The Kinks : The Kink Kontroversy


1. Milk Cow Blues
2. Ring The Bells
3. Gotta Get The First Plane Home
4. When I See That Girl Of Mine
5. I Am Free
6. Till The End Of The Day

7. The World Keeps Going Round
8. I'm On An Island
9. Where Have All The Good Times Gone
10. It's Too Late
11. What's In Store For Me
12. You Can't Win

The Kinks :
Ray Davis (vo,g,harmonica)
Dave Davis (g,vo)
Pete Quaif (b,cho)
Mick Avory (d)

Adittional Musicians :
Nicky Hopkins (Piano/1,3〜12)
Clem Cattini (d/3〜12)
Shel Talmy (g/10)
Rasa Davis (cho/6)

Produced by Shel Talmy

🔵 前作『Kinda Kinks』(1965年3月)がイギリスで2位の大ヒットを記録し傍目には順調に見えたキンクスでしたが、シングルは「Everybody's Gonna Be Happy」はTop10入りを逃し、続く「Set Me Free」(1965年5月)で再び9位に返り咲きしたものの、次の「See My Friends」(1965年7月)はサイケを先取りしたラーガ・ロックが時期早々だったのか15位止まりと浮き沈みを繰り返す(とは言っても数字の結果=曲の良し悪しではないですよね)。バンドの混乱と負の連鎖は続き、コンサート・ツアーの移動の連続でメンバーは心身共に疲れ果て口論も絶えず。よく知られるエピソードで、ステージの最中にデイヴの悪態にブチ切れたミックがシンバルでやり返し負傷させる騒動が起きたのもこの頃(1965年5月)。レイは神経症に陥りマネージャーとも意識のすれ違いにより対立。ビートルズをきっかけに後続のブリティッシュ・バンドが相次いでアメリカ進出に躍起だったこの時期、キンクスも同様に「You Really Got Me」のヒットで乗り込んだものの、利益の乏しいツアーや自ら起こした不可解な言動が災いし、アメリカでの演奏活動を禁じられる羽目に(謹慎状態は1969年まで続く)。それでも1965年10月発売の「A Well Respected Man」は全米第13位のヒットを記録し、アメリカとはここでしばらくお別れに。

 そんなこんなあって1965年11月にサード・アルバム(本作)を発表(全英第10位)。ヒット・シングル6「Till The End Of The Day」のような従来のスタイルだけでなく、詞・サウンド共に多様性を見せています。また、ピアニストのNicky Hopkinsがほぼ全面に渡りゲスト参加。以後のアルバムでも名脇役として貢献を果たします。

 前半(A面)1曲目「Milk Cow Blues」はSleepy John Estesのカヴァーで強力なBlues Rock。デイヴとレイが交互に歌い分ける。後にAerosmithも『Draw the Line』(1978年)でカヴァー。2「Ring The Bells」は一転して穏やかなアコースティック・ナンバー。3「Gotta Get The First Plane Home」はどことなくDale Hawkins「Suzie Q」に通ずるリズム・パターンで、散々な思いをしたアメリカから離れる時の心境を歌ったもののようです。5「I Am Free」はデイヴ作&ヴォーカルのフォーク・ロック。

 後半(B面)7「The World Keeps Going Round」は一風変わったイントロで始まる。ドラムのパターンも独特。8「I'm On An Island」は南国的な雰囲気。同じ孤独でもThe Beach Boysの「In My Room」が部屋ならこちらは島。ディラン風のヴォーカル・スタイル9「Where Have All The Good Times Gone」はシングル6「Till The End Of The Day」のカップリング曲で、後にDavid Bowie(1973年)やVan Halen(1983年)がカヴァー。ルーズなR&R10「It's Too Late」では何故かプロデューサーのShel Talmyがアコースティック・ギターをプレイしているほか、Nicky Hopkinsが間奏でピアノ・ソロを披露。ラストの12「You Can't Win」は特定の人物への当て付け(?)的な内容のルーズなR&R。



[CDについて]
 80年代以降、イギリスCastle盤や日本のテイチク盤など多数出回っていますが、ここでは90年代以降に発売されたものからいくつかピック・アップします。

[1:1993年日本盤]

『The Kink Kontroversy/Face To Face』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-5329)

Track 1〜12・・・『The Kink Kontroversy』(Mono)
Track 13〜26・・・『Face To Face』(Stereo)

◎1993年12月に発売された日本盤。3rd+4thアルバムを1枚のCDに収録。80年代にテイチクからも同仕様で発売されていましたが、このビクター盤は新たに歌詞の対訳が付けられています。

[2:1998年イギリス盤]

『The Kink Kontroversy+4』(イギリスEssential(Castle))

Track 1〜12・・・The Original Mono Album
(Bonus Tracks)
13. Dedicated Follower Of Fashion
14. Sittin' On A Sofa
15. When I See That Girl Of Mine (Demo)
16. Dedicated Follower Of Fashion (Unreleased Alternate Stereo Take)

◎ 1998年にイギリスで発売されたCDで(上記リンク画像は2004年再発盤)、1998年リマスター音源を使用。以後の日本盤CDの殆どはこのイギリス盤CDを基にされています。

(Bonus Tracks)
15. When I See That Girl Of Mine (Demo)

 1965年5月録音のDemo音源。後に『Kinda Kinks (Deluxe Edition)』(2011年)にも収録。

13. Dedicated Follower Of Fashion

 1966年2月発表のシングル曲(全英第6位)で、最新流行に命懸けな男が主人公の歌。

14. Sittin' On A Sofa

 13のカップリング曲でグルーヴ感のあるロック・ナンバー。後に鮎川誠がアルバム『LONDON SESSION#2』(1993年)でカヴァー。


16. Dedicated Follower Of Fashion (Unreleased Alternate Stereo Take)

 初登場の別テイクで、恐らく本番前のプリプロと思われます。バック・コーラスはなく、音源はステレオ。後にボックス・セット『Picture Book』(2008年)にも収録。ちなみに同種の音源が『The Anthology 1964-1971』(2014年)に収録されていますが、そちらは別テイク。

