The Kinks : Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire


1. Victoria
2. Yes Sir, No Sir
3. Some Mother's Son
4. Drivin'
5. Brainwashed
6. Australia
7. Shangri-la
8. Mr. Churchill Says
9. She's Bought A Hat Like Princess Marina
10. Young And Innocent Days
11. Nothing To Say
12. Arthur

The Kinks :
Ray Davis (vo,g,k)
Dave Davis (g,vo)
John Dalton (b)
Mick Avory (d)
etc.

Produced by Ray Davis

🔵 シングル「Plastic Man」(1969年3月/UK28位)の発表直後、オリジナル・メンバーのPete Quaif(b)が方向性の相違により脱退。1969年4月から後任として『Face To Face』(1966年)で一時的に参加したJohn Daltonが呼び戻され正式加入。新体制となったキンクスはこの頃テレビ番組の挿入歌を数本手がけるようになり、さらにテレビ・ドラマ『Arthur』での脚本・音楽担当という大きな仕事が舞い込む。が、半年後に予算不足を理由に制作中止が決定。映像にも強い関心を示していたレイ・デヴィスにとって痛手となりましたが、残された音楽はコンセプト・アルバムとして完成。1969年10月10日、『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』という長い題名が付けられ発表されます。リアルタイムでの反応は前作同様だったものの、サウンド面ではメロトロンに代わりブラス・セクションが導入され、ロック・バンドとしての勢いも取り戻しています。

 オリジナル・ライナーでは「物語ではアーサーの全人生に焦点が当てられている。アーサーの人生、そしてアーサーのような人生を送ってきた何百万ものイギリス人が、レイ・デイヴィスの書いた歌の中に描かれているのだ。」との記述があり、1曲毎に様々なストーリーが繰り広げられます。前半(A面:1〜6)1曲目は言わずと知れた人気曲「Victoria」でスタート。以降は戦争を題材にしたものや現実逃避、洗脳についてが歌われていたり、6「Australia」では軽快なビートに乗せてオーストラリアへの移住を奨める言葉が延々と歌われる(「U.S.A.のようにサーフィンをする」と歌った後にビーチ・ボーイズ風のコーラスが登場する)。曲は途中で雰囲気がガラッと変わり混沌としたサウンドへ。

 後半(B面:7〜12)。7「Shangri-la」はドラマチックな構成と熱いプレイが展開される、アルバムの聴きどころの一つ。歌の中にある"理想郷"が差す対象は結構身近なものだったり。

 8「Mr. Churchill Says」は1940年代のイギリスが舞台。歌詞に出てくる「We'll meet again...♪」はThe Byrdsがファースト・アルバムでも取り上げていた、戦中の流行歌の一節。アーシーなサウンドから始まるサウンドは、空襲のシーンに差し掛かるとエヴァリー・ブラザーズ風のビートにチェンジ。

 9「She's Bought A Hat Like Princess Marina」はセレブを装う女性が主人公。クラシカルな雰囲気からボンゾ・ドッグ・バンドを思わせるコミカルな演奏へ展開。11「Nothing To Say」はお互いに大人になり再会した親子のとある一コマ。ラストの12「Arthur」でようやく主人公の人物像が歌われる。アルバムの終盤で主人公に問いかける歌は、これ以降のアルバムでも度々登場します…ということで、後の詳しい事は是非アルバムで。

 The Kinksは本作発表後、活動を禁じられていたアメリカでの音楽活動がようやくOKとなり、途中メンバーの怪我や病気で順調とは言えないものの、アメリカでの活動を力を入れるようになります。
[CDについて]
 80年代以降にイギリスCastle盤や日本のテイチク盤など多数出回っていますが、ここでは90年代以降に発売されたものからいくつかピック・アップします。

[1 : 1993年日本盤]

『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-2095)

◎1993年12月16日発売の日本盤CDで、ライナーは松本康氏(Juke Records)が担当しています。歌詞・対訳付き。


『Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire』(英Essential(Castle) /ESMCD511)

