによるノベルティ・ソング。脳天気でハイテンションになるにはもってこいなナンバー。

 さらにこのアルバムからThe Regentsの1961年のヒット曲(全米第13位)で、Dean Torrence(Jan & Dean)をゲスト・ヴォーカルに迎えた12「Barbara Ann」がシングル・カットされ、全米第2位/全英第3位の大ヒット。メンバーにとってこのヒットは想定外だったようですが、単純明快&理屈抜きに盛り上がれるナンバーとあってライヴの定番曲となり、翌年1966年にはThe Whoがキース・ムーンのリード・ヴォーカルでカヴァー(『A Quick One』のボーナス・トラック他に収録)。近年ではキッズ・アニメ『怪盗グルーのミニオン危機一発』の中で「Banana Song」という替え歌で親しまれているようです(最近知った)。

 他に目に留まるのは、フィル・スペクター関連でThe Crystalsの9「There's No Other (Like My Baby)」や、当時ライバル関係にあったビートルズのカヴァーが3曲(2,3,6)も取り上げられている点(さらに付け加えると8「Alley Oop」の冒頭でThe Rolling Stonesの「(I Can't Get No) Satisfaction」が一瞬歌われている)。好きな曲ならこだわりなく歌ってしまう彼らの一面を表していますが、リマスター盤のライナーに記載されたブライアンのコメントによると、これらは敬意を表すための選曲だったようです。

 後半、フォーク・ソングが好きなアル・ジャーディンがBob Dylanの11「Times They Are A-Changin'」を歌っていますが(アルが真面目に歌っている後ろで周りがちょっかいを出している(笑))、余計な深読みをすればこれも次の展開の"予兆"として捉える事も可能で。

 1965年当時のディランといえば「Like A Rolling Stone」の大ヒットでフォーク以外の層からも注目されるようになり、ビートルズと並び大きな影響力を持つ存在に。その流れから"フォーク・ロック"なるスタイルも登場し、歌われる内容もメッセージ性の強いものへ・・・というのも、この頃からアメリカ自体が穏やかではない状況へと変わり始め、遊び盛りの若い世代がサーフィンや車で浮かれている場合ではなくなっていきます。

 時を同じくしてビートルズの曲も徐々にタッチが変わり始めます。音楽シーンの動向を伺いながら新しい音楽作りに挑んでいたブライアンにとってもこの変化を見過ごす事は出来ず、ビーチ・ボーイズの新たな方向性を打ち出した作品に取りかかります・・・ということで、初期ビーチ・ボーイズのアルバムの紹介でした。つづく。
[おまけ:Barbara Ann]

⚫️ オリジナルのThe Regents版「Barbara Ann」。彼らのアルバムは日本盤CDも出ていますが、映画『アメリカン・グラフィティ』のサントラ盤でもおなじみ(そちらはDJ入り)。

⚫️ 1965年テレビ出演での「Barbara Ann」。この時期のブライアンは、ツアーに出ない代わりにテレビには時々出ていました。

⚫️ ミニオンによる替え歌「Banana Song」。この動画では何故かガッツ石松が登場する。
[CDについて]

 本作は過去に複数CD化されていますが、ここではその中からいくつかをご紹介します。

[1:1989年日本盤]
『ビーチ・ボーイズ・パーティ』((日本盤)東芝EMI CP21-6010)

◎1989年に東芝EMIの廉価盤CDシリーズ"PASTMASTERS"の一環として発売。この時が世界初CD化でした。解説・歌詞付き(対訳はなし)。ボーナス・トラックはなし。

[2:2 in 1 CD]
(1990年輸入盤)

(1990年日本盤)

(2001年輸入盤:アメリカCapitol 31641)

Track 1〜12・・・『Beach Boys' Party!』(Mono)
Track 13〜27・・・『Stack-O-Tracks』
(Bonus Tracks)
28. Help Me,Rhonda (Previously Unreleased/Mono)
29. California Girls (Previously Unreleased/Stereo)
30. Our Car Club (Previously Unreleased/Mono)

