The Beach Boys : THE SMiLE SESSIONS (その1)

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[1 : "THE SMiLE SESSIONS" 目次 & 関連記事]

その1(ここの記事です。)
その2 (通常盤またはDisc 1)
その3 (デラックス・エディション)
その4 (アナログ盤 Part 1)
その5 (Collector's Box・Disc 2)
その6 (Collector's Box・Disc 3)
その7 (Collector's Box・Disc 4)
その8 (Collector's Box・Disc 5)
その9 (アナログ盤 Part 2)
その10(関連書籍・映像作品)
Smiley Smile
[2 : これから聴く方へ]

 このアルバムにまつわる話題を書き始めるとものすごーく長くなるのと、2004年に『BRIAN WILSON PRESENTS SMiLE』がリリースされるまでの間に様々な書籍が出版され、雑誌の特集記事でも長年語られていますので、そうした書籍やブライアン・ウィルソンの2枚組ドキュメンタリーDVD『SMILE (DVD)』や書籍、ファン・サイト「SMILE DAYS」をオススメします。

スマイル DVDスマイル DVD
(2005/06/22)
ブライアン・ウィルソン

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スマイルスマイル
(2006/06)
ドミニク プライア、萩原 健太 他

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 ちなみに90年代~2003年頃までの関連記事を読み返すと、長年の調査でかなりの域まで解明しつつあった反面、話だけが大きく膨らみ過ぎた感も強く、今となっては失礼ながら笑ってしまうようなものも…。90年代後半~2004年頃までは『SMILE』関連のブートを紹介&リスト・アップしたファン・サイトもいくつかありましたが、個人サイトのブームが去りそのまま閉鎖、プロバイダーのサービス終了等の理由でその殆どが現在では閲覧不能に。

 さらに、カール死後→ビーチ・ボーイズの3分裂→ブライアン・ウィルソンのライヴ活動が活発化した1999〜2001年頃になると、著名な方々も倦怠感 & うんざりした様子で、出版物の特集記事などで「その話はもういいよ」「"SMILE"はもういらない」という発言もチラホラと・・・。そんな中、書籍『The Beach Boys Complete 2001』のp.260~p.266の記事の〆の部分(現在は『The Beach Boys Complete revisited edition』のp.281〜p.290)で、『SMILE』がどのようなアルバムになるはずだったかを言い当てていると個人的には思っています。
[3 : 90年代にも出る予定があった]

 1993年に出た『グッド・ヴァイヴレーション・ボックス』でいくつかの音源が公表された後、1995年に『SMILE』のCD化のアナウンスがありました。『The "Smile" Era』というタイトルで、雑誌『THE DIG』(JUNE/JULY 1995 No.1)の記事でも紹介されていたし、CD屋のリリース案内だとたしか2枚組だったかな…3枚組って書いてある所もあるけど。日本盤の番号も決まっていて。ただ気がかりだったのはその時点でジャケットもトラック・リストも公表されなかった。本当に出るのかなぁ…とりあえずCD屋さんで予約はしたけど…で、案の定、発売中止。ガクッと来た半分、やっぱりねも半分。

 今にして思うと、物事の順序としてその時に出なくて良かった。もし出たとしても単に非公式な音源を一掃させるだけに留まっていただろうし…。2004年にブライアン・ウィルソンがまずライヴで『SMILE』を実現→その後アルバムとしても発表され、じゃあその時にそれとは別にビーチ・ボーイズ版を出せたかというと、メンバーの承諾抜きにしてもそうでもなく。今回はというと、どうなんでしょう…今回のリリースにはメンバーも関わっているので、出る可能性は高いですよね。にしても、ここまでくるのに途方もなく長い年月だったこと…。
[4 : YouTubeより]

🔵『THE SMiLE SESSIONS』のオフィシャル・トレーラー。

🔵『THE SMiLE SESSIONS』のリリース・イベントの動画。バーチャル"SMiLE SHOP"(笑)でブライアンのサイン会が。ちなみにこの他にメンバーや制作スタッフによるインタビューも観る事ができます。

