The Kinks : The Kinks Are The Village Green Preservation Society


1. The Village Green Preservation Society
2. Do You Remember Walter
3. Picture Book
4. Johnny Thunder
5. Last Of The Steam Powered Trains
6. Big Sky
7. Sitting By The Riverside

8. Animal Farm
9. Village Green
10. Starstruck
11. Phenomenal Cat
12. All Of My Friends Were There
13. Wicked Annabella
14. Monica
15. People Take Pictures Of Each Other

The Kinks :
Ray Davis (vo,g,k)
Dave Davis (g,vo)
Pete Quaif (b,cho)
Mick Avory (d)

Adittional Musicians :
Rasa Davis (cho)
Nicky Hopkins (k) / etc.

Produced by Ray Davis

🔵1968年に入り「Wonderboy」(1968年4月/UK28位)「Days」(1968年6月/UK12位)のシングルを発表したキンクスは、前作の製作中に誕生した「Village Green」の世界観をさらに広げたコンセプト・アルバム制作に没頭。『The Kinks Are The Village Green Preservation Society』と題されたアルバム(本作)はメディアの前評判も良く1968年9月27日に発売予定でしたが、仕上がりに不満だったRay Davisがプレス直前に待ったをかけ発売をストップ、曲の差し替えと追加録音を行い、12曲から15曲に変更されたアルバムは1968年11月22日に無事リリース。しかしその間に世間の関心は後続のバンドに向けられるようになり(加えてタイミングの悪い事にThe Beatlesの『(通称)ホワイト・アルバム』が同日発売だった)、英米共にノン・チャートに終わる結果に…。リアルタイムで結果を出せなかったものの、しばらくして徐々に存在が知れ渡るようになり、CD時代に到達する頃には名盤と呼ばれる程に評価が高まる事に(にしても、この時期に発表されたアルバムはそうした運命を辿ったものが何故か多いですね…)。

 聞こえてくるのは田園風景を想起させる穏やかなメロディ・ラインと、ピアノやオルガン、メロトロン(アナログ時代のサンプリング・キーボード)で彩られたフォーク・ロック・サウンド。当時のイギリスのバンドがサイケを経てハード・ロックやプログレへと向かったのに対し、本作はBob Dylanの同時期のアルバムにも通ずるシンプルさ。

 様々な古き良き伝統を守ろうと詠われるタイトル曲1「The Village Green Preservation Society」で始まるアルバムは旧友の昔話や思い出の写真、農場、郊外の広い公園、変な人や一匹狼、都会に染まった人もいれば、愛するべき人が出てきたり…等、様々なテーマや人物が登場する。機関車や猫も恐らく何かの比喩でしょう。9「Village Green」以外ではメロトロンでストリングスやフルートの音を代用しているのもアルバムの雰囲気にピッタリ。ちなみに11「Phenomenal Cat」のイントロはメロトロンに元々内蔵されていた音で、Yesの『The Ladder』(1999年)でも同じ音が一瞬聴ける(The Beatles「The Continuing Story Of Bungalow Bill」のスパニッシュ・ギターもメロトロン)。ラスト・ナンバー15「People Take Pictures Of Each Other」では家族で写真を撮り合った時代を回想しているものの「どうかその写真を僕に見せないで…」と、妙に愉快な曲調に乗せて歌われている。

 個人的にはキンクスのアルバムからTop5を選ぶなら必ず入れる程好きな作品ですが、全体的に歌ものが多く、もしデイヴの活躍が少ないなぁ…と感じた方は次回作へ。また、オリジナル・メンバーが一丸となって制作した最後の作品でもあり、ベーシストのPete Quaifはシングル「Plastic Man」発表後の1969年4月に正式に脱退します…ということで、次回作につづく。
[CDについて]
 80年代以降にイギリスCastle盤、アメリカReprise盤、日本のテイチク盤(裏ジャケットがなぜかCDの説名文になっており、1曲目のイントロが微妙にカットされている・・・)など多数出回っていますが、ここでは90年代以降に発売されたものからいくつかピック・アップします。なお画像はAmazonからのリンクを使用しています。

[1 : 1993年日本盤]

『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-2094)

◎1993年12月16日発売の日本盤CDで、ステレオ・ミックス15曲版。テイチク盤では省かれていた裏ジャケットも復活しましたが、なぜかカラーからモノクロに変更。ブックレットには歌詞・対訳のほか、加藤ひさし(The Collectors)と小松崎健郎両氏による解説書付き。

[2 : 1998年イギリス盤]

『The Kinks Are The Village Green Preservation Society』(イギリスEssential(Castle)/ESMCD481)