[3:1998年日本盤]

『The Kink Kontroversy+4』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-60223)

◎上記イギリス盤を基にした日本盤。ブックレットにはオリジナル・ライナーと1998年盤ライナーの翻訳、加藤ひさし(The Collectors)のコメント、ライターの小松崎健郎氏による「ザ・キンクス・パイ・ヒストリー」、作品紹介、歌詞・対訳を掲載。

[4:2000年紙ジャケット仕様日本盤]

『The Kink Kontroversy』((日本盤)ビクター エンタテインメント VICP-60996)

◎2000年に発売された紙ジャケット仕様の日本盤。12曲入りでボーナス・トラックは無し。歌詞・対訳・解説書付き。

[5:2001年紙ジャケット仕様イギリス盤]

『The Kink Kontroversy』(イギリスSanctuary/CMTCD301)

◎イギリスのSanctuaryが製作した紙ジャケットCDで、特製のビニール・ケースに入れられています。12曲入りでボーナス・トラックは無し。

[6:2007年紙ジャケット仕様日本盤]

『The Kink Kontroversy+4』((日本盤)BMG Japan BVCM-37972/2007年)

◎日本のBMG Japanが"kinks Paper Sleeve Collection"というシリーズで発売した紙ジャケット仕様のCD。音源は1998年リマスター盤と同一。歌詞・対訳・解説書付き。

[7:2009年日本盤]

『The Kink Kontroversy+4』((日本盤)Sanctuary/Universal UICY-60102)

◎2009年3月に発売されたCD。権利関係の移行により日本のユニヴァーサル・インターナショナルからのリリース。内容は1998年リマスター盤と同一。歌詞・対訳・解説書付き。

[8:2011年 Deluxe Edition]

(SHM-CD & 紙ジャケット仕様日本盤:Sanctuary/UMC UICY-75029〜30)

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(デジ・パック仕様EU盤CD:275 628-5)

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Kinks

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(配信版)
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[Disc 1]

1〜12・・・The Original Mono Album

[Disc 2]
1. Dedicated Follower Of Fashion
2. Sittin' On A Sofa
3. I'm Not Like Everybody Else
4. Mr. Reporter (Outtake)
5. Dedicated Follower Of Fashion (Alternative Take)
6. Time Will Tell (Outtake)
7. And I Will Love You (Unissued EP Track)
8. I'm Not Like Everybody Else (Alternative Vocal)*
9. All Night Stand (Demo)
(Live At The BBC)
10. Milk Cow Blues
11. Ray Talks About Songwriting
12. Never Met A Girl Like You Before*
13. Wonder Where My Baby Is Tonight
14. Pete Talks About Records
15. Till The End Of The Day
16. A Well Respected Man*
17. Where Have All The Good Times Gone

*Previously Unreleased

◎2011年に発売された2枚組デラックス・エディション。ちなみに輸入盤と日本盤双方でジャケットの仕様が異なります。

🔵2011年リマスター音源
🔵初登場音源3曲収録
🔵輸入盤はやや太めなデジ・パック仕様のパッケージ+ブックレット付き。
🔴日本盤はSHM-CDを採用。
🔴日本盤は輸入盤とは異なり、LPジャケットのデザインをミニチュア復刻した紙ジャケット仕様(Disc 1はイギリス盤、Disc 2はアメリカ盤)。
🔴日本盤付属ブックレットには英文ライナー翻訳、歌詞・対訳を掲載。

(Disc 1)
1〜12・・・Original Albumのリマスター音源を収録(モノラル)。

(Disc 2)
Track1〜3・・・シングルより。

3. I'm Not Like Everybody Else

 デイヴのヴォーカルで、シングル「Sunny Afternoon」(1966年3月)のカップリング曲。

4. Mr. Reporter

 1998年まで未発表だった曲で、『Face To Face』1998年リマスター盤ではデイヴがヴォーカルのヴァージョン(ステレオ)で収録されていましたが、こちらはボックス『Picture Book』(2008年)が初出のレイがヴォーカルの別テイク(1966年2月7日録音/モノラル)。

5. Dedicated Follower Of Fashion (Alternative Take)

 1998年盤CDのボーナス・トラック収録版とは別テイクで、イントロ無しで歌から始まり、バック・コーラスやピアノが加わっている。シングルのテイクよりラフな演奏。

6. Time Will Tell

 1983年まで未発表だった曲で、ボックス『Picture Book』(2008年)にも収録。今回は冒頭でスタジオ・ブースからの"Take 1"のアナウンスが挿入されている。

7. And I Will Love You

 1966年EPに収録予定だった曲。ボックス『Picture Book』(2008年)にも収録されていましたが、今回はコンディションの良好な音源で収録。

8. I'm Not Like Everybody Else (Alternative Vocal)

 演奏はシングル版と同一で、ヴォーカルのみ別テイク。アセテート盤からの音源と思われる。

9. All Night Stand (Demo)

 1965年12月録音のDemoで、アセテート盤からの音源。後にThe Thoughtsというバンドがレコーディング。

Track 10〜17・・・Recorded Live at The BBC

このうち12「Never Met A Girl Like You Before」16「A Well Respected Man」が初登場音源。
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(2004年2月3日作成の記事を再構成/更新:2011年2月8日,10月21日,2016年1月22日)
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