🔵「Heroes And Villains」のオフィシャル・アニメーション動画。
[5 : 余談・想い出の"SMiLE"]

ここからは余談なので読み飛ばしてもOKです。

 The Beach Boysのアルバムを聴いていると1曲だけ、妙なトラックが入っている事に気付く。"抜き"のようなかたちで。「楽しいレコーディング」とか「"Cassius"Love Vs. "Sonny"Wilson」「Bull Session With "Big Daddy"」とか。時にインストだったり、最後に今までの雰囲気を全てチャラにするようなものとか。それもビーチ・ボーイズが持つ一面なんでしょうね。

 で、これが1971年以降のアルバムから殆ど無くなってしまい、時に堅苦しくなったり、いいアルバムもいくつかあるけど聴く回数も限られたり・・・。ビーチ・ボーイズ自体がユーモラスな要素を持ち込む余裕が無くなってしまったかのように。一見釣り合わなかったり、別に入ってなくてもいいじゃんって思う"異端"なのが1曲入っていた方が、結果的にいいのかなひょっとして・・・。

(いつ"SMiLE"を知ったのだろう…?)

 で、この後はその"妙なトラック"っぽく、個人的な余談をお送りします。今回のリリースのニュースを知った後、ふと「そういえば最初に"SMiLE"の音源を聴いたのはいつだったかな…」と思ったので、なんとか記憶を思い起こしてみると、『Smiley Smile』を聴いて「?????」状態に陥った数週間後、1990年1月上旬だったと思います。当時某大型電気店の"3号店"の輸入盤新着コーナーで『SMiLE』がフツーに売られているのを発見。税抜2080円。フツーに置いてありました。フツーに・・・。

 当時ヨーロッパの一部で権利関係がユルくなってる所があって、そこから来たのが色々と。他には"豚さん"や"黄色い犬"さんや"黒豹さん"(←別にハッキリ書いてもいいじゃないか)とかありましたね。そして、自分もこういう昔話が出来る年齢になってしまったとは…(笑)

 その頃そのお店でのビーチ・ボーイズの扱いは「懐メロ」。輸入盤CDは足下の棚に無造作に放り込まれ、置いてあったのは『California Girls』っていう、『Summer Days (And Summer Nights!!)』から2曲カットされたとんでもないCDで…(苦笑)。Capitolから2 in 1のリマスター盤シリーズが出るのはそれから5~6ヶ月後。他の洋楽同様にアルファベット順で扱われるのは、さらに4〜5年経ってから。

 で、1990年1月の時点で『SMiLE』に関して個人的に知っていた事と言えば、バイオグラフィで「発売中止になったアルバムがある」のを読んだのと、ビデオ『An American Band』の中で少し触れられていた事くらい。今の状況が恵まれ過ぎていると思う程、情報はかなり少なかった。

 80年代末に初めて聴いた『Smiley Smile』でキョトンとしてしまったものの、『An American Band』の中で流れる「Do You Like Worms」「Mrs. O'Leary's Cow」を聴いた時は「?????」ではなくて「?!」だった。そんな事があった直後、これが目の前に現われた。

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『SMILE』(CD=THE EARLY YEARS 02-CD 3317)

1. Surf's Up (Vocal)
2. Bicycle Rider Theme (Vocal)
3. Good Vibrations
4. Barnyard
5. Do You Like Worms
6. Medley: Old Master Painter/You Are My Sunshine
7. Can't Wait Too Long
8. Tones
9. Cabin Essence
10. George Fell Into His French Horn
11. Bicycle Rider Theme (instrumental)
12. Heroes And Villains
13. Our Prayer
14. Wonderful
15. The Four Elements:
 A) Earth: Vegetables ;
 B) Wind: Wind Chimes ;
 C) Fire: Mrs. O'Leary's Cow ;
 D) Water: I Love to say Da Da ;
16. Child is Father to the Man
17. Surf' Up (instrumental)
18. Good Vibrations (rehearsal)
19. Smile Promo Advert