◎1990年に『Stack-O-Tracks』とのカップリング(2 in 1形式)で発売されたCDで、その後2001年に再度リマスターされて再発売。両者でマスタリングが異なり、1990年盤はノイズ除去が強くかけられた印象。また、『Stack-O-Tracks』は基本モノラルで、ボーナス・トラックを含む9曲がStereo Mixに差し替えられています。

 ブックレットには英文ライナーと写真を掲載。2001年盤は1990年盤からの複写のため、写真や色付き文字がややぼやけ気味なのが特徴。

(1990年盤と2001年盤の主な見分け方)

🔵1990年盤はCD番号が"CDP"で始まる。2001年盤は数字のみ。
🔵1990年UK盤CDはデザインがやや異なり、ジャケット上部に"TWO GREAT ALBUMS ON ONE CD"の表記がある。
🔵1990年日本盤はジャケットのデザインが異なる。
🔵1990年盤をお探しの方は『ビーチ・ボーイズ・ヒストリー・ボックス VOL.2』(TOCP-7764〜66)で揃えるという手もあります。
🔵2001年盤はCDのトレーに挟まっている、砂浜の写真が載っている曲目表に小さくアルバム・ジャケットが掲載されている。

(Bonus Tracks)
28. Help Me,Rhonda

 1990年のCD化の際に追加されたバッキング・トラック。シングル及び『Summer Days (And Summer Nights!!)』収録テイクのバッキング・トラック(モノラル)。間奏のギター・ソロが含まれていない(歌入れと同時か、Mono Mix中に加えられたと思われる)。

29. California Girls

 1990年のCD化の際に追加されたバッキング・トラック。この曲の"ステレオ"が公式発表されたのはこの音源が初でした。これまで分厚いヴォーカルの奥で埋もれていた音がよく聞こえるようになり、バッキング・トラックだけでも聞き応えがある。ちなみに1990年盤ではイントロの1音目が微妙に削られていましたが、2001年盤では改善されています。

30. Our Car Club

 1990年のCD化の際に追加されたバッキング・トラック。ちなみに1990年盤と2001年盤でトータル・タイムが異なり、2001年盤では数秒のブランク後、「California Girls」のバッキング・トラックの一部がシークレット・トラックで収録されています。

[3:1997年日本盤]
(ジャケットありませんすみません)
『ビーチ・ボーイズ・パーティ』((日本盤)東芝EMI TOCP-3321)

◎1997年9月に発売された日本盤CD。1990年リマスター音源、ボーナス・トラックは無し。歌詞・対訳・解説書付き。

[4:1998年紙ジャケット仕様日本盤]

『ビーチ・ボーイズ・パーティ』((日本盤)東芝EMI TOCP-50858)

◎1998年7月に発売された紙ジャケット仕様の日本盤CD。1990年リマスター音源を使用(モノラル)。ボーナス・トラックはなし。歌詞(対訳はなし)・解説書付。

[5:2001年リマスター盤]

『ビーチ・ボーイズ・パーティ』((日本盤)EMI Music Japan TOCP-53170)

◎2001年6月に発売された日本盤CD。ちなみにこのCDはその後、帯のデザインや価格を替え、何度か期間限定で再発売されています。

(主な特徴)
🔵2001年リマスター音源(モノラル)。
🔵デヴィッド・リーフ氏による英文ライナーの対訳、日本語解説書、歌詞・対訳付。

[6:2012年リマスター盤]
(日本盤)

パーティパーティ
(2012/07/25)
ザ・ビーチ・ボーイズ

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(輸入盤)

PartyParty
(2012/09/25)
Beach Boys

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◎2012年7月25日に発売された、Mono & Stereo両ミックスを収録したリマスター盤。