◎1998年に発売されたイギリスでCDで、1998年リマスター音源。以後の日本盤CDの殆どはこのイギリス盤CDを基にされています。

 1〜15は初CD化のMono Mix、16〜27は"幻の12曲入りステレオ盤"(音質がやや劣る。15曲版には含まれていない21「Days」のStereo Mixと23「Mr. Songbird」を収録)。さらに28「Days」のMono Single Versionを追加。ちなみに12曲版のうち15曲版とは異なるのは以下の2曲。

🔵「Do You Remember Walter」・・・15曲版Stereo Mixで聞けたタンバリンとアコースティック・ギターが含まれていない別ヴァージョンで、Mono Mixも同様。

🔵「People Take Pictures Of Each Other」・・・15曲版に含まれていた(スカ・ビートを刻む)アコースティック・ギターが無く、手拍子が左右に振り分けられている。また、エンディングで古めかしいジャズの音が挿入されている。

[3 : 1998年日本盤]

『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ+13』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-60227)

◎上記イギリスCastle盤を基にした日本盤。ブックレットには英文ライナーの翻訳、加藤ひさし(The Collectors)のコメント、ライターの小松崎健郎氏によるザ・キンクス・パイ・ヒストリーと作品紹介を掲載。歌詞・対訳付き。

[4 : 2000年紙ジャケット仕様日本盤]

『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-60999)

◎2000年に発売された紙ジャケット仕様のCDで、15曲入りのステレオ・ミックス。2000年リマスター音源。歌詞・対訳・解説書付き。

[5 : 2001年紙ジャケット仕様]

『The Village Green Preservation Society』(英Sanctuary/CMTCD319)

◎2001年にイギリスSanctuaryから発売された紙ジャケット仕様のCDで、ジャケットは英盤と異なるデザインを採用。紙ジャケットは特製のビニール・ケースに入れられていますが、これが問題ありで、ビニール・ケースのポケットに塗ってある糊が紙ジャケットに付着している場合があるので要注意。CDは12曲入りのステレオ・ミックスを採用。

[6 : 2007年紙ジャケット仕様]

『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』((日本盤)BMG Japan BVCM-37976)

◎2007年に日本のBMG Japanが"kinks Paper Sleeve Collection"というシリーズで発売したCD。紙ジャケット仕様、音源は1998年リマスター盤と同一。歌詞・対訳・解説書付き。

[7 : 2009年日本盤]

『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ+13』((日本盤)Sanctuary/Universal UICY-60106)

◎2009年3月に発売されたCD。権利関係の移行により日本のユニバーサル・インターナショナルからのリリース。内容は1998年リマスター盤と同一。歌詞・対訳・解説書付き。

[8 : 2004年Deluxe Edition]
(2004年デジパック仕様イギリス盤)


(2004年デジパック仕様日本盤)

『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ(デラックス・エディション)』((日本盤)BMGファンハウス BVCM-48001〜3)
※リンク画像は実際のものとは異なります。

(2011年SHM-CD+紙ジャケット仕様日本盤)

ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)
(2011/09/21)
ザ・キンクス

商品詳細を見る

[Disc 1/Stereo]
1. The Village Green Preservation Society
2. Do You Remember Walter
3. Picture Book
4. Johnny Thunder
5. Last Of The Steam Powered Trains
6. Big Sky
7. Sitting By The Riverside
8. Animal Farm
9. Village Green
10. Starstruck
11. Phenomenonal Cat
12. All Of My Friends Were There
13. Wicked Annabella
14. Monica
15. People Take Picture Of Each Other
(Bonus Tracks from "12 Track Edition")
16. Mr Songbird
17. Days (Stereo Mix)
18. Do You Remember Walter (Original Stereo Mix)
19. People Take Pictures Of Each Other (Original Stereo Mix)

[Disc 2/Mono]
1. The Village Green Preservation Society
2. Do You Remember Walter (Mono Version)
3. Picture Book
4. Johnny Thunder
5. Last Of The Steam Powered Trains
6. Big Sky
7. Sitting By The Riverside
8. Animal Farm
9 .Village Green
10. Starstruck
11. Phenomenal Cat
12. All Of My Friends Were There
13. Wicked Annabella
14. Monica
15. People Take Pictures Of Each Other
(Bonus Tracks)
16. Days (Mono Single Version)
17. Mr. Songbird (Mono Mix)
18. Polly (Mono Single Version)
19. Wonderboy (Mono Single Version)
20. Berkeley Mews (Mono Single Version)
21. Village Green (Mono/No Strings Version)

