The Beatles : Anthology 1


アンソロジー(1)アンソロジー(1)
(1995/11/22)
ザ・ビートルズ

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🔴 iTunes Music Store配信版

[Disc 1]
1. Free As A Bird
2. Speech : John Lennon
3. That'll Be The Day
4. In Spite Of All The Danger
5. Speech : Paul McCartney
6. Hallelujah, I Love Her So
7. You'll Be Mine
8. Cayenne
9. Speech : Paul McCartney
10. My Bonnie
11. Ain't She Sweet (Mono Version)
12. Cry For A Shadow
13. Speech : John Lennon
14. Speech : Brian Epstein
15. Searchin'
16. Three Cool Cats
17. The Sheik Of Araby
18. Like Dreamers Do
19. Hello Little Girl
20. Speech : Brian Epstein
21. Besame Mucho
22. Love Me Do (Alternate Take)
23. How Do You Do It
24. Please Please Me (Alternate Take)
25. One After 909 (seequence)
26. One After 909 (Take 3+4+5)
27. Lend Me Your Comb (BBC)
28. I'll Get You (TV Show 1963)
29. Speech: John
30. I Saw Her Standing There (Live)
31. From Me to You (Live)
32. Money (That's What I Want) (Live)
33. You Really Got A Hold On Me (Live)
34. Roll Over Beethoven (Live)

[Disc 2]
1. She Loves You (Live)
2. Till There Was You (Live)
3. Twist And Shout (Live)
4. This Boy (Live)
5. I Want To Hold Your Hand (TV Show 1963)
6. Speech: Eric Morecambe And Ernie Wise (TV Show 1963)
7. Moonlight Bay (TV Show 1963)
8. Can't Buy Me Love (Take 2+1)
9. All My Loving (TV Show 1964)
10. You Can't Do That (Take 2)
11. And I Love Her (Take 2)
12. A Hard Day's Night (Take 1)
13. I Wanna Be Your Man (IBC Version 1964)
14. Long Tall Sally (IBC Version 1964)
15. Boys (IBC Version 1964)
16. Shout (Edit Version)
17. I'll Be Back (Take 2)
18. I'll Be Back (Take 3)
19. You Know What To Do
20. No Reply (Demo)
21. Mr. Moonlight (Take 1+4)
22. Leave My Kitten Alone
23. No Reply (Take 2)
24. Eight Days A Week (sequence)
25. Eight Days A Week (Take 5)
26. Kansas City / Hey-Hey-Hey-Hey! (Take 2)

Disc 1-10,11,12,15,16,17を除く全曲未発表音源。
印は初登場の楽曲。
[未発表音源でビートルズのキャリアを振り返る・第1弾]

◎ 1995年11月〜1996年10月にかけ、ビートルズ自身がバンドのキャリアを振り返る未発表音源集(2枚組CD3種)と、映像版(VHS/LD)がリリースされました。長年封印されていた数々の未発表音源が"公式に"発表されるのは『The Beatles Live At The Hollywood Bowl』(1977年5月/未CD化)と『Live At The BBC』(1994年11月)以来。さらに、ジョンが遺した未発表曲をポール、ジョージ、リンゴの3人が完成させた"新曲"「Free As A Bird」「Real Love」が含まれていた事も大きな話題を呼び大ヒットを記録。

 『Anthology』シリーズがこうして形になったのは、80年代後半に現役時代の作品のCD化も完了した事、90年代に入ってから長年続いたアップル・コア関連のゴタゴタの解決、ドキュメンタリー映像の制作、デジタル技術の進歩など、様々な条件が積み重なった事も大きく、さらにこのシリーズ発表により、裏流出した非正規盤(主にブタさんや黄色い犬さん等)を一時的とはいえ一掃する効果も(制作サイドもその類を一通り把握していたようで、『Anthology』シリーズにはそれらでも聴けなかった音源も多い)。そして長年のファンは、黄色い犬さんのあんさあなんちゃらや『Anthology』シリーズを書籍『ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ』を片手に聴きながら、さらなるDeep Zoneへと踏み込むのでした…(笑)

(これから本作を聴く方へ)