Track 1〜12・・・The Original Stereo Album
(Bonus Tracks)
13. Plastic Man (Mono)
14. King Kong (Mono)
15. Drivin' (Mono)
16. Mindless Child Of Motherhood (Mono)
17. This Man He Weeps Tonight (Mono)
18. Plastic Man (Stereo Mix)
19. Mindless Child Of Motherhood (Stereo Mix)
20. This Man He Weeps Tonight (Alternate Mix)
21. She's Bought A Hat Like Princess Marina (Mono)
22. Mr. Shoemaker's Daughter (Unreleased)

◎1998年6月に発売されたイギリス盤CDで、以後発売の日本盤の大半はこのCDが基となっています。1998年リマスター音源、ボーナス・トラック収録。

(Bonus Tracks)
13. Plastic Man (Mono)
18. Plastic Man (Stereo)

 1969年3月発表の、軽快なビートとコーラスが印象的なシングル・ナンバー(全英第31位)。18のStereo Mixは本CDで初CD化ですが、音源自体は1969年にオランダのオムニバス盤でひっそりとリリースされていたようです。

14. King Kong

 「Plastic Man」のカップリング曲で、Marc Bolanを思わせるヴォーカル・スタイルが印象的。Stereo Mixは存在しないようです(2016年1月現在)。

16. Mindless Child Of Motherhood (Mono)
19. Mindless Child Of Motherhood (Stereo)

 デイヴ・デイヴィスの作曲&ヴォーカルのロック・ナンバーで、シングル「Drivin'」(1969年6月)のカップリングとして発表。19のStereo Mixは本CDで初登場。

20. This Man He Weeps Tonight (Alternate Mix)

 この曲もデイヴ・デイヴィスの作曲&ヴォーカルのロック・ナンバーで、シングル「Shangri-la」(1969年9月)のカップリングとして発表。本CDでは"Unreleased Stereo Mix"とクレジットされていますが、実際にはステレオの片側のみを取り出し、ドラムの無い状態のモノラル・ミックスで収録(単なる編集ミスか元々こういうものなのかは不明)。本来のStereo Mixは現在『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡 (Deluxe Edition)』(2011年)に収録。

21. She's Bought A Hat Like Princess Marina (Unreleased Mono Mix)

 初登場の別ミックス(モノラル)。『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡 (Deluxe Edition)』(2011年)収録のMono Mixとは微妙に異なり、ピアノとドラムの音量がやや大きく、微量でルーム・エコーがかかっている(アルバムのMono Mixは逆にドライな印象)。本当に別ミックスなのか、Stereo Mixをモノラルに変換しただけなのかは不明。

22. Mr. Shoemaker's Daughter

 本CDで初登場の未発表曲で、1969年1月に制作され結局お蔵入りとなったデイヴ・デイヴィスのソロ・アルバム用の曲と思われます。ちなみに『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡 (Deluxe Edition)』(2011年)には2009年Remix Versionが収録。

[3 : 1998年日本盤]

『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡+10』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-60228)

◎上記イギリスCastle盤を基にした日本盤。ブックレットには英文ライナーの翻訳、加藤ひさし(The Collectors)のコメント、ライターの小松崎健郎氏によるザ・キンクス・パイ・ヒストリーと作品紹介を掲載。歌詞・対訳付き。

[4 : 2000年紙ジャケット仕様日本盤]

『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-61000)
◎2000年に発売された紙ジャケット仕様のCDで、ステレオ・ミックスを採用。LP同様に、特殊仕様の歌詞カードが再現されています。ボーナス・トラックを含まない全12曲入り。

[5 : 2001年紙ジャケット仕様]

『Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire』(英 Sanctuary/CMTCD322)

◎イギリスのSanctuaryが製作した紙ジャケット仕様のCDで、特製のビニール・ケースに入れられています。ジャケットは英盤とは違うデザインを使用し、音源は2001年時点で初CD化だったモノラル・ミックスで収録。このMono Mixは現在『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡 (Deluxe Edition)』(2011年)にリマスターされて収録。

[6 : 2007年紙ジャケット仕様]

『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』((日本盤)BMG Japan BVCM-37977)

◎日本のBMG Japanが2007年に"kinks Paper Sleeve Collection"というシリーズで発売したCD。紙ジャケット仕様で、音源は1998年リマスター盤と同一。歌詞・対訳・解説書付き。