 このCDが発売されたのは1989年。海外ではオリジナル・アルバムのCD復刻が殆どなかった時期に先にこれが出たという…(笑)。Made in EECのクレジットあり。SPAがレーベル名なのかは不明。8ページのブックレットにはカラー写真とライナー・ノーツを掲載。かつて書籍『ブライアン・ウィルソン自叙伝』(1993年4月発行)の後半のページでもリスト・アップされていました。

 この後も様々な種類の非公式盤が出るわけなんですけど、例えばThe Beatlesの『Get Back』のように編集済みのアルバム・マスターというのが"SMiLE"には元々ないので、2004年頃までに接していたものは"曲のパーツの一部"や"セッション風景"を収録したものだったんだなと・・・。

 1999年頃になるとさらに音源が出て来たのもあり、CD製作者なりにどんなアルバムだったのか?的な盤がいくつか出て来て、この流れが2004~5年頃まで続いていたようです。誰かが某動画サイトにupしちゃってますね…(苦笑)

 ちなみにこの"THE EARLY YEARS"というCD、ビートルズをはじめ有名所のバンドを色々と出していましたけど、どれもステレオのルーム・エコーがかけられていたり、アナログ盤起こしや既発のCDのコピー、フェイド・イン編集も多かったのが特徴でした。これもそれらが全開で・・・音質はこもり気味、スクラッチ・ノイズやヒス・ノイズも目立つ…と、短所の方が目立つ…(苦笑)。せっかくなので簡単に音源の紹介を。

1. Surf's Up (Vocal)

 ビデオ『An American Band』からブライアンの弾き語りシーンの一部を抜粋したもので、ビデオ(疑似ステレオ)をMono化してからルーム・エコーをかけて疑似ステレオ化。フェイド・インあり、ナレーションが始まる前にフェイド・アウト。
 
2. Bicycle Rider Theme (Vocal)

 「Do You Like Worms」のハープシコードのパートで、ビデオ『An American Band』からの抜粋。これもビデオ(疑似ステレオ)をMono化してからルーム・エコーをかけて疑似ステレオ化。フェイド・インあり。

3. Good Vibrations

 ブライアンがトニー・アッシャーの歌詞で歌っている別ヴァージョンで、テープ揺れ、アナログ落としで音質にやや難あり。ルーム・エコーによる疑似ステレオ。

4. Barnyard

 「Heroes And Villains Part 1」のエンディング部分及び「My Only Sunshine: Part 2 (Master Take With Vocal Overdubs)」の「アーハーハーダンビドゥビドゥ…(って聞こえる)」のパート。Stereo Mix。

5. Do You Like Worms

 これはなんて書きましょうか…1993年発表版よりもラフな状態&編集のヴァージョン。ハープシコードのパートでのヴォーカルが含まれていません。これもテープ揺れ、アナログ落としで音質はこもり気味。ルーム・エコーによる疑似ステレオ。

6. Medley: Old Master Painter/You Are My Sunshine

 ヴォーカルなしのインストゥルメンタル・ヴァージョン。テープ揺れ、ヒス・ノイズ、アナログ落としで音質はこもり気味。ルーム・エコーによる疑似ステレオ。

7. Can't Wait Too Long

 "SMiLE"セッションではなく、1967年後半の録音。埋もれているには惜しい未発表曲で、1990年になって『Smiley Smile / Wild Honey』でようやく正規で発表されました。ここに収録されたものは正規発表版よりもやや長め。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、音質はまあまあ。

8. Tones

 タイトルは誤りで、正確には「Holidays」の初期段階のテイク。エンディングのパートはなし。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、音質はまあまあ。

9. Cabin Essence

 カールのリード・ヴォーカルはなし。編集やヴォーカルある・なしの2種類の音源が収録されています。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、音質はまあまあ。