⚪️ もしこれからビートルズの音楽に接する方は、本作より先に、現役時代に発表されたオリジナル・アルバム(『Please Please Me』〜『Let It Be』まで+『Past Masters』)、または各種ベスト盤(『赤盤』『青盤』『1』等)を聴く事をお勧めします(いちおうこちらのコーナーでもご紹介しています)。あくまで「未発表音源集」のため、公式発表曲を把握している状態の方がより一層楽しめます。いい曲も勿論収録されていますけど、いきなりはどうかなぁ…。ある程度のミッションを経てからトライって事で。

⚪️ タイトルが"アンソロジー"とされていますが、 既発曲をまとめた「全曲集」「大全集」「ベスト盤」の類ではありませんので、事前情報はそれなりに知っておいた方が無難です。
[配信版]

 現在ではCDのほか、iTunes Music Storeでダイジェスト版を含む配信版もリリースもされています。

Anthology Box Set


Anthology Highlights
[収録曲]

 収録曲については日本盤CDのブックレットに記載されていますので、ここでは短縮版+補足という形で進めます。

(Disc 1)

⚫️ Disc 1の3〜23まではバンド黎明期〜デビューの音源で占められ、メンバーのコメントなどを交えながらドキュメンタリー形式で構成。55年以上前の素材で状態が万全ではないものもありますが、時代背景を考えると音源自体が現存するだけでも奇跡で、歴史的な音源と呼べるものばかり。

1. Free As A Bird

 先に触れた通り、本作に合わせて制作された"新曲"の一つ。1977年にジョンがラジカセでDemo録音したテープを基に、ポール、ジョージ、リンゴがバックを付けて曲を完成させています。1977年といえばジョンが音楽活動を停止して(今でいう)イクメンに徹し、約8ヶ月間にわたり日本に滞在していた時期。正確な録音日は不明ですが、恐らく日本からニューヨークに帰省後に書いたのではないかと(推測)。ところが曲の途中、「Whatever happened to....」の部分(どことなくThe Shangri-lasの「Remember ( Walking in the Sand)」っぽい雰囲気)だけ歌詞が抜けた状態だったため、ポールとジョージが新たに歌詞を追加。演奏面ではジョージのギター・プレイが聴きどころ。聞こえてくる音は90年代に作られたためその時代の質感になっていますが、どこか『Abbey Road』からずっと止まっていた時間が再び動き出したような感覚。または彼らがやり残していた事を、現代の技術で成し遂げようとしているようにも…捉え方は様々。前に出した曲には無い要素を、何かしら提示してくるのがいかにもビートルズ。

 また、この曲のレコーディングではジョージ・マーティンが『Anthology』用の音源に集中していたため、プロデューサーはJeff Lynne(Electric Light Orchestra)が担当。たしかにJeff Lynne特有のドラム・サウンドが目立つのは否めないし、中には外部の人が関わるのを快く思わないとの意見もあったようですが、いわばビートルズ・フォロワー&ファンの一人が一緒に仕事をするチャンスに巡り会えた…と。お互い元々面識のない間柄でもなく、Jeff Lynneもいちおう1968年10月10日にレコーディング中のビートルズを見学していたり(「Glass Onion」「Why Don't We Do It In The Road?」を二手に分かれての分担作業中だったとか…。雑誌『レコード・コレクターズ』2015年12月号に本人のコメントあり)、ジョージ復活のきっかけとなったアルバム『Cloud Nine』(1987年)のプロデュースを彼に依頼し、リンゴとも作業を共にし信頼関係を築いた点も大きかったと思います。
 他に小ネタとして、当時在籍していたThe Idle Raceで発表した「Girl At The Window」(1969年)という曲を聴くと「John and Paul and Ringo and George...♪」や「The little girl crept down the stairs free as a bird...♪」なんて歌詞が出てきたり(←他の方の指摘より)、ELOの「Showdown」(1973年)がジョンのお気に入り曲の一つだったり(←ボックス『FLASHBACK』ブックレットより)、同じくELOの「Shangri-La」(1976年)でも歌詞に「Hey Jude」が出てきたり・・・等々。

⚪️ The Idle Race「Girl At The Window」(1969年)

⚪️ George Harrison「When We Was Fab」(1987年)

 先ほど「公式発表曲を把握している状態の方がより一層楽しめます。」と書きましたが、この曲のために制作されたミュージック・ビデオが正にそれで、全編にわたりビートルズの曲の歌詞に因んだ様々なネタが組み込まれています。DVD版『Anthology』や『1+(デラックス・エディション)』(2015年)で観る事が出来ますので、機会がありましたら是非。