[7 : 2009年日本盤]

『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』((日本盤) Sanctuary/Universal UICY-60107)

◎2009年3月に発売されたCD。権利関係の移行により日本のユニヴァーサル・インターナショナルからのリリース。内容は1998年リマスター盤と同一。歌詞・対訳・解説書付き。

[8 : 2011年Deluxe Edition]
(デジパック仕様輸入盤)

Arthur: Deluxe EditionArthur: Deluxe Edition
(2011/06/21)
Kinks

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『Arthur (Deluxe Edition)』((EU) Sanctuary/Universal UMC 273 227-4)

(SHM-CD & 紙ジャケット仕様日本盤)

アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)
(2011/11/23)
ザ・キンクス

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『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡 (Deluxe Edition)』((日本盤) Sanctuary/Universal UICY-94469〜70)

[Disc 1]
(The Original Mono Album)
1. Victoria (Mono)
2. Yes Sir, No Sir (Mono)
3. Some Mother's Son (Mono)
4. Drivin' (Mono)
5. Brainwashed (Mono)
6. Australia (Mono)
7. Shangri-la (Mono)
8. Mr. Churchill Says (Mono)
9. She's Bought A Hat Like Princess Marina (Mono)
10. Young And Innocent Days (Mono)
11. Nothing To Say (Mono)
12. Arthur (Mono)

(Original Mono Singles)
13. Plastic Man (Mono)
14. This Man He Weeps Tonight (Mono)
15. Mindless Child Of Motherhood (Mono)
16. Creeping Jean (Mono)
17. Lincoln County (Mono)
18. Hold My Hand (Mono)

(Studio Recordings for the BBC)
19. Victoria (BBC/Mono)
20. Mr. Churchill Says (BBC/Mono)
21. Arthur (BBC/Mono)

[Disc 2]
(The Original Stereo Album)
1. Victoria
2. Yes Sir, No Sir
3. Some Mother's Son
4. Drivin'
5. Brainwashed
6. Australia
7. Shangri-la
8. Mr. Churchill Says
9. She's Bought A Hat Like Princess Marina
10. Young And Innocent Days
11. Nothing To Say
12. Arthur

(Bonus Tracks)
13. Plastic Man (Stereo Mix)
14. This Man He Weeps Tonight (Stereo Mix)
15. Drivin' (Alternate Mix)
16. Mindless Child Of Motherhood (Stereo Mix)
17. Hold My Hand (Alternate Take)
18. Lincoln County (Stereo Mix)
19. Mr. Shoemaker's Daughter (Stereo Mix)
20. Mr. Reporter (Stereo Mix)
21. Shangri-la (Backing Track)

◎2011年に発売された2枚組デラックス・エディションで、2011年リマスター音源を使用。輸入盤は太めなデジ・パック仕様でブックレット付き。日本盤はLPのデザインをミニチュア復刻した紙ジャケット仕様。日本盤ブックレットには英文ライナーの翻訳、歌詞・対訳付き。盤はSHM-CDを採用。

(Disc 1)
◎Disc 1は全曲モノラル音源。1~12はアルバムのMono Mixで、2001年発売の紙ジャケット仕様の英Castle盤(CMTCD322)で初CD化。13~18は1969年リリースのシングル曲(Dave Davisのソロを含む)、19~21はBBCセッションより。

(Disc 1)
 Disc 2の1~12はアルバムのStereo Mix。ボーナス・トラックには「Plastic Man」「This Man He Weeps Tonight」「Mindless Child Of Motherhood」「Lincoln County」のStereo Mix、「Hold My Hand」の別テイク、「Drivin'」のドラムが殆ど入っていない別ミックス、「Shangri La」のバッキング・トラック、「Mr. Reporter」「Mr. Shoemaker's Daughter」のRemixを収録。

 ちなみに「This Man He Weeps Tonight」は1998年リマスター盤で表記に反してモノラルでしたが、今回はStereo Mixで収録されています。
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(2004年2月4日作成記事を再構成/更新:2009年3月9日,2011年5月14日,2013年11月16日,2014年7月5日,2016年1月23日/Special Thanks : Nさん)
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