(主な特徴)
🔵ジャケットは見開きのデジ・スリーヴ仕様(通称"紙ジャケ"とは別物)。
🔵2012年リマスター音源。
🔵Mono & Stereo両ミックスを収録。
🔵Stereo Mixは世界初CD化。
🔵日本盤は解説・歌詞・対訳付。

(日本盤ブックレット)
 日本盤付属の解説書は1997年版CDの加筆・再構成をしたもの。2001年版に付いていた英文ライナーの対訳はカットされた代わりに、結成から現在までのグループの軌跡が6ページにわたって掲載されています。

(ジャケット)
 紙製のデジ・スリーブ仕様。見開きの内側にはオリジナルLPの裏ジャケットを掲載。また、以前のリマスター盤のような詳細なデータ満載のライナーは省かれ、LP時代のように文字情報は最小限に留められています。
[配信版]

iTunes Store配信版

● Mono & Stereo両mix収録。
● ボーナス・トラック : なし

Amazon MP3版

● Mono & Stereo両mix収録。
● ボーナス・トラック : なし

moraハイレゾ版 (2015年7月10日発売)

● Mono & Stereo両mix収録(※別売りあり)。
● ボーナス・トラック : なし
[別ヴァージョン/ミックス、未収録音源収録のアルバム]

◎このアルバム収録曲の別ヴァージョン、アルバム未収録音源を下記のアルバムで聴く事ができます。

『ビーチ・ボーイズ・ボックス ~カリフォルニアより愛をこめて~(The Capitol Years)』(東芝EMI TOCP-6151~7/1990年)
「Barbara Ann」(Mono Single Edit)
「There's No Other (Like My Baby)」(疑似ステレオ)
「Devoted To You」(疑似ステレオ)
「Mountain Of Love」(疑似ステレオ)


『グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス』(東芝EMI TOCP-8021~26/1993年)
「Ruby Baby」(未発表曲/Mono)
「Barbara Ann」(Mono Single Edit)


『Hawthorne,CA』(EMI Music Japan TOCP-65729・30/2001年)
「Barbara Ann」(Session Excerpt)
「Barbara Ann」(Master Take Without Party Overdubs)
「Devoted To You」(Master Take Without Party Overdubs)


『グレイテスト・ヒッツ デラックス・エディション〜偉大なる50年〜』(2012年)
「Barbara Ann」(Single Edit/Stereo Mix)


『Made In California (カリフォルニアの夢)』(2013年)
「Barbara Ann」(Single Edit/Stereo Mix)

「There's No Other (Like My Baby)」(2012 "Unplugged" Mix With Party Session Intro)

 2013年8月になって発表された別ヴァージョンで、"パーティー・ノイズ"が含まれていない演奏。前半に1分近く入っているメンバーの雑談が含まれており、途中で「Sloop John B」のリフを弾きながらThe Beatlesの「Ticket To Ride」の一節を歌う場面が登場する。
[Beach Boys' Party! Uncovered and Unplugged]
(輸入盤)

Tower Records
HMV
(日本盤:2016年3月23日発売予定)

Amazon
Tower Records
HMV
(配信版)
iTunes Music Store配信版

◎リリース情報という事で、数日前からAmazonでジャケットだけupされていた『Beach Boys' Party!』(1965年)の2枚組拡大版が、リリース50周年記念で11月20日に発売予定。計69曲。パーティー・ノイズなしのアコースティック・スタジオ・ライヴで、初登場のアルバム未収録曲もいくつか。これでようやくビーチ・ボーイズ版「(I Can't Get No) satisfaction」が聴ける(笑)。収録曲はタワレコのリンクをご覧ください。

⚪️"Tell Me Why"
My Favorite Albumsのコーナー(目次)へ戻る。

(作成:2000年6月27日/更新:2004年8月1日,2012年3月8日,4月19日,6月28日,8月9日,10月17日,2013年9月5日,2015年7月18日,2016年1月9日,2月21日)
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