(各種ヴァージョン/ミックス)

1 : 1995 Version

 一般的に流通している音源。
(収録作品)
◉『Anthology 1』(1995年)
◉『Free As A Bird』(1995年/Single)
『Anthology Highlights』(2010年/配信版のみ)

2 : MV Version

 プロモーション・ビデオ(またはMV)で使用されているもので、冒頭に鳥の羽ばたくSEが、エンディングで拍手が挿入されている。
(収録DVD)
◉『ザ・ビートルズ・アンソロジー』(2003年/DVD-BOX)

3 : MV Version/5.1ch Surround Mix

 DVD版『Anthology』に収録の、5.1ch Surround Mix。ちなみにうちにサラウンドの再生環境が無いためどのような音像かは不明…スミマセン<(__)>
(収録DVD)
◉『ザ・ビートルズ・アンソロジー』(2003年)

4 : MV Version/2015 Remix

 2015年11月発売のベスト盤『1+』付属のDVDまたはブルーレイ収録のMVに、プロデューサーのJeff Lynneが新たに作成したリミックス・ヴァージョンが収録されています。曲の前後は2,3と同じですが、他は音のバランスなどが変えられています。曖昧な部分も多いため間違いもあるかもしれませんが、幾つか挙げてみると…。

🔵ジョンのヴォーカルにかかっていたエフェクト処理が外されている。
🔵ジョンの歌になぞって歌うポールの声が鮮明に聞こえる。
🔵ジョージの「Whatever happened to The lives that we once knew...♪」の箇所のみ歌い方が異なる(と思う。「It always made me feel so free...♪」は同じ)。
🔵リンゴのドラム・パートで数カ所音数が増えている(気がする。スミマセンこれも曖昧)。
🔵エンディングに挿入されたジョンの逆回転音声、1995年版は"Made by John Lennon"と聞こえていたのに対し、2015年版は"Turned out nice again"と、元のまま挿入されている(その部分を逆回転再生させると、これまで聴いていたものと同じになる)。挿入のタイミングも若干早い。
(収録作品)
『1+ (SHM-CD+2DVD)』(2015年)
『1+ (SHM-CD+Blu-ray)』(2015年)

5 : 2015 5.1ch Surround Mix

 2015年11月発売のベスト盤『1+』付属のDVDまたはブルーレイ収録のMVに、5.1chサラウンド・ミックスが収録されています。再生環境がないため未確認(スミマセン<(__)>)。
(収録作品)
◉『1+ (SHM-CD+2DVD)』(2015年)
◉『1+ (SHM-CD+Blu-ray)』(2015年)

3. That'll Be The Day

 ビートルズ関連の音源では恐らく2番目に古いもので(最初はこれのはずで)、前身バンド・The Quarry Menが1958年7月にリヴァプールの貸スタジオで自主制作盤を作るために演奏した曲の一つ。曲は当時人気を博していたBuddy Holly & The Cricketsのカヴァー。聴いての通り、既にジョン・レノンはジョン・レノンだった(笑)。ちなみに音源について「回転数が異様に速い」と書いている方もいますけど、単純にメンバー全員10代で、声が20代より高めなだけです。↓の動画はオリジナルのBuddy Holly。いわゆるロック・スターというより、近所からポッと出てきたような。そうした要素やバンド形態、自分で曲を作るスタイルも、後のビートルズに繋がるものを感じさせられます。


4. In Spite Of All The Danger

 3と同様の音源で、ポールとジョージのオリジナルという珍しい組み合わせのロカビリー調の曲。リード・ヴォーカルはジョンで、ポールがハーモニーをつけています。古めかしい音質なのは78回転のレコード盤から音を起こしているため。

6. Hallelujah, I Love Her So
7. You'll Be Mine
8. Cayenne

 この3曲は1960年にポールの自宅で録音されたテープからで、ジョン、ポール、ジョージにスチュアート・サトクリフ(b)が加わった貴重な記録。6「Hallelujah, I Love Her So」はRay Charlesの曲ですがエディ・コクラン経由と思われます。7「You'll Be Mine」は歌い方が大げさなレノン/マッカートニーのオリジナル。8「Cayenne」はポールによるインストゥルメンタル曲。ちなみにこの時の音源には「One After 909」「I'll Follow The Sun」等も録音されていましたが、公式には未発表(2011年にマイナー・レーベルから『At Home 1960』と題されて出た事がありましたが、現在はCD・配信共に廃盤)。