[Disc 3/Rarities]
1. Village Green (Instrumental/Orchestral Overdub)
2. Misty Water (Stereo Mix)
3. Berkely Mews (Stereo Mix)
4. Easy Come, There You Go
5. Polly (Stereo Mix)
6. Animal Farm (Alternate Stereo Mix)
7. Phenomenal Cat (Mono Instrumantal)
8. Johnny Thunder (2004 Stereo Remix)
9. Did You See His Name (Mono Version)
10. Mick Avory's Underpants
11. Lavender Hill
12. Rosemary Rose (Mono Mix)
13. Wonderboy (Stereo Mix)
14. Spotty Grotty Anna
15. Where Did My Spring Go?
16. Groovy Movies
17. Creeping Jean
18. King Kong
19. Misty Water (Mono Mix)
20. Do You Remember Walter (Mono/BBC Sessions Remix)
21. Animal Farm (Mono/BBC Sessions Remix)
22. Days (Mono/BBC Sessions Remix)

◎2004年に発表された3枚組"デラックス・エディション"。全編2004年リマスター音源を使用(中域の音が前に出され、既発盤CDにあった音の傷がほぼ取り除かれています)。日本初盤CDは2004年8月にBMGファンハウスから発売され、パッケージはデジ・パック仕様。英文ライナー対訳、日本語解説・歌詞・対訳付き。2011年にはユニバーサルからSHM-CD+紙ジャケット仕様で再発売されています。

(Disc 1)
 アルバムのStereo Mix+12曲版から4曲を追加。

(Disc 2)
 アルバムのMono Mix+ボーナス・トラック。17「Mr. Songbird」は初CD化Mono Mix、21「Village Green」は1967年録音のストリングスなし&ヴォーカルが別テイク。

(Disc 3)
 Disc 3は"Rarities"と題された、未発表音源を含むレア音源集。

1. Village Green (Instrumental/Orchestral Overdub)

 初登場音源。ストリングス入りのバッキング・トラックで、右側からDisc 2-21と同じヴォーカルがかすかに聞こえる。

3. Berkely Mews (Stereo Mix)
5. Polly (Stereo Mix)

 2曲共にアメリカ編集盤『The Kink Kronikles』(1972年)初出のStereo Mix。

6. Animal Farm (Alternate Stereo Mix)

 初登場の別ミックス。はじめ何がどう違うのかよく判らなかったのですが、曲後半(2分27秒付近)で左右の音が入れ替わり、エンディングでパンニングして元の配置に戻るようにミックスされていました。

7. Phenomenal Cat (Mono Instrumantal Mix)

 初登場のバッキング・トラック。

8. Johnny Thunder (Stereo Remix)

 初登場の、現存するマルチ・トラック・テープから新たに作成されたRemix版。音の鮮度は飛躍的に向上していますが、バック・コーラスが中央で小さめなのが難点。それもあってか、ボックス『The Anthology 1964-1971』(2014年)では再度Remixされ、バック・コーラスの音量が上げられ、左やや中央に配置されたものが収録されています。

9. Did You See His Name (Mono Version)

 曲自体はアメリカ編集盤『The Kink Kronikles』(1972年)が初出ですが、ここでは初登場のMono Mixで、エンディングが異なる。

4. Easy Come, There You Go
10. Mick Avory's Underpants

 2曲共に初登場、インストゥルメンタルの未発表曲。

2. Misty Water
11. Lavender Hill
12. Rosemary Rose
15. Where Did My Spring Go?
16. Groovy Movies

 この5曲はアメリカ編集盤『The Great Lost Kinks Album』(1972年)が初出で、本作で初CD化。

13. Wonderboy (Stereo Mix)

 ヨーロッパ圏で発売された編集盤のみに収録されていたというStereo Mix。本作で初CD化。

14. Spotty Grotty Anna

 80年代に発掘されたインスト曲。本作で初CD化。

17. Creeping Jean (Stereo Mix)

 1969年1月にDave Davisのソロ・シングルのB面として発表された曲で、初登場のStereo Mix。ただしサビの部分でダブル・トラックの片方のヴォーカルが欠落している(Monoには入っていてStereoには無い典型的なパターン)。

19. Misty Water (Mono Mix)

 初登場のMono Mix。

20. Do You Remember Walter (Mono/BBC Sessions Remix)
21. Animal Farm (Mono/BBC Sessions Remix)
22. Days (Mono/BBC Sessions Remix)

 20〜22はBBCラジオで放送されたヴァージョンで、バッキング・トラックはアルバムと同一で歌のみ別テイク。DJのナレーションが入る。
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(2004年2月7日作成記事を再構成/更新:2009年3月9日,2016年1月9,22日)
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