10. George Fell Into His French Horn

 今回Collector's Boxに「Surf's Up: Talking Horns」として発表された音源の別編集もの。こちらは5分46秒。

11. Bicycle Rider Theme (instrumental)

 「Do You Like Worms」のハープシコードによるエンディング部分。

12. Heroes And Villains

 シングル及び『Smiley Smile』収録ヴァージョン。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、アナログ盤起こし。

13. Our Prayer

 1966年録音ヴァージョンですが、何故か最後から2つ目のコーラスが抜けているためやや短くなっています。テープ揺れありで音質はまあまあ、ルーム・エコーによる疑似ステレオ。

14. Wonderful

 1993年に『グッド・ヴァイブレーション・ボックス』で正式に発表されたものと同じテイク。テープ揺れありで音質はまあまあ、ルーム・エコーによる疑似ステレオ。
 ちなみにこれのもっと音質の悪い&ピッチの低い音源が1991年1月に某FMの"新春放談"でオンエアされた事がありました。

15. The Four Elements:

 ここからは"The Elements"として9分43秒にわたりメドレーで収録されています。といっても音源はいろいろとワケあり。

A) Earth: Vegetables ;

 The Beach Boysではなく、Jan & DeanのDean TorrenceがLaughing Gravy名義で発表したテイクで収録されています。このCDが出た時点では珍しかった音源ですが、90年代に正規にCD化されています。

B) Wind: Wind Chimes ;

 SMiLE Versionの音源を入手出来なかったためか、『Smiley Smile』ヴァージョンで収録。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、アナログ盤起こし。

C) Fire: Mrs. O'Leary's Cow ;

 "Intro"パートなしで、FireのSEなし・ありの2つのヴァージョンが収録されています。

D) Water: I Love to say Da Da ;

 アルバム『Sunflower』収録の「Cool,Cool Water」から「Water,Water,Water,Water~っ♪」の部分のみを抜粋したもの。

16. Child is Father to the Man

 2011年版とは別編集。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、アナログ盤起こし。

17. Surf' Up (instrumental)

 「Surf's Up: 1st Movement」と呼ばれるバッキング・トラックですが、今回発売されたものや『グッド・ヴァイブレーション・ボックス』収録版とは別テイクで、ホーン・セクションが含まれていない。ルーム・エコーによる疑似ステレオで、アナログ盤起こし。

18. Good Vibrations (rehearsal)

 リハーサルとクレジットされていますが、実際には様々な断片をまとめたもの。テープ揺れありで音質はこもり気味、ピッチも部分的に低かったりかったりと難あり。ルーム・エコーによる疑似ステレオ。

19. Smile Promo Advert

 ラジオCM用の音源で、「Good Vibrations」をBGMにナレーターが"SMiLE"の宣伝を意気揚々としゃべっています。これ、今回"シークレット・トラック"として正規リリースされています。

 ここに収録されているものはテープ揺れありで音質はこもり気味。それにルーム・エコーによる疑似ステレオ処理がされています。カセット・テープ・デッキの再生ヘッドの相性が悪いとなる音像の変質が起きていて、なんだかフェイザーをかけたような感じになってます。これが後発のCDだと、ナレーション部分以外のBGMを音質のいいものに差し替え&継ぎはぎしたものがあったり…ということで、余談でした。
[6 : The Beach Boys関連オススメサイト]

「SMILE DAYS」
 "SMiLE"に関するデータを網羅した情報満載のファン・サイトです。
「ペット&サウンズのお部屋」
 The Beach Boysを紹介しているファン・サイトです。これから聴く方にオススメです。
「supercherrybunnyの部屋」
 supercherrybunnyさんのHP。"SMiLE"を含むThe Beach Boysのアルバム・レビューを掲載しています。
「A Guide To The Beach Boys」
 The Beach BoysのCDや関連商品を紹介しているファン・サイトです。
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(作成:2011年9月2日/更新:2012年2月27日,6月28日,2013年2月14日,2017年7月23日)
関連記事
[ 2011/09/02 11:11 ] The Beach Boys関連 | TB(0) | CM(0)

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