10. My Bonnie
11. Ain't She Sweet
12. Cry For A Shadow

 3曲共に既発音源で、1961年6月22日@ドイツ・ハンブルクの巡業中に歌手のトニー・シェリダンのバック・バンドとして演奏したもの。通常の録音スタジオではなく、ホール内に機材を持ち込んでレコーディング。この時のビートルズはスチュアート・サトクリフが抜けポールがベースに替わり、Pete Best(d)が加わった4人編成の時期。

 トニー・シェリダンがヴォーカルの10は元々「My Bonnie Lies over the Ocean」というスコットランド民謡で、ここではアップ・テンポのロックン・ロールにアレンジ。ただしここではイントロがインタビューとクロスフェイドで繋がっているのが難点(なのでストレス無く聴きいた場合は『Beatles’ First!』または『In the Beginning』等のCDで)。11,12はビートルズ単独の演奏で、ジーン・ヴィンセント経由のカヴァーと思われる11「Ain't She Sweet」はジョンがヴォーカル。ステレオ・ミックスも存在しますが、ここでは1964年に(演奏者不明の)ドラムがオーヴァー・ダビングされたMono Single Versionで収録。12「Cry For A Shadow」はジョンとジョージの共作によるインストゥルメンタル・ナンバー。
「その他のアルバム1:1960-1961」を参照。


15. Searchin'
16. Three Cool Cats
17. The Sheik Of Araby
18. Like Dreamers Do
19. Hello Little Girl

 波乱に満ちた1962年の幕開けは1月1日に行われたデッカ・レコードでのオーディション。その際に録音された15曲から5曲が選ばれています。これも80年代にEMI以外のレーベルから発売されていましたが、ピッチが半音上げられ、メンバーのオリジナル曲が権利上カットされたのが難点でした。The Coastersのカヴァー15「Searchin'」のイントロ数秒カットなのが惜しいものの、「Like Dreamers Do」「Hello Little Girl」が公式に初登場(何故か「Love Of The Loved」は未収録)。
「その他のアルバム Part 2:The Decca Tapes」を参照。

⚫️ イントロのカットなしの「Searchin'」。ポールのカウント「4!!」から始まる。

21. Besame Mucho

 1月1日のオーディション不合格以降もイギリス国内のメジャー・レーベルから次々に断られ、半年かかってようやくレコード契約にたどり着きます。ビートルズも最初から成功者だったわけではなく、底辺からようやくここまで這い上がってきた…と。

 この曲は1962年6月6日にEMIスタジオ(後のAbbey Road Studio)での最初のレコーディング・セッションより。この曲は元々メキシコの曲でタイトルはスペイン語で…ってややこしくなりますね(笑)。ジャンル問わず色んな人達が歌っていて、ビートルズはThe Coasters経由と思われます。1月のデッカ・オーディションではジョンとジョージのバック・コーラス付きでしたが、ここではポールのリード・ヴォーカルのみで通されています。

22. Love Me Do

 21と同じく1962年6月6日に行われたレコーディング・セッションより。本作で初めてピート・ベストが演奏する「Love Me Do」が日の目を見ています。曲の途中でテンポ・チェンジするのが大きな特徴で、これが後に運命の大きな分岐点となったワケで…。この曲については『Please Please Me』の項目をご参照ください。

23. How Do You Do It

 古くから存在が知られていた未発表曲で、3ヶ月後の1962年9月4日録音。ここでようやくリンゴが合流。オリジナル曲でデビューしたいメンバーに対し、プロデューサーのジョージ・マーティンは当時の凡例に沿って作曲家が書いた曲を提案。で、ご存知の通りビートルズは気乗りしないまま演奏し、何とか「Love Me Do」で推し進める事に…。ランキングだけ見ると「Love Me Do」が全英第17位で、Gerry & The Pacemakersに回された「How Do You Do It」が1位になりましたが、50年を経た今となっては…。一見ワガママに映るビートルズの要望に、ジョージ・マーティンが寛容に受け止めたのが、結果的に功を奏したワケで…って書くとGerry & The Pacemakersの分が悪くなりますが、彼らは「I Like It」「I'm The One」「It's Gonna Be Alright」といったビート・ナンバーや「Ferry Cross The Mersey」という名曲を残していますので機会がありましたら是非。

 ちなみにAnthology収録版は後半の歌詞の一部が編集された"別ヴァージョン"で、恐らく未発表アルバム『Sessions』(1985年)の製作時に編集されたものと思われます。少なくとも、1984〜5年頃に制作されたヒストリーもののラジオ番組で放送された未編集Original Version(未発表)、Anthology版(編集あり)、Sessions版(編集あり&疑似ステレオ/未発表)の3種類が存在すると思っていただけると。↓がその未編集版。注意深く聴かないとどこが編集されたのか聴き逃すかも。


24. Please Please Me

 ドラムがリンゴに交代してようやくあの4人が揃った…と思ったら、ご存知の通り、ジョージ・マーティンがセッション・ドラマーのアンディ・ホワイトを手配していたという…(苦笑)。これは「Love Me Do」「P.S. I Love You」と同じく1962年9月11日でのセッションからの初期段階別テイクで、奇跡的に発見されたアセテート盤から起こされたもの。

 よく知られるエピソード同様に、スロー・テンポのヴァージョンを期待したいところですが、それはテープを回す前の打ち合わせの段階だったのでしょう。ここで聴けるテイクもジョージ・マーティンから助言を受けてアップ・テンポに変更したもの。で、一旦試しに演奏してアセテート盤を作り、これを元にアレンジを練り直して次のセッションに持ち越したと。この曲については『Please Please Me』の項目をご参照ください。

25. One After 909 (sequence)
26. One After 909 (Take 3+4+5)

 この『Let It Be』収録曲も1960年頃に既に書かれていて、1963年3月5日に行われたシングル「From Me To You」のセッション時に正式なレコーディングが行われています。で、納得行くテイクが出来ずにお蔵入りに…。ここでは25でセッションの断片を抜粋し、26では3つのテイクを繋ぎ合わせて収録しています。ちなみにそれとは別テイク(Takes 1 & 2)が配信アルバム『The Beatles Bootleg Recordings 1963』(2012年)に収録されています。

27. Lend Me Your Comb

 1963年7月2日に録音されたBBCセッション音源で、Carl Parkinsのカヴァー。後にリマスターされ『On Air - Live at the BBC Volume 2』(2013年)にも収録。

30. I Saw Her Standing There
31. From Me to You
32. Money (That's What I Want)
33. You Really Got A Hold On Me
34. Roll Over Beethoven

 30〜34は1963年10月24日@スウェーデンのラジオ番組に出演した際のライヴ音源で、長年のファンの間では古くから知られるもの。「From Me to You」はシングルよりもアップ・テンポで、『With The Beatles』からの32〜34はアルバム発売前。で、実際にはこの後「She Loves You」「Twist And Shout」が演奏されましたが惜しくも未収録。後者は1984〜5年頃に制作されたヒストリーもののラジオ番組で放送された事がありました。

8. Can't Buy Me Love (Take 2+1)
10. You Can't Do That (Take 2)
11. And I Love Her (Take 2)
12. A Hard Day's Night (Take 1)
17. I'll Be Back (Take 2)
18. I'll Be Back (Take 3)

 『With The Beatles』のセッション・テープが殆ど現存しないようで、機材が2トラックから4トラック録音に替わった辺りからは様々なテイクが残されています。『A Hard Day's Night』用のセッションでは計6曲を収録。「Can't Buy Me Love」の初期別テイクではキーが高くリリース版にはないバック・コーラスが入り、初期別テイクの「And I Love Her」もアレンジがリリース版とは異なる。17「I'll Be Back」も初期段階ではワルツで演奏され、18ではアレンジが変更。これ以降〜『Anthology 3』までは、こうした曲が完成に至る過程を収録したものが多く含まれています。
『A Hard Day's Night』の項目を参照。

13. I Wanna Be Your Man
14. Long Tall Sally
15. Boys

 1964年4月19日、テレビ特番『Around The Beatles』用に演奏されたスタジオ・ライヴで、映像版は80年代に『ザ・ビートルズ・ライヴ!』と題されてビデオ発売され、近年では『Around The World』というサードパーティーもののDVDにも収録されていました。ここに収録されているのはテレビ音声ではなく、3トラック・テープから新たに作成されたステレオ・ミックスで収録。

16. Shout

 この曲もテレビ特番『Around The Beatles』で披露された曲で、音源自体は初登場のステレオ・ミックス。ところが既発のビデオ版より短く、長ったらしいと思われたのか、ジョージのパートが編集されているのが惜しい。曲はThe Isley Brothers(「Twist and Shout」「This Old Heart Of Mine」「That Lady」「Between The Sheets」のヒットで知られるアメリカの長寿R&Bグループ)が1959年に発表した曲で、ビートルズが演奏した同じ年にLULUがカヴァー・ヒットさせています。

19. You Know What To Do

 本作で初登場の、ジョージ作の未発表曲。1964年6月3日録音で、ジョージのヴォーカルとギター、ベース、タンバリンというシンプルな編成で、丁度その頃リンゴが病気で入院したためドラムは入っていない。

20. No Reply (Demo)

 こちらもリンゴ不在時の1964年6月3日に録音されたデモ音源。しかしこちらには(ちょっと不安定な)ドラムが入っている。ポールのベースが聞こえるのでポールではないし、書籍でも代役のジミー・ニコルでもないと記されている。ギターは1本。ジョンが歌いながら弾いているとしたら、この時ジョージは何をしていたのか・・・?

22. Leave My Kitten Alone

 『Beatles For Sale』セッション前半・1964年8月14日に録音された未発表曲で、Little Willie Johnが1959年に発表した曲のカヴァー。威勢のいいロックン・ロールでジョンのヴォーカルが聴きものですが何故かお蔵入り。ちなみにほぼ同時期にThe First Gearというバンドもシングルで発表しています。

 ちなみに本作収録の音源はオーヴァー・ダビングのパート(ピアノとタンバリン)が電気的にダブル・トラック処理されている事から、未発表アルバム『Sessions』(1985年)制作時のマルチ・トラックからリミックスされたものと思われます(註:『Sessions』版ではピアノとタンバリンが強調されている。他に1982年作成のミックスも存在しますが、そちらは音が中央で、ヴォーカルのみステレオ・リバーブがかけられている。2種類共に正規版では未発表)。

🔵YouTubeより:ファンが2015年に作成したStereo Mix。DVD版『Anthology』のエンドロール画面に5.1chサラウンド・ミックス(途中でフェイド・アウト)が収録されているので、それと本作のミックスを組み合わせたものと思われます。

21. Mr. Moonlight (Take 1+4)
23. No Reply (Take 2)
24. Eight Days A Week (sequence)
25. Eight Days A Week (Take 5)
26. Kansas City / Hey-Hey-Hey-Hey! (Take 2)

 CD後半は4作目のアルバム『Beatles For Sale』からのアウトテイクを5種類収録。「Eight Days A Week」はイントロをフェイド・インに決めるまでに別の案があった事を確認する事ができます。
『Beatles For Sale』の項目を参照。

…ということで、『Anthology 1』の収録曲の一部を駆け足でご紹介しました。
[シングル・カット]

フリー・アズ・ア・バードフリー・アズ・ア・バード
(1996/01/01)
ザ・ビートルズ

商品詳細を見る

『Free As A Bird』(TOCP-8715)

1. Free As A Bird
2. I Saw Her Standing There (Take 1)
3. This Boy (Take 12 & 13)
4. Christmas Time (Is Here Again)

◎『Anthology』シリーズでは「Free As A Bird」が1995年12月4日にシングル・カットされています。CDは4曲入りで、クリスマス・ソングも収録されていますが、日本盤が発売されたのは1996年1月1日でした。1はアルバムと同じ音源ですが、他の3曲は『Anthology』シリーズには未収録。ジャケットのイラストはジョンが1964年に描いたものを使用。

 2「I Saw Her Standing There」の"Take 1"は例のカウントと手拍子が無い以外は『Please Please Me』と同一テイクなのが判るという、ちょっとした種明かし的な音源。3「This Boy」はシングルとし別テイク。4「Christmas Time (Is Here Again)」はファン・クラブ向けに制作されていたクリスマス・レコードの1967年分のみに収録されていた曲で、CD収録に際し新たに編集されています。
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(作成:2011年6月1日/更新:2011年6月1日,2015年12月27日,2016年4月5日)
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[ 2011/06/01 13:11 ] The Beatles関連 | TB(0) | CM(0)

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